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東大生の海外経験 Part 1

移動が制限された時代を生きるすべてのひとに、クラスのメンバーの海外経験談をお届けします。初回の舞台はイギリス。さて、どんな経験談が聞けるのでしょうか?


イギリスに1人で旅しに行った話


 タイトルにもあるように、これから自分がイギリスに1人で旅しに行った時の話を書こうと思う。

 これは2年前に自分が大学1年生だった頃の話である。というのも自分はいわゆる仮面浪人で、他大に2年間通ったのちに東大に再入学したため、これは1回目の1年生の時の話だということになる。大学に入学し、自分で稼いだお金を自由に使えるようになってからできることも増え、海外旅行に行くという選択もできた。そんな中、大学1年生の間に中国と韓国、そして後述するイギリスの3カ国を旅行した。
 中国は北京、韓国はソウルが目的地だったのだが、前者は以前自分が住んでいた場所であり、後者は日本の隣国で日本語の案内や看板も充実していたため、どちらの国もとても親近感があり旅行としての難易度も低いといってよかった。(実際ソウルに行った時はSIMカードを購入せず、ガイドブックとFree WiFiだけで2日間過ごした。)

 これらすべての国には1人で行ったのだが、ひとり旅の魅力として、誰にも気を遣わずに観光できること、自分だけの力で生活することに冒険のようなワクワク感を感じられることなどがある。例えばバスに乗っていた時に美味しそうなパン屋さんを見つけて途中下車したり、地元のスーパーマーケットに入って日本にはないような品物を見つけたりできる。ガイドブックに載っていないようなお気に入りの場所を見つけることができることもひとり旅ならではの魅力だと思う。

 前置きが長くなったが、まず初めに、イギリスに行くことになった経緯を説明したい。
 もともと中国の上海に行く予定で計画も立てていたのだが、2019年の年末あたりから新型コロナウイルスが話題に取り上げられ始め、中国に行くのはやめるべきなのではないかと思い目的地を変更することにした。どうせなら行ったことない遠いところに行こうと思い、ロンドンに行くことを決めた。今思い返せば当日20歳にもなっていないのに、1人でイギリスに1週間行くことを決めた自分はとても勇気があったと思う。
 イギリスに行くまではアブダビを経由する飛行機を予約したため、片道約20時間もかかる長旅だった。インスタのストーリーでおすすめのドラマや映画を募集して乗り切ることにした。(実際飛行機の中ではほとんど寝ていて、すべての作品を見ることはなかったのだが、、)
 アブダビに着いたら石油王みたいな格好をした人がたくさんいて、これがアラブかーというしょうもない感想を抱いた。

 ここから、イギリスに滞在していた時の出来事を書いていこうと思う。スーツケースを受け取り、バスでロンドンの中心地に行く前にSIMカードを買ったのだが、それを移し替えるためのピンを持っていないことに気づき到着早々不安になった記憶がある。バスから降りて急いで携帯ショップを探してSIMカードを使えるようにしてもらい、無事にイギリスの旅がスタートした。
 ロンドンにいる間はひたすらガイドブックに書かれた観光地を回っていくことの繰り返しだった。2日目あたりで予約していたツアーでストーンヘンジを見に行く予定だったのだが、バスの集合場所の駅まで猛ダッシュしたことも記憶に残っている。電車で移動しようと思って駅に行くと明かりがついていなかった。張り紙を見るとストライキにより電車が運休している旨が書いてあった。どうしようかと焦ったが、走っても間に合いそう、というより間に合わないとお金が無駄になってしまうため死ぬ気で走った。異国の地をひとりで走り回るなんて経験をしたのはこれが初めてだった。その日はたまたま朝早く目覚めてゆっくり行こうと思っていたため、集合時間には5分程度遅れたもののバスの出発には間に合うことができた。ちなみにこの時ツアー会社に遅刻するかもしれないと伝える電話をかけたため、英語で他人に電話をかけるという経験もできた。そのバスツアーではストーンヘンジをはじめ他にもいろいろな観光地を回ったのだが、1番見てて面白かったのはバスの窓から見える景色だった。笑

 1番大きな事件が起きたのは4日目のことだった。ビッグ・ベンに向かう途中の橋を渡っていた時のことである。急に女性2人と男性の集団(喋っていた言葉の感じからしておそらくラテンアメリカの人)に呼び止められて紙を見せられた。これが最初の過ちなのだが、駅で配ってるチラシやティッシュですら受け取ってしまうような人間なので、呼び止めに応じて立ち止まってしまったのだ。読んでみると“目の見えない子供たちに寄付を”と言った趣旨の文言が書かれていた。まあ1円くらいならあげてもいいかと思って財布を出してしまった。するとその瞬間財布の上に紙をかぶせられ、何をしているのだろうと思ったのだが、財布に目を移すと財布からお札がなくなっていたのだ。この時、人生で初めてのスリにあったことになる。流石にこの時ばかりは声を荒らげ、返すように言ったが彼らは知らないの一点張りで、駅の方に逃げていったのだ。騒ぎを見ていたイギリス人の優しい紳士と一緒に地下鉄のホームまで追いかけて行ったのだが、結局見失ってしまった。盗られたお金は100ユーロ(10,000円くらい)だったので大きな痛手ではなかったため、お金をすられて犯人を追いかけるという貴重な経験の対価、教訓料だと思うことにした。その日以来街中で知らない人に声をかけられても無視する冷たい人間になることを決めた。お金をとった集団がラテンアメリカの人(勝手に思ってるだけ)だったので、東大に入り第二外国語を選ぶ際にスペイン語は真っ先に候補から外した。イギリスに行ってから自分にとってスペイン語は敵の言葉なのである。笑
 1週間の旅とはいっても飛行機の移動で丸2日使っていたので実質5日の滞在だった。ひとつのスポットにいる時間が短かったものだから、最終日はどこにも行くところがなくて、自転車を借りてひたすらにロンドンの街並みを走っていた。自転車で知らない街を巡るのはとても新鮮でとても楽しく、振り返ってみてもこの日が1番充実していたと思う。

 ロンドンの旅行はちょっとしたハプニングと多くの楽しい出来事に溢れてとても思い出深いものとなった。コロナが落ち着き、海外旅行が自由にできる日々が戻ってほしいなと思う。大学生の間に海外旅行に行きたかったことが東大を受験した理由のひとつであるのかもしれない。
 長々とまとまりのない文章を書いてしまった。ここまで読んでくださってありがとうございます。

(おわり)


抑制の効いた文体で送るイギリスひとり旅の思い出、いかがだったでしょうか?余韻に浸りつつ今回はここでお別れしたいと思います。
次回の舞台はフィリピンです!お楽しみに〜!

zzzzzzzzzzzzzzzzzzz

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