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二級知的財産管理技能士で知財スキルを磨こう!


はじめに

今日は私の経験を交えて、「二級知的財産管理技能士」という資格についてお話しします。

私の受験は2級は2016年7月、3級は2016年3月です。
試験情報や紹介する参考書等は最新に合わせています。

 この資格を取ろうと思ったきっかけは、ちょっと苦い経験からです。特殊な生産施設(狭い業界なのでボカシます)の設計施工案件をしていました。その時、あるコンサルタントと一緒に仕事をしておりました。

 もちろん、NDA(秘密保持契約)コンサル契約を結んで仕事を進めていました。最初の数件は順調に完成まで漕ぎ着けられて、その後もコンサルの方とは良い関係を保っていたんです。
 ところが、会社側といろいろと行き違いが生じてしまい、コンサル契約が解消されることになったんです。「まあ、今までのノウハウがあるから何とかなるだろう」なんて楽観的に考えていたんですが、これが大間違い。契約関係に問題があって、その事業を続けることができなくなってしまったんです。
 正直、リーガルチェックをした法務部門を信用したのが失敗でした。契約が続いている間はよかったんですが、解消後の知的財産の利用について、かなりの不利益があることを見逃していたんです。「またか!」って心の中で叫びたくなりました。
 この経験から、「これは今後を考えて自分で勉強した方がいいな」と強く思うようになりました。知的財産について体系的に学べる、この資格を取得しようと決心したんです。きっと、似たような経験をした人、多いんじゃないでしょうか?私が二級知的財産管理技能士の資格を取ろうと思ったのは、現業で失敗経験からです。

失敗して頭悩ますイメージ

二級知的財産管理技能士とは?

資格の概要

二級知的財産管理技能士(管理業務)は、知的財産管理能力を測定・評価する国家資格です。知的財産管理技能検定には1級から3級まであり、二級はその中間に位置します。この資格は、知財の基本的な管理能力を有していることを証明し、知的財産分野での実務的な基本知識が求められます。
今現在は従来通りの集合方式の試験とCBT方式から選択できます。そのうち集合式はなくなりそうですね。

知的財産分野全般(特許、商標、著作権等)について、基本的なマネジメント能力がある。具体的には、企業・団体等において知的財産に関する戦略、法務、リスクマネジメント、調査、ブランド保護、技術保護、コンテンツ保護、デザイン保護、契約、エンフォースメント(権利行使)に関する幅広い基本的知識を有し、業務上の課題を発見し、一部は自律的に解決できる技能がある。

公式の2級「試験の対象者像」

受験資格

二級知的財産管理技能士に関しては受験資格に条件があります。私の場合は実務経験がありませんから3級から受験をして3級合格者となってそれを受験資格にして二級の受験をしております。

・知的財産に関する業務について2年以上の実務経験を有する者
3級技能検定の合格者
・ほかにも単位や検定

公式から2級受験条件抜粋

試験内容と合格基準

二級知的財産管理技能士の試験は、学科試験と実技試験に分かれています。学科試験では知的財産に関する法律やその応用知識が問われ、実技試験では実際の業務での知識の応用力や問題解決能力が問われます。合格基準は、学科と実技の両試験でちょい高めで80%以上の正答率が求められます。

勉強イメージ 印象派っぽく

学科試験と実技試験の内容

学科試験では、マークシート(4肢択一式)で知的財産の各分野にわたる広範な知識が出題されます。60分40問ですからそれほど考える時間はありません。内容は、ブランド保護や技術保護、コンテンツ保護、デザイン保護、契約、エンフォースメント、関連法規などが含まれます。一方、実技試験では、試験範囲は同じですが実際の業務に即した問題が出され、企業での知的財産の管理や対応策など、より具体的な技術とマネジメント能力が評価されます。記述もあり、学科と同様に60分40問です。

