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まわりくどい             ――画像しりとりはじめました(#213)

(#212) 悪魔→「ま」→ まわりくどい ―――――――(10,629字)


――そういえば、昨日見に行くって言ってた
北海道日本ハムファイターズ vs 東北楽天ゴールデンイーグルスの試合、どうだった?


……いや、そこ

日ハムが勝った

でいいぢゃん……💦💦


「わしほー🦅\(^o^)/」
……でおなじみ (?) のゴールデンイーグルスだけに( ̄∀ ̄)……って、

わしの負けだす

――は、さすがに表現がまわりくどい。
たぶんコイツ、私みたいに相当ひねくれた性格なんやろなぁ……( ̄o ̄)💦

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「なんかさぁ、パテレの抽選、当たってたよ」

と、降ってわいた幸運とけっこうな皮肉がないまぜになったような報告を妹から受けたのは、6月に入ってすぐ……くらいの頃だったと思う。

プロ野球好き、特にパシフィック・リーグ好きのワタクシ、プロ野球を視聴するに際しては、「パ・リーグTV」という月額課金制のチャンネルを主に利用している。

2023年シーズン開幕前に、そのチャンネル登録会員限定のプレゼント企画として、✨パ・リーグ各球団のホーム球場の公式試合へ無料招待✨というキャンペーンがパリーグTV――通称パテレ――のバナーに表示されているのをたまたま見かけた。

抽選で20000組ということだったが、特にその手のクジ運というものが乏しい私はいつもなら、ふーん、そんなんあるんや(・_・)――でスルーが定番だ。

が、今回はいつもとはちょっと事情が違った。
私が贔屓にしている地元球団・北海道日本ハムファイターズの本拠地は、今年から念願の自前スタヂアム、「ES CON FIELD HOKKAIDOエスコンフィールド北海道」に生まれ変わるからだ。

新装開店1年目のスタヂアム、しかも試合以外にも見どころ満載と前評判の高い球場なだけに、ちょっと実際に見てみたい――
という願望はあったので、まあダメもとで^m^、と思いエントリーだけはしてみたのだった。

そして、そのダメ元がまさかの当選。

あらま(・_・)

普通なら素直に喜び、なんだったら任天堂Switchをもらった子どものようにオーバーリアクションで飛び跳ねて欣喜雀躍🎵

(1分05秒)

――といきたいところでもあったが、当時の私はいささか事情が複雑で、素直に喜べない理由があった。

パテレのキャンペーンにエントリーした後の5月に目の手術を受け、その結果、視界がまっくろくろすけになる――
ありていに言えば失明状態に陥ってしまったからだ。

幸いなことに、人生2度目となる完全失明ブラインド生活突入後から十日間かそこいらで、めしいた右眼が奇跡的にその視界をほんの少しだけ取り戻したが、
その後も、もともと発熱マニアwみたいな生来の病質が本領発揮し、キャリアハイの41.6℃に迫る41.2℃という大台の高熱が飛び出して危篤状態に突入する等、
ここまでシブとく生き永らえてきたこの人生もいよいよ店じまいかな……
( ̄∀ ̄)💦
半ばそう覚悟を決めていたところでの

「なんかさぁ、パテレの抽選、当たってたよ」

――だった。

完全失明状態まっくろくろすけ生活突入後、妹には私のPCに入る定期的なメールのチェック等をお願いしていたのだが、そんな折に舞い込んだ✨ラッキー✨は、彼女にしても私に伝えるべきかどうか、正直迷ったらしい。

実際、エントリーしていたことすら忘れていた私の耳に届いた不意の朗報にも、自分の状態を考えたら

「なんと。マジかいw いいよ、代わりにダンナと二人で行っといでよ🎵」

と、妹夫婦にそのペアチケットを譲る以外の選択肢はなかった。

しかし妹は、

「でもね、見たらこれ10試合くらいの中から選べるみたいだし、一番早いのは6月だけど、一番遅いのは9月の試合もあるわ。
せっかく当たったんだからさぁ。もう少し待ってみて、もっと体調良くなったらさ、きっと行けるよ」

