よもやま話し

ユカイ工学代表・青木俊介と縁ある人との「ユカイ予想図」対談企画はじめました。第一回目は猪子寿之さんと片桐孝憲さん

こんにちは。ユカイ工学のPRを担当しているカイフチです🦜
ユカイ工学を一緒に盛り上げる仲間になり、かれこれ4年以上(BOCCOの登場とほぼ同じ!)のおつきあいになります。

初めまして!をした頃は、10人ちょっとだったメンバーも、今では30人を超えるチームへ。毎年、どんどんパワーアップし、そして素晴らしいメンバーが集まるユカイ工学の秘密のひとつには、代表青木の人柄と才能が大きな柱となっていることにちがいありません。

そんな青木の周りには、日本や世界で、様々な領域で活躍されるユニークで才能溢れる方々がたくさん。そんな方々との普段は聞けない「よもやま話」を、みんなで共有してしまおう!というのがこの企画です。

第一弾は、様々な苦楽を共にされた仲間たちとのお話。どんな話が繰り広げられるのでしょうか。ぜひお読みください。

ユカイ工学代表・青木俊介の「ユカイ予想図」とは?

「ユカイ予想図」は、ユカイ工学代表の青木俊介が、その道々で活躍し、世の中へ向けて様々な提案をしている縁のある人物を訪ね、「ちょっと最近どうですか?」というざっくばらんな会話から、今をどう捉え、未来についてまで、様々に語り合う企画です。

チームラボ代表・猪子寿之さんとpixiv(ピクシブ)創業者・片桐孝憲さんとの「ユカイ予想図」

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まえおき

2000年に東京大学・東京工業大学の大学院生・学部生が集まり立ち上げたチームラボ。その創設メンバーである青木とチームラボ代表の猪子寿之さん、そして、pixivで事業を共にした片桐孝憲さんと、近況を交えたざっくばらんな雑談会の様子をお届けします。長い付き合いの仲ならではの、ラジオ感のある会話です。

久しぶりのユカイな報告

青木
久しぶりです。改めまして、今、ユカイ工学がどんな感じかっていうのを報告させてもらいたいと思いまして!(ちょっと改まって紹介を。)

ユカイ工学を設立した 2011年以降、自社プロダクトや他社プロダクトの手伝いなどをさせていただいていて、僕たちはコミュニケーションロボットのパイオニアを自負しています。今までGOOD DESIGN賞やRed dot design賞など様々な賞や、色々な場面で評価も頂いてきました。今、ユカイ工学は、30人ちょっとくらいのチームで、ロボコン経験者もいたり、面白い人が集まっています。  

猪子
2011年だ!チームラボのアートデビューと一緒じゃん!今、スタッフ30人もいるの?すごいな!

片桐
すごいっすよ。この会社、この会社すげえなって思ったもん。こないだユカイ工学スタッフと一緒にお弁当を食べるランチ会に行ったんだけど、俺感動したもん。みんな楽しそうだし、青木さんのやりたいことをみんなでやってるって感じ。青木さんが楽しそうで、ユカイな感じだったよ。

猪子
みんながユカイじゃなくて、青木がユカイなの?(笑)

青木
いや、みんなユカイだと思うよ!(笑)「2025年には一家に一台ロボットがある世界」を目指してます。ロボットはこれから4兆円規模の市場になっていくんですよ。

片桐
へえ、マーケットがいいんだね。

青木
ここ2年くらいでAIスピーカーが国内でも300万台くらい市場に出てきたのをきっかけに、「もっとかわいいのないの?」と企業からユカイ工学に声がかかることが増えてるんですよ。自分達のブランドでメーカーもやってるけど、BOCCOを企業のサービスの中でも使ってもらってたり、「こんな使い方できないの?」とか、いろいろな要望がある。「BOCCOを使ってお年寄りのケアサービスに使いたいんだけど、こんな機能はできる?」とか、ソフト開発もしています。BOCCOQooboのプロダクト開発以外に、4分の3くらいはBtoBの仕事を行っているんですよ。

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猪子
そうなんだ。受託が多そうだけど、受託っていうよりかは、色々なところとコラボする感じにしたらいいじゃん。ブランドとして。チームラボも色々なところとコラボしてて、チームラボカフェとか、いろんな企業のイベントデザインとかしてたり、この前やったのはアイススケートショーとコラボしたり。ユカイも色々できそうだよね。

ロボットである意味って?

