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『親が陰謀論にハマってしまったら』を考える

20〜30代で親が陰謀論にハマってしまい、苦しんでいる人が増えているそうです。陰謀論にはQアノンやワクチン陰謀論など様々なものがあると思いますが、ここでは個別の陰謀論の中身には触れず、なぜ40代後半〜60代の親世代が陰謀論に弱いのか、子世代はどのような対策ができるのかについて考えていきたいと思います。

情報に対して免疫のない世代

インターネットが本格的に普及しだしたのはWindows98が発売されたあたりから2000年頃で、2010年くらいまでにかけてブログやSNSなどが現れ、新たな情報空間が醸成されていきました。
そのような時代背景もあり、大人になってからインターネットを利用し始めた50代以上の方はそれ以下の世代と比較して、ITリテラシーの低い人の割合が高いことは否定できません。

もちろん若いからといって必ずしもITリテラシーが高いとは言えませんが、デジタル・ネイティブと呼ばれ、子供のときからgoogle検索やSNSが当たり前にあり、情報の渦に揉まれて育った世代とは、育った環境が全く異るのです。

情報は民主化されたが偽情報も増えた

ブログやSNSの誕生により、個人が情報発信という武器を手に入れ、情報は民主化されました。告発がしやすくなったり、情報隠蔽がしにくくなった一方で、出どころのハッキリしない怪しい情報も溢れ、大手メディアと横並びになってしまうことも増えました。
ファクトチェックがより一層大事になったのは当然の流れですし、若者世代は肌感覚で情報を見極めるクセがついていますが、少し上の世代はそうではないのです。

技術革新が認知バイアスの脆弱性をハックした

インターネットで買い物をしたあとに別の商品をおすすめするレコメンドエンジン。似たようなものを好む個人の趣味趣向を解析し、あらたな提案をするものですが、これが情報にも適用されるようになりました。

これは日本に限った話ではなく、世界中で起きている現象であり、トランプ大統領誕生の裏で、国際的に世論操作をしていたケンブリッジ・アナリティカのような組織が望む結果を得られたのもこのような時代背景と技術革新があったからです。

そして、見事に狙い撃ちされたのが情報リテラシーの低い人です。なかでも40代後半から60代の、心身ともに元気だが情報リテラシーは低い人達は、これらの攻撃を防げなかったのではないかと思います。

チルドレンコントロール(逆ペアレンタルコントロール)

子供が有害な情報に接しないためのペアレンタルコントロールという仕組みや考えがありますが、詐欺や偽情報の技術革新も目覚ましい現代においては、親の世代が偽情報に騙されたりしないように子供が気をつける仕組み『チルドレンコントロール』のようなものが必要なのではないかと思っています。

陰謀論の侵入経路を調べる

親を陰謀論に毒されないようにするには、どのようにして陰謀論が侵入しているのかを知る必要があります。
些細なことでも怪しいことを言い出したら、その情報をどこで知ったのかを聞いたほうがいいでしょう。フェイスブックなのか、ツイッターなのか、YouTubeなのか、ブログなのか。

対策案:あらかじめ信頼性の高いメディアを登録する

例えばですが、親のフェイスブックや、googleアカウント、ブラウザなどに、あらかじめファクトチェックが行われていたり信頼性の高い大手ニュースサイトをブックマークに登録したり、YouTubeチャンネルに登録したりするなどすることで一定の効果は見込めると思います。

大手ニュースサイト系YouTubeチャンネル
ANNnewsCH
BBC News Japan
テレ東BIZ
TBS NEWS
【公式】日テレNEWS
FNNプライムオンライン
ハフポスト日本版
NewsPicks

なお、ヤフーNEWSは影響力はあるものの、ファクトチェックが行われているとは思えないですし、ニュースメディアとは言えないので気をつけたほうが良さそうです。

対策案:YouTubeで「チャンネルをおすすめに表示しない」

YouTubeのホーム画面にはアルゴリズムによっておすすめ動画が表示されますが、表示されている動画で好ましくないものがあった場合、三点リーダー(縦に3つならんだ点)をクリックすると「チャンネルをおすすめに表示しない」というものがあります。
陰謀論などを扱うチャンネルは内容がそういうものばかりですし、それを見たことで他の陰謀論のチャンネルがおすすめに表示されてしまいます。
可能であれば、雑草を除去する感覚でこまめに行うのがよいでしょう。

Youtubeの履歴を削除する

Youtubeの検索履歴や再生履歴はGoogleアカウントに紐づいておすすめ動画を提案します。怪しい動画の履歴を消してしまえばおすすめ動画の汚染を減らすことができます。

対策案:ブラウザの機能拡張で対策する

Chromeをインストールし、機能拡張で『uBlacklist』というものを加えると任意のURLを検索結果に表示できないようにすることが可能です。
あまりにも怪しいサイトがあって、そこを見たことがわかった場合は検索結果に出ないようにしてしまうのも手かもしれません。

取るべき策は親との関係性による

ここまで提案したのはあくまで例となります。
たとえ親子であっても人のアカウントで勝手にいろいろとやるのはプライバシーの侵害にあたるでしょうし、結局あなたと親との関係性によって何ができて、何ができないかも変わってくるでしょう。

さいごに

親を守れるのはあなたしかいません。技術革新によって、世界の様々な場所からあなたの親を狙ってる人がいる時代に僕たちは生きているのです。

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