見出し画像

「APS-C 信仰」のすすめ

Bonjour
フランス🇫🇷からこんにちは

前回の投稿で「フルサイズ信仰」という言葉をネガティブな意味と共に引用しました。前回お伝えできなかったカメラ選びの細かい要素を、初心者の私が新しいカメラとしてAPS-Cを再度選んだ経緯を元に、初心者の皆様のカメラ選択(フルサイズ?APS-Cモデル?)に迷っている方へお送りします。
さぁ、初心者でないあなたもこの記事を読むと「APS-Cをかいたくなぁぁるぅ〜♬笑」
ということで「APS-C信仰」はじまりです♡

けっしてフルサイズが初心者にとって「悪」では無いことを前もって言っておきます。前回の投稿でもお話ししたとおり、インターネットで情報収集すると、「フルサイズが性能でまさる」という内容が「APS-C、マイクロフォーサーズはいまいちだな」というような初心者の思い込みが散見されたので、こうやって書いている次第です。
かくいう私(カメラ歴2年ほどの初心者)もフルサイズを買おうとしていました。
身近に頼りになるカメラ先輩がいればカメラ選びや技術を直に聞きたかったのですが残念ながら存在しませんでした。

3000CCのハイパースポーツカーの高性能を選ぶのか、1600CCのライトウェイトの軽快感を選ぶのか、そしてもし上手くなりたいのなら技術の向上に自分がどちらを選ぶのがベストソリューションなのか?
前者の方が高価で性能が良いに決まっているのですが、自分に合っているのはどっち?という話です。

今回自分がAPS-Cモデルの選択を決定した要素を解説します。どちらが良いという押しつけではありません。初心者の方々のカメラ選びの参考にして下さい。


1 フルサイズとAPS-Cモデルの最大の違い

これはカメラの心臓部ともいえる光を受けるセンサーの面積がフルサイズと比べて2/3である(フルサイズに比べて小さい)ということ。これは車の排気量にも相当する馬力の差と申しますか、絶対的な光学性能です。面積が大きいほど光を沢山受けられるので、APS-Cモデルにくらべて、撮影時の光のあらゆる条件で有利に働きます。
言い換えると、APS-Cモデルではその変化する光の条件を、他のセッティングや技術、光との向き合い方で補うにはどうしたらよいかを考えます!これは撮影条件を考える上で上達の第一歩と自分は考えています。
もちろん等しくフルサイズでも良い写真を撮るには考えなければならない条件です。なのでフルサイズを買ったから性能が未熟さを補ってくれるのかどうかは技術次第、フルサイズ買って思ったほど写真がよくなかったらショックですね!


2 夜間耐性

光を受ける量が少ない分、フルサイズに対して性能的に不利と言うことですが、「夜景を撮れない」ということではありません。ココは勘違いしないで下さい。「夜景が撮りたいのでフルサイズ縛り」とおっしゃる方がいますが、APS-Cモデルでももちろん撮れます。これも前述の通り他の条件で綺麗に撮れるように工夫するわけです。レンズであったりカメラの撮影設定であったり。これも技術を知るという上で上達の第一歩と考えています。
レンズはf値の小さい物、シャッタースピード調整、三脚利用、ISOをあげすぎるとノイズが増えるのでデュアル感度ISOを利用するなど。

下記は動画ですが、新しいカメラ性能でチャレンジしたい撮影です!


3 機器の重量、大きさ

私はSONYで選んだので、APS-Cモデルだと「A6700」 という機種ですが、バッテリーを含めた総重量は500㌘を切ります。
SONY比で、一般的なフルサイズカメラだと700㌘となり、1.4倍の重量です。実質の重量差は「200㌘」なので、これを重いととるか、軽いととるかはユーザー次第です。単におもさだけではなく、その分の性能差を考慮して「重くても良い」という選択はあります。性能を発揮できる技量のある方が対象ですね!
もっとも惜しいのは、重くて持ち出す機会が減ったり、かさばるので運搬が面倒、などの理由で撮影機会が減るのはもったいないですね。自分は上達のために沢山撮って失敗をたくさんするのが上達の過程だと思っています。
そしてレンズも等しく重く、大きくなるので、その差はさらに広がります!

