[エッセイ] 反対側の世界でまちあわせ
茹ですぎたブロッコリーほど不味いものはない
これは母からずっと聞かされて来たこと
だから、ブロッコリーはいつも固茹で
さっと軽く茹で上げるのが当たり前だった
ある日、ブロッコリーを茹でながら
ーそんなことないよ
と小さな声が聞こえる
そう、そんなことはない
くたくたに茹でた柔らかいブロッコリーのサラダは美味しい
あの日から、我が家では柔らかく茹でたブロッコリーが食卓に上がるようになった
欲しいものと言われると
年々、形があるものを欲しがる気持ちは減って行く
そう