佐藤 友佳

2018年5月から2019年4月までロンドン在住 美術大学卒、歌。”発見屋さん” 寿司…

佐藤 友佳

2018年5月から2019年4月までロンドン在住 美術大学卒、歌。”発見屋さん” 寿司屋の娘

マガジン

  • ちょっと山の方に住んでみる

    The関東の郊外こと、相模原から京都の少し山の方の亀岡に引越してみました。日記です。

  • Miss Adventure SAN in London

    2018年5月から2019年4月までのロンドン滞在記 // ロンドンにて新しい視点の発見をしていた日々の記録 こちらに登場する場所は、このGoogle mapにまとめています。(随時更新) https://goo.gl/maps/uZhqjL8Cv73rvzbc7

最近の記事

えだまめは、先生

今私は、枝豆の枝の下で寝ている。 土から抜いて1週間たった枝からは、青青しい香りがする。歯切れの良い、ビビットで深い青緑色。生命の生きている匂いがする。 枝は、有機的な曲線を持ち、1歩でも前に、空へ向かって行くシルエットとなって、私の目を釘付けにする。  KIRI CAFEのマンスリーイベント・World civic tour で ライスバレーの枝豆の収穫祭をする事になった。京都•南丹市で、農業を行っているライスバレーにて、収穫をお手伝いさせて頂いた時にいただいた根っこから

    • 12ヶ月:さよなら山の麓生活

       あっと言う間に、亀岡に移住して1年経った。この一年は、自分と向き合うことに主に時間を使っていたと思う。  実際のところ、今までも、よく自己分析していたが、それって一体自分にとって役に立っていたのだろうか?と疑問に思うことが大半だった。ただ、新しい土地に住む度に、自分自身の中で見つけられていなかったものを見つけることができているので、その選択をした自分は、褒めよう。といっても、その行動に出る時は、このままじゃ、数年後に自分がいないような気にがする!!うわ〜〜〜っとなっている

      • 6ヶ月。大分変化に気づく

         5ヶ月経過の日記はすっ飛ばしてしまった。 何かを続けることは、あまり得意ではないが、書き留めることがなくても、私の体には、グビグビと新しい土地での発見が知識として蓄積されている。  9月のシルバーウィークあたりに、友人が何人か訪ねてきた。  神社廻りが趣味の友人をアテンドした日は、1日で京都市内の神社を15社ほど回った。目まぐるしいスケジュールの中、これほど多くの神社を短時間で巡ったことは、土地勘が身に付けただけでなく、それぞれの神社の特徴を知った。 と言うより”感じ

        • 4ヶ月経過:野生の勘

           9月に入ると涼しい風が通り抜け、朝晩は大分涼しくなった。喉を潤す冷たい緑茶から、ほっと安心する温かい紅茶へと体が求める物も変わってきている。  この4ヶ月で大きく変わったことは、自分の動物的”勘度”が上がったこと。  夜と朝の境目の基準が、太陽の光から、セミや鳥の鳴き声などの音情報へと変わった。空の色が変わり始める紺色の空に、セミの鳴き声が鈴虫の音へ混ざり始め、鳥の音が増えていく。現在は、温度変化や太陽の位置を音で感知するようになった。  雨についても、天気予報の雨と

        えだまめは、先生

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        • ちょっと山の方に住んでみる
          4本
        • Miss Adventure SAN in London
          11本

        記事

          3ヶ月:季節を伝える音

          梅雨が明け、いよいよ”京都の暑い夏”と言う物に向き合う季節になった。 私の住んでいる場所は、自然がとても溢れているので季節の移ろいを音で知ることができる。 鳥の声で溢れる5月から6月上旬、”私は白雪姫なのか?”と思いながら目が覚める。 梅雨に入ると、滝の中に住んでいるかもしれないと錯覚するほどの雨音。 カエルは、雨が降り始める直前から鳴き始めることを知り、洗濯物を濡らさずに済むようになった。 梅雨明けの少し前から、日暮らしが鳴き始め、梅雨明けと同時にセミが鳴き始める。

          3ヶ月:季節を伝える音

          引っ越して2ヶ月 2020・07

          こんにちは。 イギリスの滞在記が続かなかったため、月に1度は更新していこうと、再度noteをはじめました。 改めて自己紹介をさせていただきます。 私、さとうゆかは、都内の美術大学を卒業したのち、会社員をしながら歌を歌ったり、作品を制作をしてきました。 2018年に約1年ほどロンドンにて語学留学し帰国しましたが、帰国後約8ヶ月は、いわゆる帰国鬱に近い状態で生きてるか死んでるかよくわからない日々を眠気と闘いながらなんとか生きていました。  そんなパッとしない日々の中、イギリスで

          引っ越して2ヶ月 2020・07

          11話:背中から倒れる勇気

          2018年6月18日(月)  私は、去年から英語で日記を書いている。ロンドンに滞在してからは、フラットメイトにチェックと音読をしてもらい、それを録音した音源を学校の通学中に復唱していた。この日記は、フラットメイトだけでなく日本の友人・チェルシーにも画像を送っている。チェルシーは、私が英語日記を書き始めた頃から勉強に付き合ってくれている上、滅茶苦茶な英語が連なった単語ノートと言った方が良い文章が送られてくることを”楽しみ”とまで言ってくれる。初めた頃は、絵と英語の日記だったが、

          11話:背中から倒れる勇気

          10話:BAD DAY and The BEST DAY

          2018年6月10日  イギリスのRoyal School of Needleworkという王立刺繍学校は、世界的に有名な刺繍学校の1つである。今日はそこの卒業ショーを観に行く予定だ。私は、7年間刺繍加工会社に勤めていたり、個人の作品として刺繍を使っていたこともあり、ショーを観る事を、数年前から楽しみにしていた。ただこの日は、日本から送った荷物を郊外の倉庫まで引き取りに行かなくてはいけないため、段ボール1つと”きっとクロークはあるだろう”という甘い考えとともに、そのまま刺繍学