情報としてSONYの場合、フルサイズでA7Cというコンパクトモデルがあります。これはこれまでのフルサイズの常識を覆した世界最小のフルサイズモデルで、重量は私が選んだA6700 と比べて数十㌘しか変わりません。そしてコンパクトさでもほぼ同じ大きさです。実はこのモデルと一番悩んだのですが、本見出し以降で述べる点で魅力を感じたのでAPS-Cモデルにしました。以下の通りです。最後までお付き合い下さい!

α7C, α7C2がフルサイズ、α6700がAPS-C、NEX5が自分の現行モデルです


4 焦点距離 1,5倍の画角(フルサイズ:APS-C)

これは同じ焦点距離のレンズで両者を比較した場合、APS-Cのほうが1,5倍大きく(ズームで)撮影できると言うことです。有名ですね!
詳しくは以下動画で解説していますのでご覧下さい。マイクロフォーサーズではさらに大きくなり、2倍程度のズームとなります。
これは野鳥撮影や飛行機など超望遠域を使う場合、焦点距離が短いレンズで済むので、レンズが軽くなり有利に働きます。プロでもAPS-Cを使う所以がここにあります。
望遠レンズは非常に高価なので、フルサイズ比較で同じ焦点距離を必要とした場合、軽量、コンパクトさ(レンズの径、長さ)、安価という部分で非常に有利に働きます。これまで超望遠域を撮影してこなかったので、被写体認識や手ぶれ補正が優秀な最新APS-Cモデルで、1,5倍クロップの恩恵を味わいたいと思い、フルサイズを選びませんでした。


5 映像画素数

APS-Cでも300万画素を撮れるモデルもあるので、フルサイズと変わらない場合もあり、もはやここは大きな比較にはなりません。
印刷耐性も理論上はA4程度の大きさならフルサイズと比較しても、人の目の解像能力の感度では差になりません。これも最後に紹介する動画内で詳しく解説しています。
フルサイズの高画素機(6000万画素)では、もちろん画素数に比例して写真一枚あたりの容量が大きくなります。すなわち撮影データを保存するパソコンなり、外部記憶デバイスへの記憶容量が必要になるので、フルサイズの高画素機はそれなりに記憶デバイス(外付けHD等)の購入や準備が必要になります。
前述したとおり自分は沢山撮って失敗することが上達の一つと考えているので、APS-Cモデルの画素数で負担を軽くしたいと思っています。
しかしメーカーや機器によって一概にAPS-Cモデルが画素数が少ないとは言いがたいので、事前によく調べて下さい。(SONYの場合、フルサイズでも高感度モデルのα7sなどは画素数は最新のAPS-Cモデルより少ない(1400万画素)です。CanonのAPS-Cモデルは3000万画素)

同じセンサーサイズ(フルサイズ)で画素数が少ない=1ピクセルの面積が大きい場合、光の受光単位を大きくすることで少ない光での感度を上げています。ここからも画素数が大きい方が綺麗な写真である、とは一概にいえないことが伺えます。おそらく説明が明瞭でないので、詳しい情報は検索してみて下さい。


6 ぼけない?

両者を比較した場合、ぼけ(国際語になっているBokeh)の量はAPS-Cやマイクロフォーサーズは劣ります。しかしボケとはセンサーサイズの違いと併せて対象物と背景の距離に関係するモノなので、ボケを大きくしたければ背景が主題に対して離れる位置に移動する工夫が出来れば自由自在に操れます。「ぼけない」といわれるのは、同じ条件で同じ画角で撮影すれば「ボケ量が劣る」というもので、実際の撮影環境においてはボケさせるための理論の理解や技術が必要になります。これもテクニック向上の一つとなります。

↓100万円フルサイズセットと10万円APS-Cキットレンズの比較です。これが絶対ではありませんが、一つの参考にして下さい!


