見出し画像

アメリカで出会った100の光景 No.29(大自然の絶景)ドラマに満ちた洞窟・リーマン鍾乳洞

ネバダ州のグレートベイズン国立公園にあるリーマン鍾乳洞に行った。
鍾乳洞の中は、1日に何回か行われているツアーに入らないと見ることができないのだが、ツアーの申し込みには失敗していた。インターネットからの予約はもういっぱいだったのだ。
でもまあ、キャンセルが出ていれば入れるかもしれない、と淡い期待を抱きつつダメ元で向かった。
ビジターセンターで聞いてみると、ツアーは空きがあるという。しかも、どれがいい?なんて、選び放題だった。
要するに、事前予約分と当日分とあったっていうわけだ。冷静に考えたら、それもそうだ。この国立公園も例に漏れずかなり辺鄙な場所にある。しかも一番のウリは鍾乳洞。わざわざ訪れた人が、見れずに帰るのは切なすぎる。

ツアーの前の注意は、バッグ類の持ち込み禁止、カメラの三脚の持ち込み禁止、何年かのうちに他の洞窟に入ったことがある場合はその靴で入っちゃダメなど。とにかく鍾乳石と洞窟にいるバクテリアを守るぞというかたい意志が感じられた。

いよいよツアー開始。
狭い洞窟に入っていくのはワクワクする。


洞窟の中に入ると、空気が変わる。ひんやりと冷たく湿っている。
手を伸ばせばすぐに鍾乳石に触れてしまうくらい、狭いトンネルだ。触れないようにかがんだり、横になったりしながら進む。
以前行ったカールスバッドの鍾乳洞は、その広さとスケールに圧倒されたが、ここはまるで逆。
間近に繊細な鍾乳石を見ることができる。

鍾乳石の方もそれに応えるかのように、芸術が爆発している。

これでもか、と天井からつららのように垂れ下がっている鍾乳石。
ここで肝試しをやったら、さぞかし盛り上がることだろう。

この鍾乳洞では、鍾乳石を美しく見せるために照明にもこだわっているらしい。ちょっと国立公園ぽくない気もするけれど、確かに他で見たことのない色のライトが当てられている。

国立公園らしくないところが他にもある。
触ってはいけないはずの鍾乳石が折れているのだ。1本2本の話ではない。ある場所では、根こそぎという感じ。手を伸ばせば届きそうな場所にあるのは間違いないが、あまりにも大胆な犯行。おまけに天井には落書きまであった。

実はこれは国立公園になる前の出来事で、ここを初めに見つけた人たちによる仕業だそう。・・・それなら仕方あるまい。
そのおかげ(?)で、鍾乳石の断面や、育っていくさまを見ることができるわけだ。

ツアーが終わって外に出ると、夕焼けがきれいな時間帯になっていた。
このツアーのガイドをしてくれたパークレンジャーは、退職が決まっていてこのツアーが最後だったということで、大きな拍手を浴びていた。
先のことはまだ決まっていない、と言っていた彼。自分の望む通りに大きく羽ばたきますように!


リーマン鍾乳洞 (グレートベースン国立公園 ・ネバダ州)
Lehman Caves National Monument (Great Basin National Park)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?