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人のために振るう。それがスキルです | ユカイ工学ソフトエンジニア 石本暉晃 インタビュー

みなさんこんにちは。デザイナーの はらだ です。

早いもので4月も半分が過ぎました…!
新しい生活をスタートした方も多いかと思いますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?
ユカイ工学ではBOCCO emoの「iF デザインアワード2021」受賞など、嬉しい春を味わっています。

さて、今回はBOCCO emoインタビューにも登場してくれた、エンジニアの石本さんに話を聞きました。

【 Profile 】
石本 暉晃( Ishimoto Kiko )
- ソフトエンジニア
2015年高専ロボコンで過去最速勝利。心身込めて作ったモノは人に感動を与えられることを知る。人を感動させ幸せにするモノを日々生み出すユカイ工学に感化され、2016年からインターン、アルバイトを経て、2018年に正社員となる。「人のために振るう。それがスキルです」

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「ものが動く」って面白い

----- いつ頃からものづくりに興味を持ちましたか?

石本
保育園児の時から、ものづくりには興味を持っていたと思います。
5歳くらいだったかな。ガス工事業者の人が家にやってきて、図面を広げながら作業をしていたことがあって。その横で図面を見ながら、色々と質問をしていました。

ただ、中学生くらいまでは具体的にやりたいことって特になくて。
それが変わったのが中学3年時の合同学校見学会でした。

進路選択の季節になると、各学校の先生たちが中学校まで来て色々説明をしてくれるんですけど…文武両道だとか、学力だとか、大学に行かせるとかそういう話ばかりで「なんか面白くないな」ってその時は思っていて。

そんな中で、異彩を放っていたのが工業高校でした。
大きく場所をとって、堂々とロボットを動かして見せてくれたんです。

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それが面白かったんですよね。ものが動くって。
元々数学や理科が好きだったのもあって、ものづくりができそうな学校に行こうと思いました。

親に相談したり調べたりする中で「高専」の存在を知って、東京の南千住にある東京都立産業技術高等専門学校に入学しました。


ロボコンの世界に飛び込む

----- 高専で印象に残っている体験は何でしたか?

石本
「高専ロボコン」ですね。
1年の途中から3年生までがっつりやりました。通常は進路選択もあるので4年以降は部活動はしないのですが、僕は最後5年生でも出場しました。

と言っても、入学してからすぐはロボコンではなくて、飛行機の模型を作って飛ばすような部活に入っていました。
ただ、人数が少なくて、あまり活動できないまま半年が過ぎていたんです。

どうしようかなぁ〜と思っていたら、たまたま高専ロボコンの地区大会の会場校が自分の学校になって。
他の学生と一緒に手伝っているうちに、興味を持ったので「入れてください!」って部室に飛び込みました。

その時は、ちょうど地区大会の反省会中で、僕と同じ1年生もいました。
彼らはプログラムもバリバリ書けて、進んでたんです。一方で、僕は全然書けなかった。
でも、そこから面白くなってきて「半年の穴を埋めるの…ちょっと楽しいかも」って思いながら、みんなに追いつくべく勉強しました。

冬休みとかはロボコンのオフシーズンなので、部活も自主参加だったんですけど、僕は9時〜19時くらいまでガッツリやっていました。
学校にいない時も…例えば、家のお遣いを頼まれている時も、プログラムのアルゴリズムのことばっか考えたり…本当に夢中でした。


人を幸せにするためのスキル

----- プログラミングにどっぷりハマったんですね。高専ロボコンに出場した中で、思い入れのある大会はありますか?

石本
3年生の時に出場した第28回大会ですね。
「輪花繚乱」をテーマに、9本のポールに早く輪を入れられるか対戦形式で競いあいました。

相手より先に全てのポールに輪を投げ入れるか、競技時間3分終了後に多く輪を投げ入れたチームの勝利ってルールだったんですけど、僕たちのチームは12秒で勝負決めちゃって。

----- えっ?12秒ですか…??

