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宇崎のこみ
2020年2月2日 00:10
人生というものはいたずらに日々を繰り返すだけのものなのだ、ということに気づいた時にはある程度のあきらめはついていた。 今朝は非日常的といえるほどに最悪だった。人身事故、というか飛び込み自殺が目の前で起こったのだ。 さらに悪いことに飛び込む寸前ホームドアによじのぼったそいつは、俺のほうを見て素敵に微笑みやがった。決して俺の知り合いなんかでもないのに。きっとたまたま俺と目があっちまって、最後だし
2017年2月11日 01:14
楊貴妃のように愛した人に殺されてみたいわ。とほざく彼女に、実際に手を下したのは部下じゃないか。とぶっきらぼうに返した。そんな僕を嘲笑うかのような口角のあげかたをしながら、タバコに火をつける。薄桃色の唇から吐き出された紫煙が天上へとのんびり伸びた。 「知らないの?」「何を」忘れてた、と言わんばかりに細い指が今更換気扇のボタンを押す。そんなものまわしたって部屋にタバコの匂いは染み付くという