そう言ってくれたのだった。

確かに彼女の言うとおり、自分が今後どうなるかは分からないし、せっかく当たった僥倖を諦めるのは時期尚早か。
ここはひとつ、妹の勧めに応じて自分が行けるという前提で話を進めてみるとしよう。
まあ、その時になってやっぱりダメなら、妹夫婦に行ってもらえばいいだけの話だ^m^

そんなワケで日程調整を開始する。
自分の現状を考えると日程はなるべく先に延ばしたいところだが、9月の下旬ともなれば北海道はそろそろ夜は冷え込む時期でもある、そんなこんなを加味しつつ、アテンドする妹のすけぢうる等も踏まえたうえで、とりあえずXデーを

8月22日 (火) の対東北楽天ゴールデンイーグルス戦

と定めチケットを調達してもらったのだった。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

そして、ついにその日が来た。

幸いにして、私自身の体調は一進一退少女隊を繰り返しながら、どうにか短時間の外出許可をもらえるくらいまでには回復していた。
18:00開始の3時間ゲーム、行き帰りを含めたら4~5時間というタイムスケジュールが果たして短時間なのか? という素朴な疑問はあるが、とにもかくにも出陣許可は下りた(o^-')b♪

5月に入ってすぐ入院→手術→三途の川の手前でリターン→引き続き入院……というイン・ザ・ホスピタルがほぼ4か月続いていたので、病院外へ出ること自体も4か月ぶりということになる。

久方ぶりの外界げかい
妹が運転する軽自動車の助手席から徐々に近づいてくるエスコンフィールドの姿にドキがムネムネし、
エスコンに着いて駐車場から外に出た時は、えも言われぬ爽快感と緊張感とがごちゃ混ぜになって身体全体を包んでいた。

開場を待つ人々の塊を遠目に見ながら、
あぁシャバに戻ってきたんやなぁ……
そんな感慨に浸りつつ、その人々の群れの最後尾へと溶け込んでいく。

3塁側のゲートからエスコンフィールドの中に入り、人の波に流されるように進むと、ほどなくしてM L Bメジャーリーグベースボールに活躍の場を移したファイターズOBのレジェンド二人の巨大な肖像が見えてきた。

Tower11タワーイレブン
レフトポール際に隣接する5階建ての複合型施設で、1階部分の壁には、
ダルビッシュ有に大谷翔平という、ともにファイターズの背番号11を背負ったメジャーリーガーの巨大な壁画が描かれていて、訪れる者の多くがここでスマホをパシャパシャやり始めることで知られている^m^

無論、私も右にならえだ( ̄∀ ̄)🎵←ミーハーなヤーツ

……ただ、多少マシになったとはいえ、失明明けの私の右眼がカバーできている視界はごく限定的であり、人ごみの流れから少し離れたところに退避してシャッターチャンスを狙うも、どうにもうまいことピントが合わない。
仕方ないので、もうテキトーにヤマさんの勘で何枚か撮ってみたのだが、
案の定、ピントのズレたものや画角が斜めになってるもの、挙句、どこの誰とも分からないファイターズ帽を被ったおばちゃんの後頭部のドアップが画面いっぱいに写ってたりする始末( ̄д ̄)💦

失敗写真の山の中でも一番マシなのがこれ💦
フッ……プライバシーに配慮したモザイク処理が要らないくらいにブレまくってるやないかい……
なお、画面端っこに写っているのは名前も知らぬどこぞのイーグルスファンのお方
もしもプライバシーの侵害に当たるようでしたら、ご連絡くださいm(__)m

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

公式グッズショップで父への土産 (ポテトスティック塩バター風味) を買い、そのままの流れでひとまず観客席に落ち着いた。
8月の試合を6月の頭に選んでいるので、席は正直選び放題であったが、ライトスタンドの手前に位置するブルペンで登板に備えるリリー夫人……もとい、リリーフ陣を見たい☆ということで、
2階内野席の一番ライトポール寄りの席 (Sec. 211C 3列10番、11番) をチョイスした。

