不摂生は幸福であり不幸だ

18時4分。
夕陽を首筋に存分に受けながら駅のホームに立っていた。

あぁ,このままじゃ日焼けしちゃうなぁ。
そう思っても動くに動けなかった。もうあと数分足らずで電車が到着する。
あと少しの我慢。そう自分に言い聞かせてそのまま立っていた。

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体のためにしないほうがいいことは山のようにある。
日を浴びすぎてはいけない,砂糖も塩も摂りすぎてはいけない。
アルコールはほどほどに。骨盤が歪むから足をくんではいけない…等々。

わかっている。もう何度も何度も,耳にタコができるくらい聞いた。
でも全部は守れない。楽しくなったらつい飲みすぎるし,甘いものは正義だ。むくむくにむくんだ自分の体をみて,あぁまたやってしまった,と思うところまでがセットになっている。

でも,時々不健康な自分でいないと何か大事な部分のバランスがとれない気がするという,なんとも自分勝手な理由で不摂生をすることがある。
時々食べるマックがものすごく美味しいように,心の健康って案外不摂生の先にあるのではないかと本気で思うのだ。

だから,悪いとされるもの全てを排除するつもりはさらさらない。
むしろ鼻先にぶらさげる人参として,積極的に使っていこうとすら思っている。

ダイエット中に感じる無力感は,今後この体型を維持するためには一生こんな食生活しか送れないのかという絶望からきていると思う。それは体のためには素晴らしいことかもしれないが,私の心は満たされない。
やっぱり時々は飲んだくれたいし,カロリーを気にせず甘いものも辛いものも食べたい。

だからチートディと呼ばれる,心を満たし体を騙す日を心から楽しみにしている。まだまだ私のダイエットは始まったばかりだし,すごくきつい制限をかけているわけではないが,それでもご褒美のためなら頑張れそうな気がする。


そのお気持ちだけで十分です…と言いたいところですが、ありがたく受け取らせていただいた暁にはnoteの記事に反映させられるような使い方をしたいと思います。