7 価格

言わずもがな、APS-C、マイクロフォーサーズが圧倒的に安いですね。最新モデルで比較すると、2倍前後(マイクロフォーサーズはさらに安い)でしょうか?
フルサイズ中古という手もあるので、安く手に入れる手段はあります(APS-C中古ならさらに安いんですが💦)。
初心者が一つ二つ前の世代のフルサイズモデルを購入するという手も悪くないですね。ただしレンズがフルサイズ用縛りになります。(注 : α7Cはオートクロップ機能があり、APS-Cレンズを装着すると自動的にクロップしてくれるのでAPS-Cレンズが使用できますが、画角と画素数は落ちます)
これも中古やサードパーティーレンズ(タムロン、シグマ等)のフルサイズ用を買うという手もありますね。ただし前述したように同じ焦点距離換算では比較すると重く大きくなります。


8 レンズのメリット


私の少ない経験からの「良い写真」の要素とは 
「技術 >> レンズ性能 > カメラ性能」
と考えています。カメラ性能とはいまやどのカメラも数世代前でもよく撮れます。動きモノを捕らえるAF性能とか、悪条件での撮影耐性の向上は技術の進歩で最新モデルが向上していますが、いわゆる一般的な条件での撮影ではカメラ差がどれほど出るかは?です。色々なアマチュアの写真を見比べると、綺麗に取る人は沢山いて、それはそれで良いのですが、印象的な写真、カット、は撮影テクニックに由来するので自分はそういうモノを目指したい、その上にカメラ性能が乗っかると良いかなと考えています。ここは自己満足の視点なので今回の主題に照らし合わせて聞き流してもらって良いのですが、写真撮影が上手くなりたいという個人的な目標があるからです。

そこで自分はカメラよりもレンズを優先させたいと思っていて、フルサイズ用の良いレンズに投資したくて安い機器本体(APS-C)」を選んだという理由が一つあります。
APS-Cにはフルサイズレンズが搭載可能です。なので今後フルサイズへステップアップしてもレンズはそのまま使えるわけです。APS-CのメリットとしてAPS-C用レンズは軽量で安価というメリットがあるので、そこも使いつつ、用途によって最高級レンズを使用する、そしてその違いを感じる、ということを試してみたいのです。
ちなみにAPS-Cモデルでフルサイズレンズを使うと、前述した1,5倍クロップされる現象により、レンズの美味しい中央部分だけを使うので、フルサイズとは又違った印象で撮影できる違いもあります。
SONYでいうと最高峰のGMレンズは絶対使いたくて、もうどのレンズを買うか決めています。お金が貯まるのが待ち遠しいです!!

このようにレンズ選択の幅が広がるのはAPS-C機の優位点、楽しさと考えます。

9 富士フイルムというメーカーの立ち位置

ご存じの有名どころ、「富士フイルム」ですが、機器のラインナップにフルサイズがありません。フルサイズの上の「中版」というクラスでのプロ向け上位機種はあるのですが、各メーカー特色があって面白いです。
望遠域では有利であったり、風景写真はAPS-Cモデルが良いというプロもいます。フルサイズへのステップアップなしにAPS-C縛りで考えるのだったら富士フイルムも良いですね!


いかがだったでしょうか?
あくまで初心者的解説なので、間違っている部分や補足があればどしどしコメント下さい。初心者の方々のカメラ選びの参考になるはずです。上級者の先輩の方々、よろしくお願いします!

車の例えで、自分は「スカイラインGTR」をいきなり買うのではなく、「ユーノスロードスター」で風を切りながら低速でも走ることを楽しむ選択をしました。今後これがきっかけで車本来の運動性能を追求したくなれば、サーキットに行ってスカイラインを走らせるかもしれませんし、両方を堪能するかもしれません。
そんなお話でした。

最後に自分の好きなYouTubeチャンネル「カメラ部TV」を紹介します。
元カメラ開発者が技術的な要素を的確に理論に基づいて解説してくれます。すこし難しい用語や表現もありますが、開発者ならではの視点や理論が学べるので、個人的には楽しんでいます。上記で解説したことと一部重複しますが、より的確に解説してくれています。

どうか皆様の良いカメラライフを!
Bonne PHOTO !!


おまけ1
自分の例で解説しましたが、自分はSONY以外、そしてマイクロフォーサーズの機種に詳しくないので以下参考です


おまけ2
能書きを述べた初心者がどの程度のモノなのか最後に裸になります、はい。13年前のNEX5というAPS-Cモデルで撮影した写真たち、発展途上の身でございます!!

アビアントゥ!À bientôt !!
See you !!
又お目にかかりましょう!

この記事が参加している募集

カメラのたのしみ方

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?