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「三千年生きた天使」の話

昔むかし、天使がいました。

天使は三千年間、天界からじっと地上を見守り続けていました。

するとある時 神様が 天使に向かって言いました。

「天使さん、あなたは三千年間、よくお仕事をされましたね。
 ご褒美に、なんでも願いを叶えましょう。
 願いごとはありますか?」

「神様、ありがとうございます。
 実は私、人間になってみたいのです。

 今までずっと見守ってきましたが、
 人間はお腹が空くようです。

 転んで怪我をすれば血が出たり、
 恋をしては失恋したりもするようです。

 天界ではお腹も空かず、怪我もせず
 恋もせず、常に満たされていました。

 私も人間になって、いろいろな感情を感じてみたいのです。」

「分かりました。願いを叶えましょう」

私がまだ、中学生のころ
複雑な環境に悩み 生きることに苦しんでいたとき
学校の英語の先生が教えてくれた話です。

私たちは、毎日、必死になって生きています。

お腹を空かせ、怪我をすれば血を流し、
失恋し、泣くこともあります。

ときには理不尽な状況に翻弄されたり、
なぜ生きるのかと悩み、
生きることに疲れることもあるでしょう。

なぜこんなに辛いのか
暑いし 寒いし
働かないと食べていけないし
眠いし 考えないといけないし。。。

でもそれは 遠いむかし天使だった
自分自身で選んだことかもしれない。

私自身が
経験してみたい
お腹を空かせてみたい
転んでみたい
泣いてみたい
恋をしてみたい
そして 面白い人生だったと思いたい。

もしそう思って 望んでやってきた人生なのだとしたら

どんなことが来ようとも
何が起こったとしても 逃げ出さずに
この人生を 納得いくまで全うしよう!!!

そう思えたお話でした。

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