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【連載童話】ヘンリーと赤いふうせん

インファルトの村の ヘンリーには
どうしても やってみたい
たったひとつのことが ありました。

それは 小さな小さな インファルトの村の
ずっとずっと 北のほう
ハルゲルーシュの山の むこうがわへ
行くことです。

けれども 小さな小さな ヘンリーは
インファルトの村の外へは
いちども 行ったことがないのでした。

村の外は どうなっているのだろう。
山のむこうには どんなせかいが
まっているのかな。

ヘンリーは ときおり
考えていました。

「きっと 見たこともないもので
いっぱいに ちがいない!!」

そうして ヘンリーが わくわくするたび
ヘンリーの 赤いふうせんは 
大きく ふくらんでいくのでした。

ヘンリーと赤いふうせん1


〈つづく〉


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