4月の読了
伝える準備
日本テレビの藤井アナの著書をAudibleで。朗読はご本人です。
いや、良い、良すぎる。さすがというしかない聴きやすさで話がするする入ってくる。何ならラジオのよう。
特に印象的だったのは、緊急事態宣言が出ていた時期について書かれていたところ。
外出を悪とすれば飲食店や旅行業界が苦しむ。経済活動を回そうとすればそれに伴う感染者増で医療従事者が苦しむ。誰の肩を持っても誰かの反感を買ってしまうようなあの状況下で、アナウンサーの発言というのはとてもプレッシャーだったと思います。
私は医療従事者なので、例えば飲食店が「客が入らない」と文句を言ったり補助金を増額するようなニュースに触れるたびに正直とても嫌な気分でした。
そういう感情の不協和があらゆる立場や職種であった中、何を言うのが正解なのか。私だったら多分いつまでも答えが出ないと思う。
アナウンサーとして世間に広く”伝える”という話もあれば、一人の上司として後輩に”伝える”といった話まで様々な会話のヒントが詰まっています。藤井アナが上司だったら最高だなあこうなりたいなあと思ったら、普段の言葉選びも少し変わりました。
kindle Unlimitedも対象ではありますが、Audibleが聴ける環境であれば後者を選ぶのが最適解。
汝、星のごとく
今年の本屋大賞をAudibleにて。男女の長期間の恋愛物語という土台の中に様々な背景や問題提起が織り込まれていて、さすが凪良ゆうさん・・・という感じだった。
櫂と暁海、2人の家庭環境が重過ぎて、特に櫂の母の言動行動は聴いているこちらもしんどかった。こんな家庭環境だから子供は早くから現実主義になり、世間を知り、強くなる・・・といった面もあるかもしれないけど、きっと”普通の家庭”なら与えられているはずだったあれこれを櫂も暁海もたくさん諦めて見ないふりをしてきたんだろうな。
物語の中で、2人のみならず様々な登場人物が世間一般的には「うん???」という選択をしている。かっこいい瞳子さんも不倫相手の娘と仲良くなっているという状況だし、一番落ち着いた大人だった北原先生までも、実は一番「誰にどう見られるか」を一切気にしていない人だった。
物語の中のそれがいいか悪いかはどうであれ、すべてに通ずるのは「自分で自分の人生を選択し責任を取ること」だった。
Audibleでは櫂のターンを男性、暁海のターンを女性が朗読していたので、それがよりドラマのような感覚で聴けて良かった。特に櫂は年齢を重ねるごとに少しずつ声が低く渋くなっていったような・・・プロだ・・・
スキップとローファー
ここで漫画を紹介することは稀なのですが、あまりに良すぎてこの良さを語りたい。
官僚を夢見て石川県の田舎から東京の進学校に入学した主人公のみつみちゃん。とても頭が良いのは間違いない、しかしなんせピュアすぎる。でもそれは「おバカさん」という意味のピュアではなく、頭の中でぐるぐる考えて、詮索ゼロで相手を思っての振る舞いなのである。それが良い。
彼女のまっすぐで曇りない性格と飾らなさと繊細さとあれこれがに波及し、周りの人間をいい意味で巻き込んでいく物語。
外見ではなく中身で繋がっていく人間関係、それぞれの心情、完璧な生徒会の先輩の苦悩、地元の親友ふみちゃんとの関係、すべてが尊い。最高である。
スパルタ運動部のおかげで風のように過ぎた私の高校生活も、きっとよく目を凝らせばこんな瞬間がきっとたくさんあったのだと思う。卒業して10年以上経つけど、今も友達として会うのは高校の友人ばかりだし。
1巻ではあまりいい印象ではないミカちゃんも、読み進めていく間にいろんなことがあって、誰よりも頑張ってもがく様に「そうだよね、わかるよ」と感情移入しどんどん好きになってしまう。
1巻はKindle Unlimitedで読みましたが、あれよあれよと買い足しています。
Audibleはこちらから無料体験できます。
kindle Unlimitedはこちらからどうぞ。
この記事が参加している募集
頂いたサポートは書籍購入費を中心に、発信に関わる使い方をさせていただきます!