映@心理士

臨床心理士・公認心理師。京都大学大学院 教育学研究科 博士後期課程 →京都文教大学 特…

映@心理士

臨床心理士・公認心理師。京都大学大学院 教育学研究科 博士後期課程 →京都文教大学 特任(任期付)講師 →株式会社リーディングマーク組織心理研究所。専門は心理臨床学、深層心理学。HRTech企業の研究開発部門にて、人と組織のケアと成長の支援についての実践と研究を行っています。

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  • 臨床心理学者が採用・組織開発ベンチャーに転職した話。

最近の記事

ケアとセラピーとマネジメント

ケアが先、セラピーが後。最近、「ケアとセラピーの違い」について注目しています。 あまりピンとこないかもしれませんが、ケアとは「傷つけないこと」、セラピーは「傷つきと向き合うこと」と考えてください。 セラピーと聞くと、ゆったりとした癒やしのイメージがあるかもしれませんが、実際はそんな生ぬるいものではありません。 セラピーは自分の苦しい部分や、認めたくない部分と向きあい、自分の力で自分を変えていく営みです。 それはすごくエネルギーの必要な作業であり、心に一定の強さや余裕がある

    • 変化・成長の伴走者

      人や組織はどのようにして変化・成長していくのでしょうか。 一般社会に身を置いていると、多くの人が、人や組織の「変革」や「成長」、「生産性」や「なにかを高めていくこと」を求めていることを感じます。「マインドを醸成」してみたり、「心理的安全性」を求めてみたり、「人材開発」「イネーブルメント」をやってみたり、自己成長、経験学習、組織開発…すべては前に進むこと、より高みを目指して変わっていくこと、変えていくことが目標になっています。 ところで、私の興味関心の核は、人間としての相談

      • 数値やデータによるアプローチと、個別の経験に向き合うアプローチの違い 〜村上靖彦「客観性の落とし穴」を読んで〜

        お久しぶりです。 精神科医の村上靖彦先生が最近出版された「客観性の落とし穴」という本を読んで、自身の過去の体験やこれまでの学問や実践を振り返る言葉がたくさん浮かんできたので、ちょっと整理してみたくなり、久しぶりにnoteを開きました。 私は臨床心理士ですが、この本を読んで、なるほど私はちょうどこのテーマの狭間で揺れながら学問も実践もやってきているな、ということを再認識しました。 こんなに言葉が湧いてくることが珍しいため、ちょっと戸惑っており、どんな文章になるかわからないの

        • 【第4話 心理学と心理学ではないもの】

          お久しぶりです。映です。 あっという間に時間が過ぎていき、気づけば前の記事から6週間もあいてしまいました。この間の気持ちとしては、これまでのキャリアで培ったものを一時棚上げし、新しい環境に没入すべく動いておりました。5月を終えるに当たって少し振り返りもかねてnoteに向かっています。 noteについては、これまでは少し思考を固めてから、「さあ書くぞ」の精神で綴ろうとしていましたが、もうちょっと気軽に考えたことを書き留めるような気持ちでやっていこうと思っています。 さて先

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        • 臨床心理学者が採用・組織開発ベンチャーに転職した話。
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          【第3話 適性検査の適正】 〜臨床心理学者が採用・組織開発ベンチャーに転職した話

          私はものごとの本質を大切にしたい人間です。 どうも、3話目になりました。リモートワークが続き、「職場」ってなんだろう、とか考えたりしてます。家のウォーターサーバーの水の減り方がすごいです。 今日も適性検査のお話です。この話をしようと思ったのは、いろいろな検査を調べている中で、どうも疑問に思ったことがあったからです。適性検査をすでに導入されている皆さんは、それをどういった基準で選びましたか? 「みんな使ってるから」「便利そうだから」「コスト削減できそうだから」 いろんな

          【第3話 適性検査の適正】 〜臨床心理学者が採用・組織開発ベンチャーに転職した話

          【第2話 適性検査「ミキワメ」秘話】 〜臨床心理学者が採用・組織開発ベンチャーに転職した話

          はじめに2本目の投稿です。みなさんいかがお過ごしでしょうか。コロナが長期化する中、SNSでは「疲」「ストレス」などの用語のつぶやきが増えているらしい。災害など緊急時のストレス症状は、現実の危機対応のあと、時間的に遅れてやってきます。忙しい平日には考えなかったことも、時間のある休日には頭に浮かんできます。SNSも良いですが、ぜひ身近な人と電話やテレビ電話をしてみてくださいね。声出すだけで世界は変わる! さて、本日は適性検査の話題。弊社リーディングマークでは、2020年4月2日

          【第2話 適性検査「ミキワメ」秘話】 〜臨床心理学者が採用・組織開発ベンチャーに転職した話

          【第1話 非日常×非日常の新人】 〜臨床心理学者が採用・組織開発ベンチャーに転職した話。

          みなさん,はじめまして。映と申します。 つい先日まで,私は臨床心理の実践家・研究者・教育者として,京都文教大学で授業をしたり,現場でカウンセリングを行う仕事をしていました。しかしこのたび!自分が作成に携わっていた採用・就職適性検査を扱っている株式会社リーディングマークに転職したのです。 これだけだと,全く違う仕事をすることになるように見えるかもしれません。しかし,人と出会い,人を見立て,集団を見立て,広く問題解決や描く理想の実現を支援するという意味では,専門家として出来る

          【第1話 非日常×非日常の新人】 〜臨床心理学者が採用・組織開発ベンチャーに転職した話。