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【第1話 非日常×非日常の新人】 〜臨床心理学者が採用・組織開発ベンチャーに転職した話。

みなさん,はじめまして。映と申します。

つい先日まで,私は臨床心理の実践家・研究者・教育者として,京都文教大学で授業をしたり,現場でカウンセリングを行う仕事をしていました。しかしこのたび!自分が作成に携わっていた採用・就職適性検査を扱っている株式会社リーディングマークに転職したのです。

これだけだと,全く違う仕事をすることになるように見えるかもしれません。しかし,人と出会い,人を見立て,集団を見立て,広く問題解決や描く理想の実現を支援するという意味では,専門家として出来る仕事があると感じています。特に心理学,臨床心理学的な視点がまだほとんど知られていない領域において,その実践知を生かす仕事は,これからの産業界に必要になると思っています。

この連載では,そんな産業界,HR事業のど素人が,その経験を通して臨床心理学と産業,あるいはメンタルヘルスについて思考を巡らす場としたいと思っています。仕事とは何か。

とはいえ!昨今の世の中は新型コロナウイルスの件で大変揺れています。新しい仕事を始める中で,コロナの影響について考えないわけにはいかないため,今日は少しその話をしたいと思います。

なお,note初心者のため読みにくい文章,ご容赦ください。

非日常×非日常 新入社員にとってのリモート業務

言うまでもなくコロナの波が押し寄せてきており,私の所属する会社でも全面リモート体制が取られています。オフィスに通って仕事をすることをイメージしていた私は,自宅にてオンラインで研修を受けたり作業をしたりしながら,「なんだ,大学の研究室で仕事しているようだ」と感じたりも。一方で,普段からオフィスでの仕事になれている皆さんにとっては,寂しい事態になってきていると思います。

コロナによる非日常の業務に,様々な人が適応しようとしている最中ですが,新人にとっての4月は,ただでさえこれまでの日常とは異なる毎日。環境に適応しようと必死になる時期です。非日常に非日常が重なる特殊な状況。その中で感じることを今日はアラカルト的に綴ります。

online face to face

会社の人とのやりとりがzoomを使って行われており,離れていてもここまでコミュニケーションが出来るものかと驚くばかりです。しかし,やはり実際に出会うface to faceのコミュニケーションでの「空間を共有している感覚」「同じ部屋の空気を吸う感覚」は抜け落ちている感じがするのです。われわれ人間はコミュニケーションにおいて,言葉以外にも様々な情報をやりとりしています。ちょっとした仕草や息遣い,視聴覚,嗅覚,様々な情報を暗黙に送受信しながら,それが言語的会話のきっかけを作ったり,関係の構築につながります。zoomでも顔は見えているじゃないか。いやいや,それだけでは足りない複雑な複合的情報をやりとりしているのです。だからこそ,何かが足りない,何かがやりにくい。同期や先輩とより多くコミュニケーションをして,早く「職場」に馴染みたいと思っている新人にとって,馴染む「職場」が物理的にないことは,求めている情報が意識にのぼってこない感覚を覚えさせ,じわじわとストレスになります。逆に言うと,普段いかに無意識的に情報を受け取っているのかを間接的に実感することとなります。

普段以上に言葉で細かく伝えることが必要になる感覚がある。しかしこれは,今まで「なんとなくニュアンスで」伝わっていた新人の緊張感や不安感を明確に言葉にするチャンスを与えられているとも捉えられます。否が応でも言葉にしなければ伝わらないというオンライン空間の中で,新人は言語化を迫られていることでしょう。忖度しようとしても手がかりが掴みにくい状況ですね。実際には,言葉にせずとどめ置いた方がよいこともあるでしょうから,そのあたりのバランス感は難しいですね。