着席してすぐ気づいたのは、

存外にブルペンの様子が見えない(・_・)💦

上記のような平面図ではブルペンが丸見えみたいな雰囲気なのだが、実際には内野2階席の高さが災いして、ブルペンの殆どが死角に入ってしまうのだ(*´Д`)💦
着席状態からかろうじて見えるのは、端っこの壁に寄りかかって投手陣を見つめる投手ピッチングコーチくらいなものだ(;^_^A💦
私はそこまで加藤武治 (*1) フリークというワケではないw

*1:加藤武治:北海道日本ハムファイターズの一軍投手コーチの一人で、ブルペンを担当している。

これだったら、もちっと内野に近い席にすればよかったか……と一瞬後悔しかけたが、グラウンドに目を移すと――👀✨

近い。グラウンドが近いっ!( ゚Д゚)!

考えてみれば、直近数年レベルでは、プロ野球を現地観戦したのは札幌ドームばかりだ。

ファウルゾーンがアホかと言わんばかりに広く
フェンスの高さがアホかと言わんばかりに高く
結果、観客とグラウンド上の選手たちとの距離が絶対アホやろ、て言いたくなるくらい遠いのが観客レベルでの札幌ドーム最大の欠点である。
(※ 個人の感想です)

その絶望的な距離感に慣れてしまった身には、エスコンフィールドのグラウンドはあまりにも近い。
札幌ドームだと、肉眼では外野を歩いてるBBをセギノールと見間違えるくらいに豆粒大だった選手たちも、
(※ 個人の感想です)
エスコンでは、外野でアップをしているイーグルスの選手たちの動きがハッキリと分かる。

BB (左)とセギノール(右)

いやあ、来て良かった。
試合が始まる前からちょっとした感動を覚えた野球バカは、
試合が始まる前から半ば満足感と、意味不明な達成感すら感じていた。
(安上がりなヤーツ( ̄∀ ̄)

まあ、大方のプロ野球ファンの関心事というのは、何といっても贔屓チームの勝利🏆✨
これに勝るものはない。

勿論、私も贔屓チームが試合に勝ってくれたらそりゃあ嬉しいに決まっている。
ただ、私個人としては、その試合の中で、これぞプロ!と唸らせるようなプレイが見られたら、ワリとそれだけで満足しちゃう質だったりもする。

要は、野球そのものが好きなのだ。

だから、札幌ドームなんかとは比べ物にならないくらいの臨場感が味わえるであろうこの環境☆そのものに、快哉を叫ばずにはいられないのである。

さらに言えば、今宵の目的はエスコンフィールドでの初めての野球観戦だけではない。

七つ星横丁のグルメを堪能する

これが本日もうひとつの目的、いや、ヘタすりゃこっちがメインのミッションといっても過言ではない^m^←「野球が好きなのだ」はどうした

エスコンフィールドの基本構造は、野球がプレイできるフィールドを三層の観客席――
3階……スターレベル
2階……メインレベル
1階……フィールドレベル

とその周りを囲うように走る三層のコンコースで構成されている。
2階メインレベルの3塁側コンコースには、全国の有名店10軒が出店して軒を連ねる通称「七つ星横丁」を始めとして、多数の飲食店がコンコースを取り巻いているのだ。

無論、それは2階だけにとどまらない。
1階フィールドレベルに15軒、
3階スターレベルに12軒、
バックスクリーン奥にデンと構えるクラフトビール醸造レストラン「そらとしば」を含めると、エスコンフィールド全体で約50軒もの飲食店が、球場を訪れたファンの胃袋を満たしてくれる(*´▽`*)🎵

あまりの選択肢の多さに、これはお店を選ぶだけでもひと苦労やな……
そうたじろいでしまいそうなところだが、
試合観戦いざ出陣の1週間ほど前に、妹から
エスコンフィールド北海道 GOURMET GUIDEグルメガイド  vol.2
なる小冊子を手渡された。

