拝啓 春の風吹く今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。 私は最果タヒさん著『落雷はすべてキス』の『本棚の詩』を読んで絶望しております。十年程前、孤独に寄り添う文学を志してから。すべての出会いに生きづらさと文学的うつくしさを感じております。お恨み申し上げます。　　敬具

このボールペンは百均でセット売りされているものとは違う。インクが減ってもなかなか掠れない。こっちの方が便利で良い。でも、同時にパウロ・コエーリョさんの『アルケミスト』での一場面も思い出す。 砂漠を渡ろうとする少年に翁は言う「ラクダは疲れを見せずに死ぬ、だから馬を買いなさい」と。

あたらしい玩具 おぼろげなるテクスチャ わすれられていくランドスケープ おもいだしていく指先の切り傷

『光る君へ』視聴中、ポルノグラフィティ『サウダージ』の意味が分かった気がした話

はじめに　『光る君へ』の第二話。CMでも放送されていた場面の話です。吉高由里子さんが演じるまひろが、柄本佐さん演じる藤原道長に「好きな人が居るなら、良い歌を詠んであげるわ」（うろ覚え）と言うシーンがあります。 　CMではあまり深く考えずに視聴していたのですが、この発言が「道長が好きな相手がまひろ以外」という前提が無いとできないことに気付きました。そう見ると、吉高さんの表情も心なしか寂寥を感じさせます。 　そのときに、ポルノグラフィティさんが失恋の歌の題名を『サウダージ』とした

もう終わったことや成果が出たことに関しての努力と自分以外の人がした努力は努力と認められるけれど、これから続ける必要があってかつ結果・成果が出ていない自分のあがきは「努力した」と胸を張って言えない。

ムクドリの前世は日大出身か。

地獄楽をみて「江戸時代が舞台なのに思考が現代的過ぎる」と言った父が菊池寛を読んでいる。

あゝ　おまへはなにをして来たのだと…… 吹き来る風が私に云ふ 　　中原中也『山羊の歌「帰郷」より』最後の二行 　夏の間中まともな更新ができておらず申し訳ございません。 　心を込めて作っておりますので、もうしばらくお待ちください。

平和を祈る

平和を祈って

「夢の中で会いましょう」第四話：あらわせない――佐伯柚葉の言葉

　最近、寝覚めが悪い。いや、もともと悪かったのに、もっと悪くなっている。吐瀉物で濡れた右手を見つめる。三日も連続で吐いてるのに窒息しないなんて奇跡だ。本当に、なら、なんで普段からこの強運を使いこなせないのだろうか。なんでぎりぎりまで痛めつけてくる癖に、私に絶命の許可をおろしてくれないのだろうか。この社会は。 「洗うか……」 　時計を見ると九時。もう家族は全員学校や職場へと出ていることだろう。 「洗う？……か？」 　昨日も一昨日も親に怒られて布団を洗われたけれど、私としてはゲロ

米津玄師さんの『カムパネルラ』今まではなんとなく聴いたり歌ったりしていたのだけど、今し方『波打ち際にボタンが一つ』という歌詞の存在を自覚してしまい、中原中也の『月夜の浜辺』！！　中原中也の『月夜の浜辺』！！ と興奮しながら米津玄師さんと彼の教養の深さに改めて畏敬の念を持っている。