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「失敗する自由」を取り戻す

僕は人間には本来「失敗する自由」があると思っている。

これは赤ちゃんのときにはかなり保証されていて、赤ちゃんは何かを「ちゃんとやる」ことができなくても罰を受けることはない。

しかしこの自由は学校に入ったり会社に入ったりすることでだんだんと失われていく。そこでは何かを「ちゃんとやる」ことが求められ、それができないと有形無形の罰を受けるようになる。

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もちろん失敗しないようにすることは大事なことである。ドライバーは安全運転をしてほしいし、医者は手順にそって手術をしてほしい。

しかし、人生の全てに失敗がないことがいいことだとは思わない。むしろ失敗することや失敗できる場所があることが必要だと思う。

新しいことを学ぶためには失敗することが必要だ。逆に言えば、失敗していないということは新しいことを学んでいないということである。

僕は人生は学び続けるものだと思っているから、失敗もあり続けるものだと思っている。

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僕はインプロ(即興演劇)をパフォーマンスしたり教えたりしている。そしてインプロは即興だから当然失敗することもある。むしろ失敗しないようにやっているインプロは面白くならない。

僕がインプロをパフォーマンスする理由はお客さんを笑わせたり感動させたりしたいからではない(もちろんそれも嬉しいけれど)。それよりもお客さんを自由にしたい。

「本当にチャレンジしていいのだ、本当に失敗していいのだ」ということ自体がメッセージ。そしてそれはインプロを教えることも同じである。

もし人が失敗しなくなったら、それは完成しているではなく萎縮しているのだと思う。だから僕はいつまでも失敗している自分でいたいし、失敗している人を勇気づけたいと思っている。


ワークショップのご案内
第三インプロ研究室」という団体でインプロ(即興演劇)のワークショップをしています。ご興味ある方はどうぞお越しください。演劇経験の無い方でも大丈夫です。


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