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『結婚不適合者が結婚したら、毎日50回はリコンするようになった話』

口癖ってあるよね。
ため息と一緒で、ついぽろっと出てしまうもの。
意識的にでも無意識にでも、なんとなく口からついて出てしまうもの。

私の場合は「リコン」である。

1.何かあればすぐリコン

ここで注意して欲しいのは、
「離婚」ではなくあくまで「リコン」であることだ。
何言ってんだ一緒だろうって。
もちろん言葉の意味はまさしく「離婚」なのだが、ちょっとしたニュアンスである。
ほら漢字で“離婚“だと、なんかマジっぽいというか、本気な感じがありありとするけれど。
でもひらがなやカタカナで“リコン“だと、
何となく優しいというか戯れてる気がしてきませんか。
ま、簡単に言うとそんな感じ。

とにかく我が家では、
少しでも私の意にそぐわないことをすると突如としてリコンが飛んでくる

朝風呂に入った旦那がシャワーを使ったまま蛇口に戻さなくて、次に使った私が水を浴びたらリコンだし、読んでみたい漫画を貸してくれなくてもリコンだし、買ってきてと頼んだ牛乳がいつものメーカーじゃなくてもリコンだし、遊びたい時に遊んでくれなくてもリコンだし、給料日にケーキを買ってくれなくてもリコンである。

何かが気に入らなければすぐにリコン。

傍若無人ここに極まれりお前はジャイアンか
とは旦那の言であるが、もう口癖になっているのでどうしようもない。

2.結婚不適合者の結婚生活

毎日平均50回はリコンしている夫婦であるが、仲は異常に良い。

ほとんど喧嘩もしたことないし、夫婦でいる時は大体どちらも笑ってる。
同居の母とも仲良くしてくれるし、あそこ行きたいここ行きたいと言えば、都合を合わせてでも連れて行ってくれる。
食べ物の好みも合致しているし、
冗談じゃなくこの人とはずっと死ぬまで一緒にいるんだろうなあと思っている。

じゃあなんで「リコン」するのか。
私も実は真面目に考えてみたことがある

見出し通り、私は結婚不適合者である。
向いていない、と言ったほうが早いかもしれない。
私はめちゃくちゃ自分本位の人間で、
言ってしまえばとんでもない自己中なのだ。

例えば休みの日。私は本気で何もしない
洗濯もしなければ掃除もしない、料理も作らないし旦那の翌日のお弁当も作らない。

勝手に起きて勝手に飯食って勝手に寝ろ
言い方はめちゃくちゃ悪いが、
まさにこのスタンスなのである。

私は自分が結婚する前に送っていた生活を、
結婚したからと言って変えるつもりは一切なかった。
こだわりの強い人間だから、自分の生活のルーティンが崩れるとそれだけでストレスになるし、
毎日毎日そんなことでストレスを溜めたくない。

私は私のやりたいようにやるし、
生きたいように生きる

それでも良いと言ってくれる人と結婚する、と。

昭和の頑固親父のようなことを公言していた。
だから周りの友人達も、もちろん母でさえ私の結婚は望めないと思っていたそうだし、
当然私も自分が結婚出来るとは露ほども思っていなかった。

そんな私の前に現れたのが旦那だった。
彼はなんというか……そんな傍若無人な私を
丸ごと受け止めてくれたのである。

あなたはそれでいいと。
何も変えることなく、そのままで生きてほしいと言ってみせた。
ならば私は私のままで生きていく。
そのかわり旦那は私が守る。
ある意味私達の結婚は、
そうした契約を交わしたようなものだった。

だから私は自分のやりたいようにやる。

そう決めたのではあるが、やはりひとつ屋根の下、今までいなかった人間がいる、ということだけで正直ストレスになった
それはどんなに相手が好きでも仕方ない感情だし、どんなに気を遣わないようにしようとしてもやっぱり気を遣うし、いくらやりたいようにやるって言っても、夫婦なんだからなるべくならお互い楽しく暮らしていきたい。

そこで思いついたのが「リコン」である。

3.不満を不満として口にすること

これが嫌だ、とか、これをしてほしくないとか。
毎回毎回相手に詳しく伝えようとすると面倒臭いし、急いでる時は時間もない。
だったら一言に集約させてしまえばいい

「リコン」と。
つまり私がそれを言った時は
私にとって今のあなたの行動は不快でしたよ」というサインなのである。
そしてもちろん、たまーにだが旦那からも言われる時がある。
それを言われた時は私はそれなりに反省するし、じゃあ次はしないでおこう、と理解する。

これが嫌なんだあれが嫌なんだと毎日口に出していたら喧嘩するし、
かと言って、言わなければ言わないだけ、どちらかが我慢することになる。

我慢を続ければ、いつの日にか爆発する
これは爆発しないように私が編み出したひとつの防衛機能みたいなものなのである。
つまり「リコン」=「嫌だ」の意。

ぶすーっと機嫌が悪くなる前に機関銃のように「リコン」を連発すれば、そのうち馬鹿馬鹿しくなって腹も立たない。
それでも毎日50回はリコンしているのだから
人間とはなんと面倒くさい生き物だろうか。

4.まとめ

結婚生活を維持する秘訣は、
お互いのテリトリーに必要以上に侵入しないことだと私は思っている。

そしてお互いのわがままを出来るだけ許容すること
私の場合は旦那に許容してもらいっぱなしであるが、お互いに不平不満を溜め続ける生活が絶対に1番良くない。

だから私はこれからも「リコン」するし、
旦那からも「リコン」と言われることがあるだろう。
数十年経ってお互いに爺さん婆さんになっても
リコンしてそうでちょっと怖いが。

相手にとって嫌なことをしないこと
嫌だと感じたことを受け入れて直すこと。

身もふたもない言い方をすれば
お互いがお互いに都合の良い存在であれば
結婚生活は破綻しないのである。

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