青木
最近のトピックスとしては、セコムさんのシニア見守りサービスや、東京ガスさんの子育て応援サービスとか、それぞれとの取り組みが発展したりしてます。例えば、BOCCOはセンサーと連動させて「エアコンつけてね!」と言ったり、カレンダーと連動して、薬を飲む時間を指定してお知らせしたり。薬を1人で飲めるかどうかは、シニアが1人暮らしできるかどうか、介護施設に入るかどうかのひとつの判断ポイントでもあるんだよ。だから、そういう介護施設に入る前に自宅で生活していけるようなサポートをロボティクスで補えたらと思ってます。

猪子
なるほどね!会話がちゃんとできて、本当にちゃんと飲んだかどうかまで家族が確認できたりするとさらにいいよね。AIスピーカーからアラートされて、「飲みました」とか返事してもちょっと惨めな気持ちになりそうだけど、ロボットだと愛着が湧いて、会話がしやすいよね。でもアラートだけだったら、ロボットじゃなくても他のプッシュ通知機能とかカレンダーのリマインダーでもよさそうだけど、ロボットでやる意味ってどんなところにあるの?

青木
そうだね。アラートだけだと、そのまま見過ごしたり、忘れちゃったりすることが多くて。ロボットの声でお知らせしてくれることや、BOCCOのしゃべり方がかわいいから使いたいっていう方もいる。確かに、飲んだかどうかまでを確認できるといいよね。

猪子
秘書とかもそうだよね。ちゃんとやってないときに言われ続けるところに意味があるよね。俺もいつも遅刻しかけて、カレンダーのリマインダーの機能だと軽視しちゃうけど、秘書だと次の場所に行ってない限り1000回言ってくれる、そういうところだよね。

青木
そういう部分をロボットに任せられると生活がすごい楽になるよね。ゴミ捨てとかも、自分があやふやなところをロボットがサポートしてくれるといいな、と。これが母親とかだと小言に聞こえて嫌になっちゃうこともあるけど(笑)。そういうのをロボットできるといいかなって。

猪子
確かにね!

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青木
例えばお年寄りの方が、家で寂しくなると看護婦さんやケアマネージャーさんに「今日は何日?」とか、他愛もないことを1日に何回も電話してしまったりする。でも、セコムさんのサービスでBOCCOを導入してからは、お年寄りが話しかけると、セコムのセンターの人が応えてくれるようになって、その不安衝動が緩和されたりとか。そういう不安解消の部分にBOCCOを活用してもらってます。

猪子
なるほどね。いいね。

より家族になれるような、エモいロボットを

青木
それから、BOCCOが2020年にリリースする予定のAIを搭載した次世代版の「BOCCO emo」を作っています。AIといっても、これは、AIスピーカーのようなアシスタント機能はつけずに、とにかくエモさを追求してます。例えば、自分でつけた名前で呼んだらこっちを向いてくれるとか、感情表現が伝わるようにこだわっていて、より家族になれるようなロボットを目指して開発してます。例えば「I LOVE YOU」というと、照れたり喜んだり。wi-fiがない環境でも使えるようにSIM対応してたり、どんな家庭でも使えるようになるんですよ。

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猪子
めっちゃいいじゃん!

青木
あと、音声認識のフュートレックとも組んで、彼らの持ってる音声認識技術を使ったり、翻訳技術も入れたり、ロボットの会話を学習して自動で返事が返せるようなATRのシステムや技術も使って開発しています。AIスピーカーは一方的なやりとりになるけど、ロボットはもっと自分から話しかけてくれたり、可愛らしさとかも特徴だと思う。

片桐
なるほどね。

青木
BOCCOはもともと共働き家庭やシニアの見守りの需要が多かったんだけど、最近では病院でナースコールを押しまくっちゃう方に向けて対応できるシステムを作ったりとか、仕事中はスマホを操作できない長距離ドライバーの話し相手になるシステムの開発が始まったり。プラチナパートナーとのサービスもあります。

猪子
面白いじゃん。プラチナパートナーは何が旨味になるの?

