マガジンのカバー画像

俳句鑑賞

11
心に残った俳句への思い
運営しているクリエイター

#童子

龍天に合唱団は袖へ消え/大野朱香

龍天に合唱団は袖へ消え/大野朱香

季語「龍天に・春(時候)」
「龍天に昇る」の傍題。

「説文解字」というのは、中国最古の漢字辞典のようなものらしいです。
このような、故事と結びついた時候の季語で俳句を作るのはとても難しいですよね。無駄に長いし・・・
この句の面白さは、やはり「龍が天に昇る」という故事と合唱団という目の前にある現実との取合せの妙だと思います。しかも、龍が天に昇るほどの明るく勢いのある陽気だというのに、目当ての合唱団

もっとみる
ケチャップの瓶底叩き文化の日/大野朱香

ケチャップの瓶底叩き文化の日/大野朱香

トマトケチャップが日本に渡ってきたのは、明治時代だそうです。
オムレツやハンバーグ、ポテトフライ、唐揚げなどにつけるのに、我が家の孫たちも大好きなソースです。ポテトフライを食べているのか、ケチャップを舐めているのか、違いがはっきりしない😅

でも自分が子どもの頃、食卓にケチャップがあったという記憶はあまりないんですよねーーー💦💦💦
普通のソースはあったけど。←カレーにソースをかけてた世代�

もっとみる
籐椅子に父のからだの薄つぺら/大野朱香

籐椅子に父のからだの薄つぺら/大野朱香

季語「籐椅子(夏・人事)」

「籐椅子」というと、エマニエル夫人の映画ポスターを思い出してしまう世代です😅
そういえば、先日訪問した武者小路実篤邸にもペアの籐椅子のようなロッキングチェアがありました。(写真撮っていないので、うろ覚え🙇‍♀️)
昭和の頃の和洋折衷の家の洋間とか縁側に、置いてあったような記憶があります。
自分の実家は、狭かったのでありませんでしたが、夫の実家の縁側にありました。そ

もっとみる
これはもう裸といへる水着かな/大野朱香

これはもう裸といへる水着かな/大野朱香

この記事は、一旦アップした後、間違えて削除してしまい、再びアップし直したものです。既に「スキ」をしてくださった七瀬ゆきこさん、ごめんなさい🙇‍♀️
そして、ありがとうございました。

歳時記や俳句のネット検索などを通して何となく心に残っていた俳人が、後から自分が所属する結社「童子」の同人だったと知って、驚くことがあります。
私が童子に入会したのは2017年の3月でしたから、この頃大野朱香さんは、

もっとみる
鑑賞「新年」の句

鑑賞「新年」の句

明けましておめでとうございます。
韓ドラ見ながら新年を迎えてしまいました😅
まあ、こんなにいい加減な我が家にも、確実に新年は訪れました🐇
どうか本年も宜しくお願い申し上げます。

元旦やいつもの道を母の家/星野立子

実家に新年の挨拶に行くのでしょうか。普通は2日ですが、やはり実家ということで頻繁に訪れているのかもしれません。いや、「いつもの道を母の家」だから父である虚子はもう亡くなった後なの

もっとみる