見出し画像

白熊杯私設賞 うつスピ賞 25句


こんばんは。

早く予選の結果を知りたいのですが、

自分なりに17音だけで感じたことだけで選を決めたい。
という自分なりの楽しみがありまして、

うつ病復職中の余力で生きていますので、
今できることで言うと、

毎年(過去の傾向から審査員は12句を選ぶのではという感覚から)
12句に絞り、うつスピ賞としたいのですが、
(※選者と感覚の違いを楽しむと同時に、真剣勝負をしています笑)

そろそろ私も結果を知りたいので、

「選句理由のコメントまで楽しみにしてくださっている方も多い」と聞いていますが、

今できることは、
「12句に選句しそうな句を共有」します。

12句に入りそうな句の選定については、「どの観点から選ぶか」が、
+コメント記入がちょっと今の時間配分では出来そうにありません。

(※結局この記事でも筆がのって4500文字を越える記事になったとか!
もっと気合入れるつもりだったとか!笑)

自分なりに「12句に絞る」のが大会に合わせた自分なりのラブレターのような感じで、
本編12句は来週以降の土日に私の余力次第で更新されるかもしれません。
一気に12句+1位から6位発表するかもしれません。

この選句について通知はいきません。
(1月28日21時現在・リンクを貼っていないです。
気づいたらリンクを貼っているかもしれません。
1月29日20時リンク追加しました。
作者知りました。密かに12句も順位も決めました。)

まだ作者を見ておりません。
コメントはお待ちしております。
(※返せるのか!?体調次第です。)
ほとんど選句も決め切っているのですが、細部で決め切れていない、ぐらいです。
(1月28日21時12句、1~6位の選句も決めました。)

それではいきます!

24.冬越しは彼のポッケであたたかい

この句の良さは、じゃあポケットってどれぐらいの大きさが標準か、ということを考えると、「手を入れるサイズ」あたりが標準かなというところですが、
この句をよーく読んでいくと、
「冬越し」という時間経過の長い季語を選んだことで、
「彼そのものがポッケのような存在なのではないか」
と感じてきませんか?
素敵な関係性のカップルが見えてきました。

46.はく息の 白さ忘れる寒げいこ

夢中になると、何かを忘れるということはありますよね。
人間の目は、興味を持ったことにしか目がいかないような気がします。
はく息で遊んでいた場面、そこから集中して稽古に励む子どもたちの姿
(※けいこという表記をひらがなにした効果もありますかね、私には子どもが)がありありと浮かんできました。

59.待牌を足指に聞く掘炬燵

58.おじさんも萌え袖キメる寒の入り

二句で迷いました。
おじさんも萌え袖キメる寒の入り
おじさんの萌え袖キメる、
こういう現代の言語感覚に寄り添って生きているなあという句が好きです。
おじさんというギャップもありますし、いいですね。

そして、待牌を足指に聞く掘炬燵
冬のリアリティがありありと描けているのではないでしょうか。
この二句なら、
足指にというリアリティを持って冬の季語の炬燵を描いていることが好きで、この掘炬燵の句の方を高く評価しています。

110.双眼鏡きみの合わせた寒昴

省略が効いたいい句に見えますね。双眼鏡があって、きみの合わせた寒昴。
見ようとしている二人の白い息や、ワクワクした気持ちがこの句から見えてきますね。

118.冬の朝いちにいさんし決めポーズ

一読して、見逃しかけました。
「いちにいさんし」から、
体操の光景が浮かぶかどうかの部分でですね。
冬の朝に集まってラジオ体操のような体操をする子どもたちがいたとして、
「いちにいさんし」とある動作のあとに、
必ず決めポーズをして解散するノリのいい子どもたちの姿がこの句から感じられたとき、一気にこの句が好きになりました。

122.しみだしたように優しく日向ぼっこ

日向ぼっことはこういうものだと、
人はみな、日向ぼっこをするときにはしみだしていって、優しくなっていくと、季語を言い表せていると感じたので選びました、「しみだしたように」
が、意外と言えないのでは、発見なのではと思いました。

125.新年は鯨の如く訪れる

新年をどう捉えるのか、貫く棒のようにとらえる方もいるでしょうが、
年の切り替えを大きく捉える人ならこの発見が活きているなと思いました。
新年を例えるのも、如くの句も難しいんだと思うんですけど、上手く言い表していると感じました。

