アメリカで出会った100の光景 No.24<大自然の絶景>アメリカのウユニ塩湖!?ボンネビル
まだ訪れたことのない場所への憧れがつのった。
南米のウユニ塩湖だ。青い空、白い雲、鏡のような湖。湖でジャンプして映り込みを美しく写真に収めている人たち。
ネット上に数多ある写真を見ていたら、行ってみたいという気持ちがムクムクとわき上がった。ウユニ。うゆに。響きもかわいいではないか。(Uyuni・・・スペイン語)
しかし、ウユニ塩湖はボリビアにあるという。そもそもどこにあるのだ、ボリビアは。わたしにはなじみがない、ということしかわからない。
そんなときに、ふと目にしたのは、”アメリカのウユニ塩湖”というフレーズだった。
わたしたち夫婦の夏休みはアメリカの国立公園、というのはもう暗黙の了解というか、既定路線というか、要するに馬鹿の一つ覚えなのだけど、このタイミングで知ったのは、きっと旅の神様の思し召し。夏休みに引っかけてアメリカのウユニ塩湖ことボンネビルを訪れてみることにした。
ボンネビルへは、ソルトレイクシティーからアクセスする。
都心をちょっと離れれば、すぐに白くてしょっぱそうな景色が広がっている。
とてつもなく広い塩湖は、その名もグレートソルトレイク。町の名前の由来でもある(おそらく)。
静かで穏やかな湖。鳥が飛び交い、周りではゆっくりと歩くバッファローの姿もある。だけどちょっと独特な匂いがする。あまりいい匂いではない。草の匂いかな。
さて、いざ、ボンネビルへ向かう。
高速を走っても走っても、道路沿いには常につきまとう塩湖の存在がある。
遠目にも塩が固まっているのがわかる。
そして、車窓から見える大地がすべて真っ白になった。ボンネビルだ!
高速沿いに駐車場があったので、車を停めて下りてみる。駐車場には車が数台止まっていた。
勉強不足で知らなかったのだけど、ここは車のレースなどが行われている場所だった。しかも世界最速のスピードを競ったりする、その世界ではとっても有名な場所だった。
白い平原。手前は薄汚れた色をしているけれど、遠くまで真っ白。
そして、本当に広い。
足元は本当に塩。その上に足跡だけでなく、タイヤの跡や、たばこの吸い殻があるところが、国立公園などとは違うなあと思う。
それにしても。
塩湖への映り込みが見たかったのに、写真が取りたかったのに。
広い、白い平原は、ほぼ干上がってるじゃないか。
ほんの一角だけ、水が溜まっているところには、やはり人がいて、
わたしが撮った写真にはほぼおじさんが写っている始末。
この日は最寄りの町に宿を取っているので、夕刻にまた訪れてみることにした。
しかし、アメリカの高速の落とし穴にまんまとひっかかり、思いがけない失敗をしでかす。
この平原に行けるのは、高速の片側の車線からだけ。わかりやすく上り下りで例えると、上りのほうからだけ。一度ここを通過して宿に行っているので、下りで来た方へ戻って高速を下り、再び上りの高速にのってここに来る必要がある。
ちなみに下りの側にもレストエリアがあったので車を下りてみたけれど、すぐそばに一般道や電線があってあまり情緒がない。
しかも、水たまりで塩の写真を撮っているうちに、日がいい感じに傾いてきてしまった。
夕焼けの空のグラデーションが美しい。
申し訳程度の展望台(2階くらいの高さ)から道路の反対側の大塩原を見れば、なにやら青い煙を焚いて楽しげな人たちの姿があった。
ああ、あっち側に早く行きたい。
車に乗り、まずは来た方の高速の出口を目指す。
早く、早く。早くしないと日が暮れちゃう!運転の夫に発破をかける。
しかし、走れども走れども、出口は見えない。気配さえない。
どんどんあたりは暗くなっていく。
そして結局走ること1時間弱。50kmくらい走ってようやく高速から下りることができたのだった。遠すぎる・・・。
もう辺りはかなり暗くなっていた。真正面に大きなまん丸な月が出ていて、せっかくなので月の写真も収めた。最初、アドバルーンかと思ったくらい、明るくて大きかったのだ。
やっと高速から下りられたけれど、また1時間走らないと元の場所に戻れないという現実。もう、急がなくていいよ。
1時間後、再びボンネビルを見渡せるレストエリアに着いたときには、もうどこがどうなのかわからなくなっていた。
ボンネビル・ソルトフラッツ (ユタ州)
Bonneville Salt Flats
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