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叶えたかった夢

恋人と、桜を見にいく約束をした。
この部屋からいなくなる前に、絶対に歩こうと決めていた桜並木。

2年越しにようやく実現する運びとなり、内心とてもワクワクしている。
肝心の桜は、まだつぼみでどこも全然咲いていないけれど、約束の日までには間に合ってくれるはずだ。だからきっと大丈夫。

願いが叶うたびに、この部屋にこだわる理由が一つ減っていく。
今すぐではないが、おそらくこの1年の間くらいには暮らしが大きく変わるだろうという予感もしている。そのためにせっせと断捨離をすすめ、暮らしそのものも見つめ直す日々を送っている。

だからどうしてもその前に、叶えたかった。
区切りをつけたかったという方が正確かもしれない。

この道を一緒に歩きたいという願いは、今思えば私にとって、想像以上に意味のある願いだったのだなと思う。『できれば誰かと』という誰かは、人生を共にするかもしれない相手のことを指していた。
当時はそんな人に出会える自信もなかったし、このまま一人で生きていくのも案外悪くないなぁなんて思っていた。今も一人で生きていく人生を否定するつもりはさらさらないし、どちらも素敵な生き方だと思う。

それでも私はこの部屋と、この町で過ごすことにそろそろ区切りをつけておきたいのだ。句読点をつけたい、ということかもしれないなぁと思う。
noteをはじめてからは特に、いつか振り返ったときに、あの時のあの行動が起点になったなと思えるような行動を節目におくようにしている。それは、私自身が道に迷った時にちゃんと正しい方向に進めるように。

ピアスをあけたことも、引っ越しをしたことも、私にとっては大きな区切りであり、その後の生き方を変えるきっかけになったのは間違いない。
旅に出ようと決めなければ、彼と出会うきっかけは作れなかったし、今も変わり映えのない生活をしていた可能性だってある。
積み重ねてきた毎日にそっと置いた句読点で、私は時々迷いながらもここまで歩いてくることができた。

だから、きっとこの桜並木を二人で歩けたら、もう一つ前に進める気がする。何の根拠もないけれど、そんな予感がしている。




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