雑ではない雑談

ミーティングが終わると切れてしまうzoom。それまでガヤガヤしていた耳元も一瞬で静かになり,自室で1人になります。周りに人がいる感覚が瞬時になくなり,現実の一人きりの部屋へと一挙に戻されます。ミーティング後の人が少しずつ散っていくようなグラデーションはありません。上司の様子を伺ってタイミングを見計らって話しかけることもやりにくい。もちろん,なし崩し的にランチに連れていかれることもありませんし,そこで先輩同士の会話を聴きながら職場の雰囲気を読み取ることもできません。雑談はじつは全く「雑」ではなく,必要なものとしてあるのです。これらの微細なコミュニケーションは,新人だけでなく,zoom勤務する皆がどこかで感じていることだと思います。もしこれを読んでいる職場の管理職の方がおられましたら,ぜひ気軽に参加できるオンライン雑談部屋,ランチ部屋も作ってください。業務遂行には,一見業務と無関係なコミュニケーションも必要なのです。

職場で一緒にいることと,オンラインでつながっていることは,やはり異なります。普段同じ場所で共に仕事をすることが当たり前の人にとって,オンラインで会話できるとしても,「一緒にいないこと」は奥底の不安を刺激します。仕事では直接やりとりしない同僚でも,顔が見えること,このビルにはたくさんの人がいて,みんな働いている,という実感が持てること,その存在感のようなものは,実は仕事をする上で大切なことなのではないでしょうか。

しかし逆に,「一人でいること」によって仕事効率が上がる人もいるでしょう。「コロナ離婚」なんていう言葉も生まれているぐらいですから,適度に一緒にいすぎないことも大切な場合があるのです。そういった部分は社員の性格によって変わってきます。誰がどのタイプなのか,なんとなく近しい人が浮かびますか?(ちなみにそういった性格の違いの根拠を提示しようとするのが,私の携わった適性検査です。この話はおいおいしていきたいですね)

つながる公私

テレワークになってから,仕事の終わりを決めにくい人はいませんか?私は自宅で仕事をしているからなのか,そもそもこういった仕事に慣れていないからなのか,どうしてもその日の仕事の区切りが難しく感じます。ここでは「場」が持つ力を実感します。仕事のスイッチを入れることは,場所を移動することによって後押しされています。物理的な場所には,心理的な「場」が宿っているのです。これも普段,半自律的に行われている感覚のスイッチであるため,意識的に行おうとするとエネルギーを必要とします。コロナは長期戦になりそうですし,普段よりそういった仕事の区切りをしやすい雰囲気づくりが大切です。環境を提供する側にいる方は,従業員の健康のために少し考えてみてほしいです。

躁×躁

新人はただでさえテンションをあげて,躁的になって,といいますが,新環境に適応しようとします。しかしその環境に元々いる人々も,非日常のなかで躁的になっています。たがいにテンションが高いので,「すごいやる気がある人」とも見られますし,そのボルテージは相乗効果になるかもしれません。5月の連休のころになるとエネルギーが枯渇してくる可能性もあります。休日には少し立ち止まって,テンションがあがりすぎていないか,ちょっとだけ振り返ってみるのもひとつかもしれません。周囲の人に聞いてみるのも良いでしょう。新人にとっては,こんなものなのか,とより大きなプレッシャーにもつながるかもしれません。いつもより情緒不安定になるかもしれません。頑張りすぎている仲間がいたら,声をかけてあげたいですね。

色々書いてみましたが,本当に雑多な考えの寄せ集めとなってしまいました。僕自身もまた,非日常に踊らされているのでしょうか。ややリスク管理のような内容が中心となりましたが,もちろんテレワークの良いところは皆さん周知のとおりたくさんあります。リモート体制を推し進め,長期戦に備えるための何かのヒントになれば幸いです。

次回は僕が作成に関わった適性検査について紹介したいと思います。

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●臨床心理士、公認心理師。●大学教員から採用・組織開発ベンチャーへ転職。●臨床心理学的な視点で採用や仕事について考えるために雑多な記事をしたためます。

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