見出し画像

VB TIMES10月号Vol.4 With/Afterコロナにおけるベンチャー企業~ユニコーンではなくラクダが主役?~

Venture Bankは、世界中で事業展開する企業、そして、世界を舞台に活躍している投資家たちによって組成された、ベンチャー支援プロジェクトです。
「起業したい」「事業を起こしたい」という未来の起業家たちをサポートするべく、私たちはビジネスプランコンテストの開催など、様々な取り組みを行っております✨
未来の起業家を更に応援するために、現役起業家やエンジェル投資家のインタビューや、現在起業に向けて奮闘する未来の起業家たちに注目し、その様子をお届けする『VB TIMES』🌳


突然ですが、みなさんに質問です。「ユニコーン」と「ラクダ」……あなたなら、どちらになりたいですか?

……そうですか。みなさんユニコーンになりたいんですね?

そうですよね、ユニコーンってかっこいいですもんね。しかしこの記事を読み終えるころには、もしかすると、「ラクダになりたい」と思っているかもしれませんよ。

イノベーションの象徴、誰もが目指したユニコーン!

画像1

起業を目指す方なら、ご存じの方も多いかと思いますが、創業から10年以内、企業評価額が10億ドル以上の未上場のベンチャー企業を、ギリシャ神話に登場する一角獣の希少性になぞらえて、『ユニコーン企業』と呼ばれています。

シリコンバレーではユニコーン企業を筆頭に、❝どのような犠牲を払ってでも成長を遂げる❞というアプローチが主流です。

短期間で巨額のお金を集め、ユーザーを大量に獲得し、急激に会社を成長させます。
その過程において巨額の赤字を出し、資金を使い切ってしまうこともよく起こりますが、未来への大きな期待を寄せた人々からの投資によって、それが許されるのです。

ユニコーン企業の現状はいかに…!?

画像2

近年では、新型コロナウイルスによる経済・社会変化をきっかけに、「スタートアップとえいばシリコンバレー」「目指すべきはユニコーン」いうイメージも、大きく変わってきているようです。

時としてユニコーン企業は、度が過ぎた場合のケーススタディになります。
ラウンドに次ぐラウンドによる資金調達は、崩れそうな基盤やあやふやなビジネスを生み出す要因ともなり得るのです。

経済の混乱が進むにつれ、急速に成長と損失を被るようなベンチャー企業に投資をすることは、投資家にとって、「貪欲」から「恐れ」へとシフトし始めているのも否めない事実でしょう。

新たに出現!?ラクダ企業とは?

画像3

ユニコーン企業に代わり、今、頭角を表しているのが「ラクダ」企業です!
ラクダ……。容姿を想像しても、なんだかユニコーンの方がかっこいいですよね。

わかります、ええ、わかりますよ。
しかし!ラクダは、ユニコーン以上に素晴らしい性質を持ち合わせている生き物だということも伝えたい!!

ラクダは、長期間、何も食べずに生き続けられるうえに、灼熱の砂漠に耐え、気候の極端な変化に順応する能力があります。
最も過酷な状況で生き抜いていけるそうですよ……

そう、「ラクダ企業」と言われる所以はそこにあります。
悪条件に耐えていかに成長し、危機的な状況をどのように生き残るか、そういう粘り強さと共に邁進する企業なのです。

日本ではユニコーン企業が育たない?

画像4

そもそも日本のユニコーン企業は非常に少なく、世界で800以上のユニコーン企業が連なる中、11社しかありません。アメリカ(288社)や中国(133社)と比べても、桁違いの少なさ……!(※2021年10月現在)
その要因は、大きく2つあります。

⒈起業家が少ない・若手起業家の育成が不十分
世界と比較しても日本は安定した仕事に就きやすいこともあり、積極的に起業する人が少ない。
⒉ベンチャーキャピタル(VC)の投資額が他国と比べて少ない
VCから大規模な資金調達のハードルが高く、株式市場への上場を選ぶ企業も少なくない。

なんだか、初歩の初歩、基本の基本、のところが不十分なような気がしますね。となってくると、私たち日本人が目指すべきところはユニコーンではなく、や・は・り……!?

これから目指すはラクダ企業!

画像5

シリコンバレー以外のスタートアップ都市で活動する起業家たちは、シリコンバレーのような豊富なVCにアクセスできないため、「安定的な成長」「投資先行ではなく収益重視」を基軸に考える必要があります。

ラクダ企業における2つの特徴は、まさにユニコーン企業とは真逆とも言えるでしょう。

⒈起業家が少ない・若手起業家の育成が不十分
世界と比較しても日本は安定した仕事に就きやすいこともあり、積極的に起業する人が少ない。
安定的な成長規模を拡大するために急成長を遂げ、スピードばかりを優先することに重心を置きません。
無限の成長を追いかける前に、収益性・信頼性の高いコアを構築することを目指しています。
⒉投資先行ではなく収益重視
創業して数年間は、無理な事業拡大はしません。できるだけVCから資金調達をせず、自力で利益を出すことを目指します。健康的な財務体質で次のステップに進むことで、必要な分だけを資金調達します。砂漠を踏ん張りながら歩くラクダのように、忍耐強く戦い続けていくことの「辛抱」と「吸収」のバランスをうまく取りながら好循環をつくっていくラクダ企業。もちろん、成長の野心はユニコーン企業に劣りません!!

これからも一歩一歩、新たなオアシスを求めて、地道に歩き続けていきたいものですね。

ibank_バナー

次回もお楽しみに✨

【note閲覧にあたって】
本記事を閲読する場合、以下について承諾したものとみなされます。
本記事は弊社が独自に調査した情報に基づき作成されています。よって、閲読者の見解や認識とは違う場合であっても、クレームや修正依頼などを受け付けることは出来かねます。
また、記事を閲読し、万が一お客様に損害が生じた場合、当社は一切の責任を負いません。 記事に記載されている事項が必ずしも最新でない場合がございますので予めご了承下さい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?