青木
プラチナパートナーは、開発中の試作機で色々トライアルしたりとか、1業種1社で競合には同じサービスをしない約束で、彼らがそのサービスの最初のお客さんになれることがメリット。ライバルがやらないことを先にできるのが魅力かな。他にはハードのメンテナンスもしたり、いろいろあります。

子供向けとかシニア向けのロボットを使った実証実験もやってるんだけど、子供向けの実証実験では、実証が終わりの日のBOCCOの最後のアナウンスで子供が泣いちゃったりして。「ドラえもん最後の日」、みたいな。それをきっかけに始まったのが、東京ガスの子育て応援サービス「まかせて!BOCCO」で、BOCCOが童話とかのお話を読んでくれたり話しかけてくれたりします。

猪子
それ、タブレットを合わせてやっても良さそうだよね。絵本読んでくれたりとか。ユカイはQooboとBOCCO以外もロボットあるの?

青木
2019年10月に発売した「ユカイな生きものロボットキット」とか面白いよ。これは小学生ロボコン(NHKエンタープライズ主催)の予選にも応募できるキットで、材料はすごくシンプル。結束バンドをモーターに巻くと、生きものみたいに動くっていう。

猪子
プログラミングっていうよりは、工作っぽいんだね。

青木
そうだね。小学生ロボコン自体もロボットのスピード重視じゃなくて、アイディアが面白いとか、いろいろな評価がある。

猪子
アートとかデザインは誰かの強い意識で決定したり、過去の実績とかが審査基準になっちゃうから、なんかね。でもゴールとか勝ち負けの基準が明確だと戦うのも面白いよね。壊れないとか、一番長く走ったとか。あまりにも面白いユニークなものは別枠で審査員賞とかあるといいかもね。

青木
NHKのロボコンは競技は純粋に決まってるルールで優勝者が決まって。それとは別にユニークなアイディアが評価される大賞があったりする。

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青木
子供向けにAIを使ったものを作りたいっていう話もあるんだけど、AIってブラックボックスだから、、、子供向けにっていうのはどうなんだろうねえ。

猪子
AIの基礎はプログラミングでしょ。これをうまく設定していけばいいんじゃない。チームラボでも作って運用してるよ。子供向けのワークショップで、「あそぶ!天才プログラミング」っていう自分で描いた人を簡単にプログラミングして、映像の中で動かしたりしてる。塾とかとも組んで始めてるよ。

青木
それいいね!

学ぶことや場がエンターテイメント

猪子
チームラボは家でやるっていうより、みんなでやるっていうのが多いかな。そういう寺子屋スタイルがいいなって思ってて。子供同士で教えあったりとか、ゲームしたりとか。そういうのが楽しいかなと思ってるんだよね。自分が描いたやつが目の前で踊るとか。で、それを隣の人にどうやったらできるのかのやり方を聞いたりとか。

青木
へえ、なるほどね。プログラミングに興味を持ってもらうまでのハードルが高いなと思ってるんだよね。例えばLEGOとかって自由に組み立てるのは楽しいけど、説明書通りに作るの難しいって感じで。でも昔、子供の頃にPCがある施設に遊びに行って、画面に絵を描いたりしたのが楽しかった記憶がある。パソコンで絵が描けるんだぁって感動して。家庭だと、親も教えるのは大変だしね。

猪子
KUMONとかも素晴らしいと思うけど、自分だけの戦いみたいで。そんなに自分と戦いたくない。俺が小学生の時は、学校の先生を退職したおばあちゃん先生が、自分の家で寺子屋みたいな塾をやってて、そこが楽しかったね。それが田舎だったのがよかったのかもしれないけど、頭がいいとか悪いとか関係なく、近所の子たちが来るって感じで。俺にとっては、学ぶことや場がエンターテイメントだった。なんか楽しかったんだよね。

青木
そういうとこいいねえ。

猪子
お庭があってさ、その塾の先生の家に。春は琵琶をとって、秋は柿をとって、怒られたりさ。俺の場合、学校は田舎すぎて、ちょっと学ぶ場というところではなかったから(笑)。その塾は学ぶ目的で来てるから、なんか楽しかったんだよね。

まだまだ、お話は続きますが、今日はこの辺で。素敵なお話をありがとうございました。

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