アメリカで出会った100の光景 No.28(大自然の絶景)水墨画のような黒い峡谷・ブラックキャニオン国立公園
アメリカの峡谷といえば、グランドキャニオンやブライスキャニオンなどのように、赤いものだと思っていた。
ところが、さすがは広いアメリカ。先入観をひっくり返す黒い岩の峡谷も存在するという。コロラド州はブラックキャニオン国立公園。
コロラドモニュメントから、そこを目指して車を走らせる。ちなみにコロラドモニュメントも、アメリカでよく見る色の赤い岩だった。
他の国立公園同様に、数えるほどの対向車としかすれ違わない、周囲に何もない田舎道を、かなり走った先にその峡谷はあった。
本当に黒い峡谷だ!
今まで見たことのない色の峡谷を目にして、どこか違う国に来たような気になる。
下を流れるガニソン川によって削られてできた峡谷は、大地がいきなりストンと崖になっている。潔い削られ方。
グランドキャニオンのように延々と続いているわけではないが、迫力のある風景だ。
簡単にトレッキングを楽しめるようなトレイルはなさそう(調べればあるのかもしれないけれど、なにせ情報が少ない。あったとしても、こんな峡谷ぜったいにキツいに決まっている、それよりわたしたちにそこまでの時間がない。)なので、車でビューポイントを回る。
次に向かった展望デッキには先客がいた。
お年を召したご夫婦たち。こちらの人は年をとってもジーンズがお似合い。
下を覗きこむと、蛇行したガニソン川が流れていた。削られた岩は近くから見ると意外とゴツゴツとした凹凸があり、連続した小さな尖りはなんとなく中国の水墨画を思い出させる。
川が流れているのは800mも下。勾配がきつく、流れも急だというが、肉眼ではそこまでわからない。
展望デッキには、落下に注意、動物に注意、下に物を落とさないように、などの注意書きがあった。看板のイラストがかわいい。
次に向かったビューポイントは、コロラド州で一番深い峡谷 ”The Painted Wall"。
エンパイアステートビルはこの半分強の高さなので、ここにすっぽり入ってしまうという説明書きがあった(イラストで)。
崖を眺めていると、どうしても気になってくる岩肌にくっきりと入った白いラインは、花崗岩だということだ。
ときどき足元にはキラキラしている石もあって、こういうのを見ると、もっと岩石の知識があれば更にアメリカの自然を楽しめるのにと思う。ちなみに、地層を見ても雲を見ても思うわけで、やっぱりアメリカの大自然は魅力にあふれている。
他の国立公園よりも空いている分、設備は整っていないので、水や食べ物、トイレやガソリンは準備してから行くことをお勧めします。
ブラックキャニオン国立公園 (コロラド州)
Black Canyon of the Gunnison National Park
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