夢中になりたい自分から逃げない

持って生まれたオタク気質だからだろうか。いつでも、本当に好きになったらとことんなのだ。恋愛にしろ、趣味にしろ。一度好きになったら全部を知りたいと思うし、24時間考えていたい。24時間本当にそれで一杯になって、幸せが体内に溢れる。

趣味でそれであればほぼ問題ないけれど、恋愛だと、それは俗にいう”重い”というやつになるわけで、失敗もたくさんしてきた。それがトラウマになり、恋愛に臆病になった時期もあれど、同じテンションの相手と幸せいっぱいに過ごせた経験もちゃんとあるので、まあ、程度とタイミングと相性、ひっくるめて縁次第といったところ。

ときに仕事ではというと、その場で与えられた業務に対しては、その瞬間瞬間のやれるべきことには集中してきたつもりではあった。小さなことでも、それが依頼主や見えないところに繋がって存在しているお客様のために、できることはやろう、と。

ただ、それは決して夢中だった、とは言えない。いや、別に夢中であることが正しいわけでもないから良いのだけど、自分で切望しまくって入ったこの業界。周りには、24時間本当に仕事のことしか考えてないであろう女性もたくさんおり、それで幸せならばよいのだが、まだその境地に行ったことのなった私は、あんなに疲れていて、友達や家族との時間もなく、それでいいのだろうか?と思っていた。

とは言え、ちょっと羨ましかった。全員が全員、心の底から、それこそ最近流行りの潜在意識から願って仕事に埋もれているかというと絶対違うと言い切れるのだけれど、願望うんぬん置いておいて、仕事にあれだけ自分たちの力や時間を注げることができる彼らに対して、器用貧乏で生きてきた自分は、ちょっと劣等感も感じていた。

そんな自分が数年前に携わることになった業務は、思いのほか向いていると思えた。親もちょっと似て非なる仕事を長年やってきていることもあり、センスあるんじゃないか、自分?と思えた。初めて、好きでこの仕事にのめりこんでる、そう思えた。とっても楽しくて、自分が生き生きしているのがわかったし、受け身だった自分が、ちゃんと周りをリードしよう、そんなことまで意識し始めた。

ただ、自分は今まで、「与えられた業務は一生懸命やります、でも友達とも遊びたいし出会いも欲しいんで仕事だけに埋もれたくないっす。」というスタンスだったわけで、いきなり仕事に対してがつがつするようになり、周りとの温度差が生まれたように感じた。とある先輩には、「最近●●ちゃん、怖いよね」と言われた。自分では熱中して真摯に取り組むがゆえだったのだが、今までゆるーく頑張ってきた子がどうしたの?そういう感じだったのかもしれない。

その時はそれ以外で、会社の人間関係色々あり、ひょっとして、自分が頑張ると、周りの人を不幸にするのだろうか。いつも笑って適当に周りを和ませ、ほどほどのお給料でほどほどのお仕事をして、先輩からお酒をおごってもらう代わりに下ネタにもうまく付き合える(別にそれは今でも嫌いじゃないw)会社員でいることが、私の役割なのだろうか。そんなことを考えるようになってしまった。

それから数年、自分の人生としての目標・夢が別にあることを自覚し、仕事に慣れてきっていたのもあり、またそれなりに仕事を頑張って、プライベートに重きを置く生活になった。

やっぱり、仕事だけの人生なんて嫌だし、他にもやりたいことはたくさんある。今この狭い世界で悶々としている場合じゃない。外の世界にもう一度飛び出してやるんだ。

そう思った矢先、コロナで身動きが取れなくなった。そして最近180度異なる業務に代わった。

あまりに今までの立場と違いすぎて、全てが新鮮で知らないことを知るのは楽しい。

そして一方、体力的にはやっぱりしんどい。最近老眼もちょっと始まってきた気がするし、ほうれい線もより深くなってきたし、顔の輪郭もゆるんできた。シミもどんどん出てきた。これは、コロナのおかげで人と会う機会がほぼなくなり、ストレスで老化がいっきに加速しているほかならない。

思った。「家に籠って仕事だけしてる人生で老け込みたくない」。

今、コロナということもあり、土日に稼働しなければいけない仕事は無いので、もちろん土日は自分のために時間を使える。ただ、まだまだ業務を覚えきれていないから本当は土日にやらなければ間に合わない。

逆に、コロナのおかげで全体として残業が増えたという会社の事情もあり、残業時間を規定より超えることが割と許されない状況。深夜残業もいちいち承認をとらなければならず、それもかなり面倒臭い。

かといってじゃあ、だまってサービス残業をするのか?そんなの絶対嫌だ。新しい業務なのでこれだけの時間がかかっているのだよ、ということは上司に知っていて欲しい。

アー面倒くさい。

土日、まだあの仕事終わってないしな、、でも、土日仕事するって上司に言うと色々言われて面倒だし、、それに、土日、頭を休めないとまたパツンパツンになって、頭がパンクして余計に迷惑かかるし、何より老ける。。。

そんなことをうじうじ考えて、時間が過ぎる。老けたくないから土日は仕事しないんです。会社の規定もあるし。何か文句ありますか?

そうやって言えばいいだけの話なのに(実際別にそんなこと問い詰められる環境でも無いのだが)。

何をモヤモヤうじうじしてるのか。やりたいようにやればいいだけなのに。

そんなとき、ふと気づいた。

私のモヤモヤは、今この仕事に埋もれたいのにそれをしようとしない自分へのジレンマから来ている、と。

加齢だの会社の規定だの、自分のキャパ問題だの、色々言い訳をしているけれど、サービス残業になろうが(いや、ならないのがもちろん一番なんだけど)、見た目のおばちゃん化がこれ以上進もうが(これも本当は嫌だ)、プライベートに使う時間を失くして出会いをますます逃し、いつか来るであろう親との別れで孤独に耐えられない日々を送ることになること間違い無しになろうが、そして、大口叩いてなんとか実現させたいと思っている夢がまた少し遠のくとしても、そして、夢中になりすぎて周りからウザがられたとしても。

私は今、この仕事に夢中になりたい。

そんな自分を、認めたい。

そう自覚をした今。もう、土日であろうとパソコンを開けて仕事のことを考えてしまうことから逃げない。

というか、「これは仕事だから」という意識を、排除する。

元々、好きなことを一生していたいから入ったこの業界。好きなものにずっと触れていられているのに、いつから義務的な仕事としか思えなくなってしまっていたのだろう。家族や友達から遊びを仕事にできてて気楽なもんよね、と思われてるんじゃないかと感じたとき、目に見えないところで苦労してんだよ、こっちだって、と、いらだったこともある。

決して気楽ではない。でも、楽しいことは事実。楽しいことをしているから、そのための楽しくないことも、日々何とかやれてきている。

だったら、今、少なくともしばらく不自由は続くであろう今年いっぱい、目いっぱい自分をこの仕事に埋もれさせてみたらいいじゃないか。だって、これは仕事じゃなくて、好きなことなのだから。

(とはいえ、美容も頑張る。そこも諦めきれないw)

初心を思いだすって、きっとこういうことなのかな。

本日日曜日。さて、大好きだった彼らの、夢を追いかけていた時期を歌っている大切な曲でも聴いて、もうひと踏ん張り。

<ちなみに、サービス残業をしたいわけではありません。嫌です。ただ、自分で納得して、こういう時期、生き方があってもいいよね、というだけのお話。>







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