小冊子とはいっても、ボリューム的にはA5版の46頁、
これはもはや小冊子というよりも、ほぼ「地球の歩き方」ならぬ「エスコンの歩き方」みたいなものだ。

「これで予習しといて」
そういって手渡されたグルメガイドに目を通すと、各店舗のオススメのメニューや、選手とのコラボグルメ等が満載☆

これはいいな♪
おっ☆これは美味しそうだ(≧▽≦)
いやいや、これも良さげやん(*´▽`*)🎵

――あっという間に、小冊子には付箋がベタベタと貼られまくり、気がつけば、試験のポイントが絞れないヘタクソな受験生が持ってる参考書みたいな惨状となっていた。

いずれにせよ、「エスコングルメを堪能する」という「保険」がある分、試合は負けてもまあドンマイ^m^……てトコだよね(≧▽≦)

あくまで呑気な二人組だ。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

野球に詳しい方は当然のように、また、そこまで野球に詳しくない方でも、とりあえず現状のファイターズが

めっちゃ弱い

という認識はお持ちのことだろうと思う( ̄∀ ̄)

今宵の対戦相手となる東北楽天ゴールデンイーグルスとも、ここまで
7勝11敗の負け越し4つと分が悪い。
―――ま、今のファイターズにとって分がいいチームなんてそもそもないけどね( ̄∀ ̄)💦

で、予告先発で発表されている今宵の相手は早川隆久投手。
3年前のドラフトで1位指名を受けた左腕サウスポーである。
ここまで過去2年間のファイターズとの対戦成績は2021、2022年の計8試合で
4勝4敗、防御率2.87の五分。
対戦成績自体は決して悪くはないのだが、個人的な肌感覚としてはなんかやられっぱなし(>_<)……というイメージがある。

改めて調べてみたところ、負けている試合はまあまあグウの音も出ないくらいに牛耳られており、ファイターズが勝っている4試合にしても、
直近から

5回2失点
5回2失点
6回3失点
5回4失点

――と、4点以上取っている試合が1試合しかない。
早川投手自体を打ち崩して勝っているというよりは、味方投手陣がしっかり抑えてくれたから勝てている、そんなイメージだ。

対戦防御率は2.87と、ざっくり言えば1試合平均3点近く取れているわけだから、その点ではさほど苦手意識を持つほどでもないのかなぁ……と思いきや、そこもよくよく調べてみると、
WHIP (*2) が 0.96

うっ……(・_・)💦 めっちゃ抑えられとるやん……💦
なるほど、自分の中の肌感覚は強ち間違ってはいなかったということなのだろう。

*2:WHIPSエスっ気たっぷりの女王様が手にしている得物のことではない。
"Walks plus Hits per Inning Pitched" の略であり、具体的には
与四球数+被安打数÷投球回数」で導き出される数値のことを指す。
要するに「1イニングでどれくらいのランナーを出したのか」ということを表す指標のことで、ざっくり言えば1イニングに1人ランナーを出せば、WHIPは1.00 ということになる。この指標が1を切るとなると、相当に安定したピッチングが期待できる投手という見方ができる。

ちなみに、今年 (2023年) はまだ対戦が1回しかなく、それもつい2週間ほど前の7月25日が今シーズンの初対戦で、その時は

6回 1失点、被安打6、与四球1、奪三振6

で、試合も1vs3で敗戦、
初回の浅村栄斗に食らった2ランだけの7回2失点に抑えた加藤貴之の好投を、いつものように見殺しにしている。

そして、奇しくも (*3) 、今宵もその早川隆久vs加藤貴之という2週間前と同じ先発投手のマッチアップだ。

*3:奇しくも:まあ、現在のNPBでは、どのチームも大概が中6日のローテーションで先発投手を組んでいるので、何事もなければ2週間前の同じ曜日に投げ合った二人なら、「奇しくも」も何も、そりゃあフツーに再戦するというものだ。

はっはっは。
……何だろう、悪い予感しかしない^m^💦💦

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

ところが、いざフタを開けてみると、意外なまでにファイターズ打線が初回から元気だ。

1死後、背中がローマ字12字 (KAMIKAWABATA) とたいそうギッチギチな上川畑大悟が2塁打で出塁すると、
ここから、
アリエル・マルティネス
清宮幸太郎
と連続のタイムリー2塁打が飛び出して幸先よく2点を先制\(^o^)/🎉

