女性性と、台所〜PART2。
お米を研いでいたら
窓から入る風が、そっと頬にふれた。
顔を上げて外をみると緑が光っていた。
朝日を浴びたブルーソーラーウォーターを
お米にそそぎ浸すこと30分。
農薬を取り除いたキャベツの千切りをする。
千切りされるキャベツはどんな気持ちだろう。
サクサク、ザクザク、小刻みの音。
キャベツは女性ホルモンにいいって聞くけど
べつにキャベツはそんな自分の才能なんて
気にしてないんだろうな。ただ、自分の命を
全うしてるだけなんだろうか。
自分の色が黄緑色でみずみずしく美しいこと、
気づいているのかな。
にんじんも切っていると
外見は鮮やかなオレンジなのに
中身は少し淡い色だった。
こんな女性にあこがれる。
外見は自信たっぷりの鮮やかな存在感があるけど
中身は繊細な感性で、ほっとするなごみ感。
外も内も濃い女性は毎日一緒にいると疲れそう。
キャベツのあわい緑と、キャロットのあわい橙色と、ベビーリーフの生命溢れる濃い緑をまぜるとダンスするようにはねてるみたいで元気になる。わたしがつくるサラダは最低三日間は生き生き鮮度抜群でながもちする。
サラダの用意ができて、
炊飯器のスイッチをいれる。
おかずも焼きあがるまで
真っ赤なワインを飲みながら休憩。
といいたいところだけど
アルコール苦手だから
真っ赤なザクロジュースを飲む。
わたしは得に料理が得意なわけでも、
食べることに深いこだわりもない。
子供がまだ幼いころ、
仕事と時間に追われて
台所に立つのは苦痛なときもあった。
時が経って、やっと還れたの。
食材ひとつひとつのアイデンティティーに
感謝してるととても優しい気持ちで、
台所に立てること。
女性の性が、実る場所。
お湯を沸かして
お茶を一杯でもいれて
自分や愛する人に優しく、さしだすだけで
女性は自分の性に還れるの。
それが台所であり、家族の原点。
性は、日常の暮らしのなかにある。
女性が自分の性を立てたとき、
官能美はその色香を、潤いを、しっとりと
周囲に解き放っていく。
女性がもともと持っている、
気品へとつながっていく。
女が女であるとき、
女が女に還ったときに
オンナの底が上がって
家族にいのちを与えていく。
家族がどんなにうちのめされていても、
(心配ない!!!行っておいで!!!)
と送り出せる場所が、台所。
台所に立つのは、わたしにとって楽しい遊び。
あそびで創ったこのごはんを
今日も文句も言わずに笑
食べてくれる家族がいるのが、嬉しい。