学科試験
1.戦略 2.管理 
2-1  法務 2-2 リスクマネジメント 3.創造(調達)3-1 調査 4.保護(競争力のデザイン)4-1 ブランド保護 4-2 技術保護
4-3 コンテンツ保護 4-4 デザイン保護 5.活用 5-1 契約
5-2 エンフォースメント 6.関係法規
実技試験
1.戦略 2.管理 
2-1  法務 2-2 リスクマネジメント 3.創造(調達)3-1 調査 4.保護(競争力のデザイン)4-1 ブランド保護 4-2 技術保護
4-3 コンテンツ保護 4-4 デザイン保護 5.活用 5-1 契約
5-2 エンフォースメント
第49回検定(2024年11月17日)より、1級及び2級の試験範囲が拡充。

公式より

二級知的財産管理技能士の難易度と対策

合格率と難易度
二級知的財産管理技能士は知的財産管理技能検定の一部として、知的財産を管理する能力を評価する国家資格です。合格には、知的財産管理に関する広範な知識が求められ、その合格率は約40%程度です。これは、二級がより高度な知識とスキルを要求されるためで、3級の60-70%の合格率と比べると低いです。出題範囲はブランド保護、技術保護、コンテンツ保護、デザイン保護、契約、エンフォースメントなど多岐にわたり、また受験資格がある試験では難易度は決して低くありませんが、適切な対策で合格は十分に可能です。

効率的な勉強法

二級知的財産管理技能士の資格を目指す際、基礎知識を固めるためにテキスト学習が重要です。いつも同じことをしか言っていないような気がしますが、過去問題を繰り返し解くことで、問題の傾向と対策を理解し、理解を深めます。この試験も過去問を利用して知識のアウトプットを繰り返せば一発合格は間違いないです。巻末にあったりする模擬試験や実際の試験環境を想定した練習を通じて、時間配分や試験の進め方に慣れることも効果的です。

写実っぽく

利用した参考書

利用した本は二級はこの問題集二冊(TACでしたが継承されているそうです)です。テキスト?三級+ネットで足りてしまいました。試験難易度はともかく大して内容が変わらないと思いました。

三級受験時

まとめ

二級知的財産管理技能士(管理業務)は、知的財産の管理に必要な基本的な知識と実務的なスキルを証明する国家資格です。これにより、ビジネスパーソンとしての信頼性が高まり、キャリアアップに大いに寄与します。知的財産は企業の競争力を支える重要な資産であるため、この資格を持っていることで、知財に関する深い理解と管理能力を示すことができ、多岐にわたる業務でリーダーシップを発揮する機会が増えます。以下の引用のようにますます注目されています。

2024年6月4日に知的財産戦略本部にて知的財産戦略本部会合が開催され、「知的財産推進計画2024」が決定されました。
企業や学校等において知財に関する意識向上を図るため、知的財産管理技能検定などの知財関連資格の取得を推奨する。
(短期・中期)(内閣府(知財)、特許庁

「知財に関する実務能力を体系化した指標として知財人材スキル標準」


私自身は取得から6年後ですが現業から少し離れ企画・研究開発部門のマネジメントの方に異動しました。そのおかげで一部業務で市場での競争優位性を確保する技術戦略立案特許権の管理などがあり知的財産に関する知識については役に立っております。特許管理の実務的なところは弁理士さんと部下に任せていますけどね。ちなみに自分以外に社内には取得者がいないこともあり、これ以上仕事増やしたくないので実は取得していることは会社には内緒にしています。
最近相談された中で営業が苦手の若手とか結構いますが総務関係に行きたい人はIT資格と知財関係、メンタルヘルス関係などの学習するのもありと思います。
資格を有効に活用し、自身の目指す方向性にあったキャリアを築いていくことが重要です。最後に!

毎日1問でもいいから継続して勉強すること。飲み会ある日は電車の中でも朝でも昼休みでもいい。言い訳してやらないは無し。それを習慣つけることが合格への道。

水彩画風


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