石本
はい。12秒。
当時の審査員も同じような反応でした。
会場もザワザワしていましたね。

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僕、操縦者だったんですけど、緊張に耐えながら操縦していてたので結果が残せてよかったです。最終的には、全国大会にも進んで技術賞を受賞しました。
この体験が、原体験になったというか…僕がものづくりをする一つのモチベーションになったんです。

僕たちが作った輪投げロボットって、暮らしの役に立つような便利さはないじゃないですか。
でも、人に喜びや楽しみを与えることができた。

一生懸命、毎日作り込んだロボットが、誰かの喜びにつながるんだなって。
僕が培ってきたものは「人を幸せにするためのスキル」なんだなって思ったんです。

----- プロフィールにも「人のために振るう。それがスキルです」とありましたね。

石本
はい。「モノに想いを込めて、それを届けることができる」って気づいてから、いつも肝に銘じていることで、僕の中では間違いない言葉です。

「人を幸せにするためにスキルを振るいたい」と思うので、なるべく「焦らない」とか「楽天的になる」とかも意識しています。
焦ったりイラつきながら作るよりは、笑ったり楽しみながら作った方が僕は良いなって思うから。


ユカイなロボットから感じた全力感

----- プロフィールにユカイ工学でインターンをしたとありましたね。ユカイ工学のことは元々知っていましたか?

石本
いえ、インターンの求人雑誌で初めて知りました。
4年生の時に授業でインターンがあって、何百社も載っている分厚い求人誌の中から見つけました。
気になったのでWebサイトも見たら、製品紹介にある小さいロボットたちが可愛かったのを覚えています。

それまで僕が興味を持っていたのは、ロボットアームとか切削機器とかゴツい工業系のロボットだったんです。
でも、サイトに載っているBOCCOの写真を見て「中にいる人たち可愛いもの好きなんだろうな」とか「全力なんだな、すごいな」って感じて。

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「これもしかしたらプロ集団かもしれない」って思って、インターンに応募しました。

----- インターンではどんなことをしましたか?

石本
実はエンジニアの和田さんとインターンが同じ時期だったんです。

4人組で4つのロボットを作ったのですが、その一部が先日公開した「ユカイなピコハンロボット」のベースになっているんですよ。

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当時は、和田さんが回路や基板を担当していて、僕はソフトウェア周りを担当していました。そこで、当たり判定のプログラムや、Bluetoothで操作するためのプログラムを書きました。

このインターンには後日談があって、インターンの求人を出したのはCEOの青木さんだったんです。
つまり、僕は自分の力でロボコンの全国大会に行って、それを見た青木さんが求人を出して、それを見た僕がユカイ工学に行って…みたいな。
最初聞いたときはビックリしましたね。

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そうそう…もう一つ、びっくりストーリーといえば、4年の終わりから5年の春くらいにかけて就活をしていたら、CTOの鷺坂さんから突然「内定どうですか?」みたいなメールが来たんです。

あまりに驚いたので「一度面接を!」ってお願いしました。
きちんとお話しできたので内定承諾して、翌月から卒業まで1年間アルバイトをしました。


幅広く動く、でもメインはソフト

----- ユカイ工学でどんなお仕事をしてきましたか?

石本
BOCCOTELLBOkonashi…自社製品はサーバー以外幅広く携わってきました。
メインはソフトウェアの開発ですが、入社当時は回路設計や基板も作っていましたし、センサの組み立てもやっていました。あとは、アプリもアルバイトの頃からやってましたね。

----- 本当に幅広いですね。抵抗は無かったのでしょうか?