          10話:BAD DAY and The BEST DAY

          9話:白米とコクへの思い

           イギリス人が代々住んでいる家に住むということは、平べったい皿が家に置いてあり、小皿や茶碗というものは、ほとんどない。私は、どおしてもどうしても、お米が無いと生きていけないので、ほぼ毎日欠かさずお米を食べていた。おかずの横にお米を置いて、箸で持ち上げて食べる。これは、洗い物も少ないし、お米を食べるには、全く支障は無いが、”茶碗”は持つことで”ご飯を食べている”と認識できているようにも感じまた、安心を得ているようにも感じる。感じ始めると、”茶碗”が無い生活は、どうもしっくり来な

          9話:白米とコクへの思い

          8話:心の出航

          2018年5月31日(木)  靴が無意識に外へ向くような晴天に、適度な気温は、人々をパブへ誘い出す。その誘いは、まるで断る事が出来ないと言われるほど強い。中央ロンドンのパブは、午後6時には人で溢れている。日本人の私には考えられないほど、ビルの明かりは消え、残業と定時の概念が全く違うんだということを、街の空気から教わる。パブで楽しそうに話す人々を見ると、”私も、今日はパブに行きたい”と思い始め、同じ家に住んでいる友人を今から誘うべきか否か考えながらバスに乗る。  家に着くなり、

          8話:心の出航

          7話:”自分の普通は、普通ではない”の始まり

           2018年5月31日  寒い。昨日までキャミソールでうろうろ出来たにも関わらず、今日は、ジャケットを着なくてはいけない。街には、コートを着た人が白い息を吐きながら歩いている。昨日は、初夏、今日は、秋と言っても良いほどの気温差に、数少ない長袖をあるだけ着込む。冷たい空気もまだ、新鮮に感じる。なぜなら、今日から語学学校が始まるからだ。  私が通う学校は、中心地のHolborn駅にあり、バスで1時間。エージェントからの資料では、午後からの授業にも関わらず、8:30に行くように書か

          7話:”自分の普通は、普通ではない”の始まり

          6話:レゲエ接客

           5月28日・イギリスの祝日にあたるBank Holidayの月曜日。その晩、友人を家に招き、日本食をご馳走することになっていた。 「酒と味醂は、きっとスーパーで売ってるから大丈夫。まずは、モップと圧力鍋」  と、Peckhamで一番大きい日用品店に向う。店内には、中東の菓子やカリブ系の米、調味料がぎゅうぎゅうにに詰め込まれた棚、そして、その反対側には、インテリア雑貨が雑然と並ぶ。異国を通り抜けるトンネルのような空間では、明るいレゲエがかかっていた。大きくなったり小さくなった

          6話:レゲエ接客

          5話:晴天。それは、公園に集まる合図

           2018年5月27日 日曜、完璧な晴天。新緑を強く通り抜ける光が”公園に行きなさい”と指令を送るように、シャーロット・トムとキッチンで会うなりDulwich Parkへ向かうことになった。装飾の施された鉄の立派な門を抜けると、モンキーはリードから解き放たれる。嬉しそうに走っている犬は、モンキーだけではない。そこには、大小様々な犬種の犬がリード無しで走り回っている。子供連れの家族が溢れ、”ハミングバード(haming bird)”と言う英語の表現は、これか!!と思うほど、様々

          5話:晴天。それは、公園に集まる合図

          4話:ロンドナー2日目:水道水が飲める。米が炊ける。

           曇りか。窓の外が白い雲で覆われている2日目のロンドンの朝、時差ボケによって私は、5時に目が覚めた。全く二度寝出来る気配もないので、昨日購入したヘアアクセサリーを身に着け、今からクラブにでも行くかのような容姿で外出する。歩き始めてすぐ、小雨が降り始めた。 「なんてロンドンのような天気なんだ」 雨でさえニヤついてしまう。傘を取りに行くか迷ったが、ロンドナーを気取るためウィンドブレーカーのフードを被り、鳥の鳴き声が響く住宅街を前に進む。向かった場所は、BrixtonにあるBroc

          4話:ロンドナー2日目:水道水が飲める。米が炊ける。

          3話:レゲエ・UK GARAGEが流れる街・Peckham

           家の前に着きシャーロットに連絡をすると、彼女は外出中だったので、同居人のジェイミーが迎えに来てくれた。私の家は、計5戸の家が、横一列に繋がっており、壁一枚で分けられいる。切り分けられたロールケーキのような作りと言った方がわかりやすい。1階に店舗、そして、2・3階が住居となっている。玄関、門、庭は各家庭で別れているため、意外にもこの建物の作りは、不快感を感じない。私の部屋は、ダブルベット、机、収納が揃っており、机の前に座ると庭を眺める事ができる。ロンドンの住宅街は、1区間の外

          3話:レゲエ・UK GARAGEが流れる街・Peckham

          2話:友達と友達は偶然

           ”初めからネイティブ話者と好きな地域に住む” そんな奇跡的な状況に、 ”こんないい環境、cheatな奴やで” とロンドンに住んでた友人のJun君に言われた。私もそう思う。  ”いつか海外に住んでみたい”と、小学生の頃から思っていたものの、気付いたらワーキングホリデーの年齢制限まで後2年。ぼんやり過ごしてしまった〜!と思い、イギリスのワーキングホリデーの抽選に当たらなくても、ロンドンへ行こうと決めた。ロンドンといったらJun君だ!と思い彼に相談。 「行った事ないんか!下見し

          2話:友達と友達は偶然