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『うちわは承認欲求のかたまりだと思う』

うちわってご存知ですか?
そうです、夏に使う風を起こす道具です、ってそれはそうなんですが、そうじゃなくて。

ジャニーズ担(ファン)にとってうちわは
“魂込めて作る応援グッズ“なんですよね。

ジャニーズのコンサートの映像とかを観ていると、こういううちわがたくさん映っているの、見たことがある方も多いと思います。
今でこそメルカリで完成品のうちわが売られていたりとか、文字の型紙だけ売っていて、あとはそれを貼るだけ!みたいになっているものとかがお店に置いてあったりしますが、私が全盛期の時代ってほとんどそういうのなかったんですよ。

PCでWordやExcelが出来れば、好みの文字を作ったりそれをプリントアウトして型紙に出来たりしますけど、その時代ってそもそも学生でPC扱える人自体が貴重だったり家にプリンターがなかったりで、みんな苦労してました。

じゃあどうやって文字の型紙を作るかっていうと、私が使っていたのは雑誌です。
雑誌で好みのフォントの文字を見つけて、それを延々とコンビニのコピー機で拡大していくんです。

白黒とはいえお金はかかるし、地味な作業だし、なかなか思った通りの大きさにならなかったりして、めちゃくちゃ大変な作業でした。
ようやく思い描いた通りの大きさになっても、今度は文字を切り取って、カッティングシートに貼って、それをまた切り取って、今度は文字に縁をつける為に別のカッティングシートに貼って切り取って……ってね。
今考えても、よく根気強く作ってたな自分、と思います。

で、このうちわ作りの作業で何が1番困るかって。
田舎だと蛍光色のカッティングシートがそもそも売ってないんですよねぇ。

昔なんて、田舎だとホームセンターとか大きい文具店に行っても、カッティングシートは大体黒とか青とか地味な色しかなくて、色とりどりの蛍光色なんて、東京の東急ハンズとかにしかないんですよ。
なので私は、普段から次回のうちわのデザインを常に考えておいて、コンサートを見に行くために東京に遠征した時にまとめて買ってました。
それだけで1万は軽く吹っ飛びますからね。
1度の遠征で何万使ってたかって考えたくもない。

でも、なんでこんな苦労して毎回毎回、違うデザインのうちわを作っていたかって、ファンを卒業した今考えてみると、承認欲求以外の何者でもない気がするんです。

あくまで私の話ですが、私はガチオタだったので、コンサートに何しに行くかって、応援してる推しを見たい、とか、曲を聴きたいとか、みんなで盛り上がりたいとか、
もちろんそれもあるけど、それ以上に。
推しに自分を見てほしい、手を振ってもらったりファンサービスをしてほしいから、コンサートに行くわけなんですよ。

何万人と集まる会場の中で、推しに自分を認識してもらう方法ってそんなに数は多くなくて。
見た目を綺麗にするとか、誰もが振り向く美人になるとかそういう方法もあるけど、
1番手っ取り早いのは“うちわ“でとにかく目立つことなんですよね。

一時期、ジャニーズのオタク界隈で非公式のペンライト(ディズニーのペンライトとかね。めっちゃ目立つんです、あれ)が問題になりましたけど、あれも結局問題の根底としては同じなんですよ。
とにかく目立ちたいから、推しに自分を見てほしいから、他の人が取らない方法を、ダメとわかっていながら取ってしまう。
承認欲求の塊以外の何だって話。

でもその承認欲求が悪いことだとは思わなくて。
もちろん上記のペンライト問題のようにルールを破ったり逸脱してしまうのは、その界隈の治安がおかしくなるので大問題なんですが、
ルールに則った範囲で、目立とうとするのは悪いことじゃないと思うんですよね。

だってファンやってたらそりゃ推しに手を振ってもらいたいし、ピースしてもらいたいし、指だって差してもらいたいですよ。
特に私はバンドマンなので、ステージからどの程度、お客さんの顔が見えてるかとかわかります。
なので確実に推しから認識出来る距離に自分がいるなら、やっぱり見てもらいたいんですよね。

それにうちわ作りって、今でこそ面倒に思うけど、作ってた当時はめちゃくちゃ楽しかった。
どうやったら見てもらえるかな、とか、どういう配色にしたら目立つかな、とか、一緒に参加する友達と相談しながら考えるのって本当に楽しかったんですよ。

それも含めてコンサートというか。
そういう苦労もひっくるめて全部、コンサートってお祭りに参加するってことなのかと。

ここまで書いてきて何が言いたかったかというと、この承認欲求についての話って、意外とnoteにも通じることだと思っているんです。
例えば私の尊敬するnoterさんの西尾克洋さんは記事の中でこんなことを述べていて

多くの方に知ってほしいのですが、批判記事というのはセンスが必要です。
ただ相手を傷つけるだけになることもありますし、当然その批判に乗れない人も出てきます。誰もが認める批判というのはあり得ないのです。

『文章が上手い人がnoteで陥る典型的ダメパターン教えます』より

承認欲求とか自己顕示欲の行き着く先って、さっきのペンライトの話じゃないですけど、過激な方向に向かうことが多いんですよね。
誰かを傷つけてもいいから、とにかく目立てればいい、みたいな。

そうすると今まで平和だった界隈を乱すことにも繋がるし、自分はそのわちゃわちゃに参加しなくても、それを見ている人もやっぱり良い気持ちはしないじゃないですか。
だからあくまでも、自己の承認欲求を満たすときは、ルールに則った範囲でやる、ってのが前提だと私は思う。

自分の過去を切り売りしてる時点で、私が承認欲求が強いことは明白なんですが、それでも間違った道には行きたくないなって。
どうせ目立つなら手軽な方法じゃなくて、見た目(心)を磨いたりとか美人(面白い文章)になって人を惹きつけることが出来たら良いなって思います。
そんなことを考えてたら、不意に自分が作ってたうちわのことを思い出したという。
それだけの話なんですけどね。


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