159.なんでかな コタツに蜜柑 あなたにワタシ

この句のことが今大会で一番気になっています。
ええと、俳句的に言うと、
「分けて書いている(分かち書き)」「季語が二つ」です。
でも、好きなんです。

まず、「なんでかな」と、素朴にいう訳です。
続けて読むと、「コタツに蜜柑」ここに意外性はなかったです。

となると上五の「なんでかな」が効いていないかなと思ったんですけど、
最後に、「あなたにワタシ」

ああ、この句の「なんでかな」は、
「コタツに蜜柑」、「あなたにワタシ」、
両方にかかっているんだと感じた瞬間に好きになりました。

日本人の感覚として切り離せないもの、コタツに蜜柑があるように、
そんな「コタツに蜜柑」と同じように、「あなたにワタシ」、
切っても切り離せないのはなんでだろう。
もう、ステキな二人じゃないですか。
そうやって鑑賞していくと、
なんでかな コタツに蜜柑 あなたにワタシ

この一文字開けた空白も効いているんですよ。
この句が選ばれているかが一番気になっております。
ひらがなカタカナ漢字表記の選び方も絶妙です。
この出だしで歌手に歌い始めてほしい素敵な句です!

160.軒氷柱母という枷ぶん投げて

季語との響き合いは、
人間関係の雪解けや長年のわだかまりが含まれていそうですね。
近い人間が枷になっていることもありますよね。
ぶん投げるという言葉の強さに、冬の中の静かな決意を感じ選びました。


167.どの人も寡黙なペンギン冬の街

滑らない歩き方はペンギン歩きだ!とテレビでやっていました。寡黙という静かな言葉の印象と、裏腹にペンギンのような歩き方で歩いていく冬や雪の街の姿を思い選びました。

184.初雪に笑む子と憂う母の皺

観点がいいですよね。子どもは無邪気に笑うんですけど、大人になると、
それだけじゃないよと、ここから長い雪の冬が始まるんだと、大人の苦労が「皺」に着目したことで見えてくる対比の効いたいい句です。

191.山茶花や写真の母はいつも端

190.音立てて散る冬菊もまた過客

この二句もいいですね。上手い人説を推しています笑
冬菊を旅人に見立てる、非凡さを感じました。
私が好きなのは、山茶花の句ですね。
控えめな母の苦労が、山茶花と響き合って、
今までの苦労をありがとうと言いたくなる素敵な句です。

195.汲むほどに沈黙深し雪見酒

沈黙で語り合う、単に酔ったから沈黙が深くなるわけではなく、
深い関係でゆっくりと語り合う男たちかな?父子かな?
仕事場でずっと気持ちを通わせながら働いている職人さんかな?
と想像が広がる素敵な句でした!

198.北風に帆を張るごとく顔上げて

私も北風で去年詠みましたが、北風という季語に対して、
「帆を張るごとく」この比喩を見た瞬間にうなりました。いい句です。
おーいお茶俳句とかでお茶になるんじゃないでしょうか。
自分を船に例えて、北風に向き合っていく。
厳しさを詠みがちな季語に対して、素敵な発見ではないでしょうか。

271.もうねなきゃおふろはあした冬の月

こう、ひらがなで書かれているかわいらしい句に見えるんですけど、
そうじゃなくて、私には、残業続きの自分が重なって見えた句です。

あぁー疲れて帰るー睡眠しなきゃ持たないー明日シャワー浴びよーとりあえず寝ようー
のあの日が、
ひらがなのかわいらしさなのか、
ひらがなの思考回路の低下している部分なのか、
不思議に響いてくる句でした。
句の作者の意図を聞いてみたいです。
たまに、作者の思いと、読み手の鑑賞と違うこともある、
違ってもいい・それも面白いというのが俳句の面白さです。


288.父母子電車ごっこす冬の暮

良い風景じゃないですか。「父母子」この5文字が魅力ですよね。
俳句って少し単語のイメージからずらした単語がある方が、
良いのかなぁと思う時があります。
電車ごっこと言えば「子どもだけで行う」というイメージから、父母子と、少し裏切ってリアリティのある家族の光景にしたことで、
愛情の見えてくる素敵な句です。

291.咳ひとつシャッター街を軋めけり

上手いよなぁ、という印象の句ですね。
(冬×)咳×シャッター街ですよね。
昔栄えていた商店街がシャッター街になっていて音が響いている寂しさ、良く見えてきます。人がいないから反射して咳が響きそうです。
計算されて言葉を選んでいるなぁと思いました。

