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アメリカ中西部 KfT#9夕暮れナバホ族の町ペイジのできごと


静かな夕暮れのペイジの町


個人旅行客がほとんどで、団体ツアー客がいないせいか、観光地だけど今日のペイジは人が少ない。町が静かである。

メキシコ料理は素朴な味だった


おねかすいたね。今夜はメキシコ料理だ!
でかいタコスを食べた。すごい大きなたっぷりの野菜が乗ったプレート。
メキシコ料理を食べるのは初めてだった。素朴な味、パンチは意外にない。
陽気なメキシコ人ウエイター。
「メキシコ料理初めて、メキシコにも行ったことない」
I haven't と言ったら、Not yet? 「これから行くかもでしょ?」と言いたげな表情だった。

窓際の席、大きいテーブル。私にはテーブルが高く、子供が座ってるみたいだ。椅子ソファもかなり大きかった。
入口のドアガラスから赤い山肌と夕方だけど青い空が見える。夕方の光。
おなか一杯食べた。
外に出るとちょうど日が落ちてきた。夕焼け。レストランのネオンが映えてくる。
広い車道、緩やかな坂道。駐車場、モーテルがあったりキャンピングカーが止まっていたりする。
でも人通りはない。向こうの山、遠い山脈と、とってもきれいな夕焼け。
とても感動してすごい、と何度も言っていると、ダニーが
「こんなの毎日見てる、慣れっこだよ」
「えー 冷めてるなあ」
ダニーの家はコロラドだからね。確かに毎日見てるんだろう。
ここでダニーに、皮肉 sarcastic 単語を教えてもらう。sarcastic ここで覚えた英単語である。

メキシコ料理 El Tapatio レストランのネオンが光る

Pow Wow Trading Post

ネイティブアメリカンのお土産屋と思って入ったら、質屋(パウワウトレーディングポスト)とのこと。
ネイティブアメリカンが製作した工芸品、ナバホアーティストの作品群、ジャケット、ラグ、アクセサリー、ドリームキャッチャー、大小様々、フォト、ポストカード、所せましとぎっしり。とっても美しい。ほしい!♡
でもみなとても高額である。重厚な感じがする。とても高価な手工芸である。石、布、毛糸、鳥の羽、刺繍、織物、を駆使した職人芸。
とても惹かれた。とっても重みのある、受け継がれてきた歴史のある、芸術品だ。私が買ったのは、ネイティブアメリカンの写真ポストカードだけ。

あれから10年、素朴な壁画のお店はもうないかもしれない

小さな町の格差


日が落ちて、もう夜になっていた。Safe Way スーパーのスタバでコーヒーを買って、外のベンチで飲んでいた。
ダニーはタバコを吸いに向こう側へ離れていった。するとネイティブアメリカンの男性が私に近づいてきて、何か言ってくる。
若者だと思うが、少し太っていて、怪しげ。少し頭が弱そうにも見えた。
何か言いながら手を伸ばしてきた。おっと!と思った瞬間、ダニーがすかさず来て、追い払う。Don't touch her! Poor guy・・・乱暴なことはしなさそうだったが、でもそれも分からない。
少し知恵の足りない感じの若者だった。気の毒に思った。
教育を十分に受けられないネイティブアメリカンなのかもしれない。
一方でアンテロープキャニオンのナバホガイドのロージーみたいな人もいる。仕事をして、言語の勉強のため外国にまで行っている。苦労もあるだろうが、存分にナバホの地で自分のルーツを生かしてたくましく生きている。
どこにもある現実ではあろうが、この小さな町で同じナバホの人達の格差というものを見たような気がした。



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