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情熱のイタリア男🇮🇹給仕と車掌そしてグラサン修道女

イタリア情熱アモーレ男たち最終回。

フィレンツェの陽気な給仕。

給仕はイタリア語で【カメリエーレ】らしい。

底抜けに明るいカメリエーレは、アジアンビューティーCちゃんがいる私たちのテーブルを特別視した。

運んではペラペラ。
運んではペラペラ。

しかも料理の説明でなく、誉め称えトークである。そんな喋ってて店長に怒られるで?

「お待たせ! 素敵な料理を素敵な人たちへ。さあ召し上がれ。しゃあけど、不思議やなあ。いま店ん中で、このテーブルだけが光輝いてるよ、凄いなあ!」


手、頭、目玉をバラバラに動かしている。天井から糸で釣られてるのかと思ったほどだ。

Cちゃんは、マリオネットの相手をしつつ、早口大阪弁で訳してくれる。

「朝から君らが来んのを待ってたんや、言うてるわ。僕は今日めっちゃ幸せや、あとで庭で写真撮ろう、この店、花壇が綺麗やで、まあ、君らの方が綺麗けどな、あ、僕も一緒に撮ってな、やって」

 アホほどよく喋るマリオネットカメリエーレ君であった。

彼のせいでゆっくり食事は出来なかったが、彼のおかげで、めいっぱい笑顔で食事が出来た。


 ナポリ行き列車では、過去最高レベルの情熱アモーレ車掌が現れた。【コンドゥッツォーレ】というらしいが、長いので普通に車掌と呼ぼう。

 
開き直る車掌

「切符拝見〜」と、やって来た車掌。Cちゃんを見るなり、コンパートメントのドアを半分閉めた。そしてあろうことか客席に腰をおろした。

「イタリアは初めてなん? イタリア語うまいやんか。どこまで行くん? 僕な、3年前日本へ行ってん。フジサーン。スーシー。で、ナポリはどこのホテル?」

Cちゃんをナンパしたいという気持ちを、あからさまに前面に押し出してのトークだ。

そこへ他の客が 

「あのー質問があって、待ってるんですけど、まだ終わりませんか」

顔を覗かせた。

すると

「ちょっ待てよぉ!(キムタク調)イマオレ、お客さんと、お喋り中っ!」

「逆ギレしてるわ」

 Cちゃんがあきれ顔でつぶやく。

車掌は、それからたっぷり10分ほど、コンパートメントに居座って、Cちゃんの連絡先を貰おうと試みていた。

私は、この華麗なる業務放棄に、ちょっとした感動すら覚えた。これが正真正銘🇮🇹アモーレ魂か。

 でもナンパ系ばかりでない。

駅でサッと現れスッと荷物運びを手伝ってくれる普通のおじさん。

「スカート。綺麗な色だね」
 スーパーマーケットで、パッと褒めてシュっとレジへ向かう男性。

「そやろ、これがイタリアやで。日本とぜんぜんちゃうやろ? 私かて日本では、ここまで話しかけられることないよ。あの人ら(イタリア男たち)はな、もうなんちゅうか……礼儀やな。エチケットやと思ってるんやね。女を褒めさせたら天下一品やよ」

コテコテの大阪弁を捲し立てながら、Cちゃんは長い黒髪を優雅にかきあげる。

私は大きく何度も何度も頷いた。

どこを観ても何を食べても大満足だったが、旅の思い出ハイライトは?と聞かれたら

各地で目撃したアモーレ男たちの言動だ。

一方、女性でインパクト大だったのは 
アッシジの修道女たちだ。   
修道服に【黒のグラサン】姿の人をなんにんも見かけた。

最初はエッと驚いて二度見ばかり。

衝撃的にカッコ良かった。

和歌山の高野山で、レイバンかけたお坊さんたちが歩いてる感じ? 

ちょっと違うか。

そもそも欧米とアジアでは、サングラスに対する解釈が違う。瞳の色が薄い欧米系の人たちは必要に迫られてサングラスをする。

 日本の感覚でもって勝手に驚いただけの話だが、アッシジの街を颯爽と歩く🕶姿の修道女たちは、やっぱり今でも瞼に焼きついている。

アッシジ。紙写真を🤳したが、このボヤけ具合っ。なんちゅうカメラや悲しい。


終わり。



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