石本
アプリを担当した時は、まだロボコンをやっていたので「僕はロボットの制御がしたいんだ」って気持ちもありました。
でも、当時からいろんなプログラミング言語を触ったりしていて、言語が変わっても対応できるように特訓もしていたんです。だから結局勉強になったというか。

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ロボコンで関わらなかったアプリやAPI関連の知識をユカイ工学で学べたので、チーム内で違う分野を担当しているメンバーの考えていることが理解できるようになったり。自分でも成長したなって思うんですよね。

今は、ロボットを制御したい!っていうよりは、もっといろんなことを理解してる・しようとするソフトウェアエンジニアになりたいと思っています。

----- 素敵ですね。ユカイ工学のロボットづくりはチームで行うことが多いと思うので、幅広い知識を持つ石本さんの存在は大きいなと感じます。

石本
ロボコンの経験もあってか、チームでものづくりをすることはユカイ工学でも意識しています。

高専時代はいろんなことに興味を持って勉強していて。専門はソフトウェアでしたが、ハードウェアについても独学で勉強していたので多少知識があるんです。
ユカイ工学にはそれぞれ専門性の高いメンバーが集まっているので、その知識を生かしてコミュニケーションを取れているかなと思います。

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BOCCO emoは特にチームメンバーと密なコミュニケーションを取りながらつくってきました。

BOCCO emoは今も絶賛育て中です。
3月の一般販売から1ヶ月、まだまだスタート地点に立ったばかりですが、僕たちの作ったBOCCO emoが誰かの幸せに繋がってくれていると信じています。


熱量を上げられるのは僕たち

----- どんな人と一緒に働きたいと感じますか?

石本
人のことが好きな人がいいなって思います。
あと、みんなインタビューで「熱量のある人」って答えているなって思ったんですけど、僕は少し違っていて。

個人の熱量に囚われるのではなく、僕たちが一緒に働くメンバーの熱量を上げられる存在になることが重要だと思っているんです。

だから僕は、まず自分自身が高い熱を持って、それを周りにも伝えて、お互いの熱を上げられるようなエンジニアを目指しています。
そういうノリの方がきっと楽しいと思うし、お互い楽な気持ちになって、気づけないところも気づけると思うんですよね。

例えば、一緒にデバックしてるとき「ダルいな〜」ってやっている人より、「あ〜!今!バグ見つけた!!よしログとろう!!」みたいに楽しくやりたい。

これも学生時代の話ですけど、ロボコンのチームメンバーにはいつも「自慢をしてくれ」ってよく言っていました。

例えば「1+1のプログラムができた!」でも良い。
自慢してくれ!って。僕も自慢するからって。
一人でこっそり楽しむよりも、みんなで共有してお互いに高め合いたいんですよね。

「自慢」って言葉が良いかはわからないけれど、堂々とドヤ顔しながら説明してくれれば、お互いの知識に繋がるし、満足にもなる。とても良いなと思っているんです。

僕は人が好きで、興味を持っているから、普段の雑談レベルで気軽にお互いの知識を共有したり、高め合えると楽しいなと思います。

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----- 今後の活躍も楽しみにしています!ありがとうございました!


編集後記:誰とパートナーシップを結ぶのか

仕事って結構「ガチャ」かもしれない。
ふと、そんなことをインタビュー中に思い浮かべました。

……とても雑な事を言いましたね。
しかし、これは社会人1年目の私へ最も伝えたかったことだと思ったのです。

仕事内容もパートナーもタイミングも…いろんな要素が重なり合ってできていて、自分にとって最高の時もあれば、逆もある。
時には自分ではコントロールできない物事にも飲み込まれながら走り続ける場面もある、と。

だからこそ重要なのは、誰とパートナーシップを結ぶかを自分で選択することではないかと思うのです。

「こりゃアカンわ〜」と感じた時、歩み寄ることができないならば「逃げる」も重要な選択です。
逆に、喜びを共有しあえたり、承認しあえる人を見つけたら「君って最高だよ!」と伝えてほしい。

「自分はどんな人とパートナーシップを結びたいだろう。」
変化のある今の季節に、問いを投げかけてみるのも良いかもしれません。

私なら、お互いを承認し高め合える人と。

ユカイ工学には、人をつなぎ熱を高め合うメンバーがたくさんいます。
石本さんはその中の大切なひとりです。


その他のインタビューnoteはこちら


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