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「組合わせろ!オウ!」読み

本を読む終わった時に、参考文献とか引用文献とか見ちゃうのって、分かるかなーなんて。一つの本を読んで、それだけでその本の内容を理解することが難しいのでと思ってしまっているので、今回は「『組合わせろ!オウ!』読み」(ネーミングセンスがキモイ?)を紹介したいと思う。

「組み合わせる」ということは、文字通り本を組み合わせるということ。英語で「match」に近い。「fit」でも「suit」でもない。「match」、つまり異なるものを組み合わせるということですね。これは、「即自化」「対自化」という最近2021年のワタシの中で流行しつつある言葉とも関連しています。

一つの視線では、そもそもそれが一つの視線で見ているということすら意識できない。一つの視線で見ていたと云うことを意識し、また多角的な視座で著書の内容を捉えるために、この「『組合わせろ!オウ!』読み」は役に立つかなと。

例えば、今思いつく本の組み合わせは

「嫌われる勇気」×「呪いの時代」(個人的にオススメ)

「嫌われる勇気」×「自省録」

「旅の根源史 映し出される人間欲望の変遷」×「弱いつながり 検索ワードを探す旅」

「スロー・イズ・ビューティフル 遅さとしての文化」×「世界でいちばん幸せな国 フィジーの世界いちばん非常識な幸福論」

「ツナミの小形而上学」×「理性という狂気:G・バタイユから現代世界の倫理へ」

「笑いの哲学」×「障害者と笑い:障害をめぐるコミュニケーションを拓く」

「友と敵の脱構築:感情と偶然性の哲学試論」×「偶然性と運命」

「ノイズ 音楽/貨幣/雑音」×「複製技術時代の芸術作品」

「複製技術時代の芸術作品」×「知覚の現象学」


まぁジャンルはバッラバラです。「心理学(?)」「哲学」「芸術」「笑い」「幸福論」「フィジー」「社会学」「音楽」「現象学」「災害」「障がい」「低い唯物論」「呪い」「祝福」などなど。しかしバラバラだからこそ、見えてくるものもあります。「『組合わせろ!オウ!』読み」は、座標軸を増やす作業とも言えるでしょう。x軸だけだったもの(一次元)に、y軸を加える(二次元)に、そしてz軸を加える(三次元)ことで、どこに何があるかがより発揮するといったイメージです。

この「『組合わせろ!オウ!』読み」の良い所は、組み合わせが無限大であること、ほぼ無限に組み合わせ続けることが出来るということです。「笑いの哲学」×「障害者と笑い:障害をめぐるコミュニケーションを拓く」に、「偶然性と運命」を組み合わせてもいいですし、さらにそこから、「友と敵の脱構築:感情と偶然性の哲学試論」を組み合わせてもいい。本当に関係が無いと思った分野の本を、二つとってみてください。きっと何かしらの関連性があるはずです。これは主観的真理ですが、「え?全然関係ないような分野を読んでいたのに、これはあの分野の話しにもつながるなぁ」と感じた経験が幾回もあります。

そして何より楽しいです。「本はつながっている」という旨の文をどこかで書いた気がするけど、これは割と本当にそうだと思います。これは完全に私見だけれど、本は一冊そのもので完成しているもの、独立独歩するようなものではないと思います。確かに、装幀された本は、物理的に一冊であるものもあります。けどそうではない。見えないつながり。そのつながりは、正確には本同士のつながりではなく、本を通して読んだ経験や知識のつながりと言えます。だから「『組合わせろ!オウ!』読み」は、ある意味で本の非自律的な在り方に沿った、基本的な読み方でもあると思うのです。(参考や引用文献があるものは特に。)

本は、パズル全体ではありません。確かにそれ自体、途方もない苦労と時間と金をかけて作られた一種の完成品のように見えますが、本は、絶対に完成することの在り得ないパズル全体の、ピースの一つ。形はバラバラで、一見組み合わせることが難しいように見えるけれど、どこか接合可能な部分は無いかと探す過程もまた、読書なのではないだろうかとイイ感じにまとめてみる。

本の内容を紹介している記事、もうほんとたくさん見かけます。(読み切ることは不可能ですね。)けどそこで本を一冊紹介して止まるのではなくて、「この本を読んだのなら、あの本のいいよ。」とか、「この本は分野は全然違うけど、良い分としては似てるところがあるよ。」とか、「同じようなところについて、違う意見があって、意見の相対化に役立つかも。」とか。そういうのがあってもいいかと思うのです。

もちろん、これは「本」というまとまったものでなくとも構いません。例えば、(実例の方が分かり易いのでワタシのを書きますが)安部公房の「鞄」(高校時代で特に印象に残っている奴ですね。後は「羅生門」とか「トカトントン」とか・・・)という文章と、メルロポンティの「知覚の現象学」、或いは内田樹さんの「呪いの時代」「街場の読書論」をまとめて紹介するなんてね。情報量は多くなってしまいますが、参考になる・似ている意見を紹介するという点でも、いいのかなと思います。(だって、その人一人しか言っていない意見って、そうそうないですから)

そしてもちろん(?)

嫌われる勇気×呪いの時代×自省録×旅の根源史 映し出される人間欲望の変遷×弱いつながり 検索ワードを探す旅×スロー・イズ・ビューティフル 遅さとしての文化×世界でいちばん幸せな国 フィジーの世界いちばん非常識な幸福論×ツナミの小形而上学×理性という狂気:G・バタイユから現代世界の倫理へ×笑いの哲学×障害者と笑い:障害をめぐるコミュニケーションを拓く×友と敵の脱構築:感情と偶然性の哲学試論×偶然性と運命×ノイズ 音楽/貨幣/雑音×複製技術時代の芸術作品×「知覚の現象学

これら全てを組わせて見えてくるものもあります。多分! こういうものを、自分にしか出来ない掛け合わせて作っていくといいかなと思います。

ということで、いつの間にか結構書いてしまいましたが、是非参考になると嬉しい限りでございます。読んでくれて、有難う。




今日も大学生は惟っている




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