300.和解して日向ぼっこのへそピアス

298.湯豆腐をふうふうきみと同じだけ

和解して日向ぼっこのへそピアス
こう、前の文章(288)の続きで言えば、
「連続する言葉の少しの裏切り」、
和解して、日向ぼっこの・・・と家族とかあったかさのイメージを浮かべたまま読んできて、「へそピアス」、
私の中では少しやんちゃな方のイメージが一気に浮かび、
おだやかーな日向ぼっこという季語から少し飛躍した、
それでいて若者のリアリティがあるいい句に感じました。

ただ、この二句の中では
湯豆腐をふうふうきみと同じだけ
ふうふうを、君と同じだけするという、「ミラーリング」

親密な間柄にある者の間で、仕草や動作が同調する現象。特に乳幼児母親の間で行われる模倣が情動共有や注意喚起に重要な役割を果たしているとされる。

きみと同じだけ と言った瞬間に、湯豆腐をふうふう という単語だけでは描かれていなかった愛着のある人と二人の関係や風景が描かれて広がっていきます。
きみは、恋人なのかなぁと思いました。
「ゆどうふふうふう」この言葉の合わせ方、U音(口に出したときの口の形)の連続も好きです。
してやったりと思っているか、意図しているかどうかも気になっています。


372.寝る前の五行日記や冬菫

季語との合わせ方、響かせ方を知っている方ですね。
(いい句だ!と感じた後に、ちゃんと言語化できるのか、私!
と焦るタイプの句です。笑)
ひそやかに日々を大切にしながら、
強さを隠して生きている人が見えたんですよね。
それが冬菫なんだろうなと。美しく生きる方が見えました。

376.お葬式のCM増えて寒の雨

こういった話を知っていますか?
子育てを始めると街中のベビーカーが増えたように感じる、
というような話です。

・・・本当に、お葬式のCMが増えたのでしょうか。
意識したら、増えて見えたのではないでしょうか。
そんな寂しさも見えてきました。
どうなんでしょうね。
・・・私が歳を取って人の死に触れることが増え、
そう思ったのかもしれません。お葬式増えてと体感ではなく、
「CM」という一つ挟んだことが、アクセントになって、寒の雨と響いてきます。

380.反省を許さぬ時代ふすま雪

379.日向ぼこ無口な祖父の膝の上

反省を許さぬ時代ふすま雪
この句のフレーズの発見は見事だと思いました。
もちろんフレーズの力でここまで残しているのですが、
本当にふすま雪でいいのか?というのが疑問に残りました。
ふすま雪=「一面に降り積もった雪のこと」。
なら、春に溶けて許されるのだろうか?それは作者が12音のフレーズでいいたかったことと合っているのだろうか?
そう思うと、
私は日向ぼこ無口な祖父の膝の上の方をを選ぼうと思いました。
人が上手く描けています。
美しい光景だなと思いました。愛情が見える句です。なのでこちらの句の方が好みです。


さぁ、再確認もそこそこに共有しようと思います。
(メモの数字見逃しが無いかどうかもあとで投稿してから見ます。)

私の句は予選残っているでしょうか。
早く見たかったんですよね!

みなさま褒めて褒められていきましょう!

(※上位6句◎を選句中に付けた句はほぼ決まっています、
順位までは決めきれていません。
上位12句も選びきっておりませんがなんとなーく絞り中です。

1月28日20時55分追伸 12句も上位6句も決まりました。)

愛を込めて!

1月29日20時
通知用リンク貼ります!
おめでとうございます!

24.冬越しは彼のポッケであたたかい

46.はく息の 白さ忘れる寒げいこ

59.待牌を足指に聞く掘炬燵

58.おじさんも萌え袖キメる寒の入り

110.双眼鏡きみの合わせた寒昴

118.冬の朝いちにいさんし決めポーズ

122.しみだしたように優しく日向ぼっこ

125.新年は鯨の如く訪れる

159.なんでかな コタツに蜜柑 あなたにワタシ

160.軒氷柱母という枷ぶん投げて

167.どの人も寡黙なペンギン冬の街

184.初雪に笑む子と憂う母の皺

191.山茶花や写真の母はいつも端

190.音立てて散る冬菊もまた過客

195.汲むほどに沈黙深し雪見酒

198.北風に帆を張るごとく顔上げて

271.もうねなきゃおふろはあした冬の月

288.父母子電車ごっこす冬の暮

300.和解して日向ぼっこのへそピアス

298.湯豆腐をふうふうきみと同じだけ

372.寝る前の五行日記や冬菫

376.お葬式のCM増えて寒の雨

380.反省を許さぬ時代ふすま雪

379.日向ぼこ無口な祖父の膝の上


素敵な日々にしていきましょう!

おめでとうございました!

愛を込めて!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?