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【読書】子どもが育てにくいと感じたら最初に読んでほしい

【あきらめないで!自閉症】

  • 「子どもと目が合わない、言葉も他の子と比べて遅いような…」

  • 「子どもの乳幼児健診で発達の遅れがあると言われたけど、なにをどうしていいのかわからない」

  • 「賢いんだけど、保育園でお友達とのトラブルが多い…」

愛おしくて可愛いはずの我が子なのに、なんだか育てにくい…

発達の遅れがあって、もしかしたら発達障害とか何かあるのかも?
でも何をどうすればいいのかわからない…

と、不安の渦に巻き込まれたことはありませんか?

そんなパパやママに最初に読んでほしい1冊です。

この本を読む事で、自閉症について詳しくなるとともに、どんな療育が子どもに合っているのか今後の見通しを立てることができます。

情報を集めることで子どもの未来は大きく変わる

著者は小児科医であり、自閉症についての専門家です。病院だけでなく、乳幼児健診などでも、数々の子どもを見てきています。

自閉症だけでなく、知的障害を伴わない自閉症(昔で言うアスペルガー症候群)などの、広汎性発達障害にも精通しています。

自閉症は親の育て方とは関係なく、脳の機能の障害です。

日本では自閉症の有病率が3.22%。
31人に1人が自閉症ということになります。
2021年の文部科学省の報告によると、日本の小中学校で、
発達障害のために配慮が必要な子の児童は、10人に1人とされています。

発達障害は、一般的な親の育て方、教師の教え方でどうこうなるものでないので、
適切な支援、介入方法が必要です。

10人に1人に配慮が必要とされているのに、その子たちは本当に適切な配慮がされているのでしょうか?

もし適切でない関りをしていたら、子どもは「自分はダメな子…」と自信を失い、不登校になっていき、社会生活に戻ることはとても困難になってしまいます。

この本の良いところは、
✅早期に療育することで子どもの未来は変わる!
✅発達障害があっても、療育を受けることで将来社会人として普通に仕事をして、普通の社会生活を送れることができる!
と希望を持たせてくれる所です。

世の中は残酷なもので、人とコミュニケーションがうまく取れないだけで、せっかくの長所を活かすことができないまま一生を終える人も少なくないです。

療育によって最低限のコミュニケーションスキル、生活スキルを身に付けることで、その子の長所を活かしながら社会生活を送ることができます。なべこ

アインシュタインも幼少期に担任の先生に「君の脳みそは腐っている」と言われましたが、母の関わりの中でノーベル賞を取るほどに立派な偉人になっています。

療育について詳しい小児科医は全国でも少ない

小児科医は疾患は見れても、療育について詳しい医師は少ないのが現実です。

療育方法についてのメリット、デメリットを公平な立場で紹介しているところが、本書の特徴です。

自閉症の療育方法にはいくつかあります。

例えば…
・ABA…応用行動分析
・VB…ABAの一種。マンド(要求)を用いる
・TEACCH…行動、環境調整の構造化
・SST…社会生活訓練
・PECS…絵カード交換コミュニケーションシステム
・HAC…聴覚課題から行動課題へ段階分けて介入
・太田ステージ
・RDI
・感覚統合療法
・ポーテージプログラム
など。

これらの療育方法は、
机の上でするものなのか?1対1でするのか集団でするのか?料金はどのくらいかかるのか?どんな特性の子向けなのか?
など、公平で専門的な立場から客観的な情報を教えてくれます。

逆に、本書では一つ一つの療法の具体的な手法については書かれていないため、どんな療育方法があるのかな?と療育方法の種類の全体像を把握するのに最適です。

発達に遅れがあったり、育てにくいなど感じることがあるパパやママは、最初にこの本を読むことで、
「ABAが気になるからABAについて詳しく書いてある本を読んでみよう」と、今後の見通しが立てられるようになります。


自閉症についての理解が格段に上がる1冊

本書は自閉症の歴史や、概念について詳しくわかりやすく書いてあります。

わたしは普段保健センターで、子どもの発達に関わる仕事をしていますが、
本書は図解やイラストは少な目なので、文字だけで理解するのに少し時間がかかってしまいました。

しかし読み終わった後では、自閉症についての理解が格段に上がったような気がします。

今まで具体的なハウツー本を読むことが多かったのですが、本書のような発達障害の抽象的な概念を知れたことで、今までの情報を整理することができます。
この本を通して、一人でも多くの方が、早期療育で子どもの未来が変わるということを知れたらといいなと思います(^^♪

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