さらに、本日は指名打者として起用されている郡司裕也
6月に中日ドラゴンズから交換トレードで移籍してきたばかりの選手だが、中日時代は発揮できていなかったセールスポイントのバッティングをいかんなく発揮しここまで .299の好打率、さらに先日は福岡ソフトバンクホークスのベテラン和田毅から、プロ初ホームランを放ってたりする(o^-')b♪。

なお、郡司は、仙台育英高等学校から慶應義塾大学を経てドラゴンズ入りという経歴を持つ「慶應ボーイ」であり、
プロ初アーチを放った対戦相手の和田毅は早稲田大学出身。
やはり、「早慶対決」だと慶應ボーイの血が騒ぐのか( ̄∀ ̄)🎵

それでいうなら、今宵の対戦相手の早川隆久も早稲田大学出身だぞ。
同じように打っちゃえ、打っちゃえ(≧▽≦)――

ぐんぐん郡司は、早稲田の投手が好き^m^

なーんて思ってたら、なんと、左中間スタンドへのプロ入り第2号ツーランが飛び出した\(^o^)/🎉
まぢか (笑)

まさかまさかのファイターズ、初回に4得点。

東北楽天 0
日本ハム 4

これって、ひょっとしたら今日はいい感じなのか?(*´▽`*)

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

野球観戦の醍醐味のひとつは、球場で出逢えるファン同士の横のつながりも挙げられると思う。
ボックス席 (*2) にでも陣取らない限り、前後左右には同じように試合を観戦するファンが座っているわけで、同じチームを応援して一喜一憂を共有する――
これもまた楽しい(⌒⌒)🎵

*2:ボックス席:エスコンフィールド北海道には、通常の観客席の他に、
4人掛けのテーブルでコカ・コーラのソフトドリンク飲み放題というコカ・コーラシート
5人組、7人組用のプライベート空間が確保されたリポビタンDプライベートボックス
愛犬と一緒に野球観戦が可能というユニ・チャームマナーウェアドッグスイート等々、
多彩なボックスシートが用意されている。より詳細な情報は、脚注1.を参照されたし。

実際、この日も私と妹が座る一列前で、若いOLか大学生か、て感じの女性2人が、その横に座っていたやや高齢のご婦人2人組に、
よかったらこれどうぞ♪
と、応援グッズ (ツインスティック) を手渡していた。
微笑ましすぎゆ✨(*´▽`*)✨

私と妹が座っている席は、幸か不幸か、両隣は空席だった(・_・)💦
もっとも、妹側の隣は空席の一席が列の端の席というポジションではあったのだが……。

2回表が始まった頃、その端っこの空席に細身で若いサラリーマン風の男性が着席した。会社帰りか何かで試合開始には間に合わなかった、そんな感じだろうか。

横目でチラ見した印象では、年の頃は20代後半から30代といったところ。ややおとなしめというか物静かな雰囲気の人だが、着席するや鞄からツインスティックを取り出して応援態勢に入っているので、とりあえずそこそこ以上のファンには違いないだろう。
もっとも、そうでなければ一人で球場にまで足を運ぶこともそうはないだろうし。

そんなこんなで2回ウラのファイターズの攻撃。
バッターは妹がワリとマジで推している江越大賀えごしたいが
彼女曰く「俺たちの江越」(笑)。

「今日はバットに当たるかな?(≧▽≦) どうかな?」

などと、応援してるのかおちょくってるのか、にわかには判別つかないような失礼な物言いで私に問いかけてくる。ただ、そのセリフは、むしろ私もそう聞きたいくらいの素朴な疑問だ。

昨年オフに阪神タイガースから移籍してきた江越は、こと守備と走塁に関しては実に素晴らしいものを持っている。打撃に関しても、天性の飛距離を持つ長距離砲だ。
……ただし、バットに当たれば、の話だが( ̄∀ ̄)

そう、この江越大賀、とにかく

バットにボールが当たらないのだ!

もちろん、全く当たらないということはない。ここまでで今季すでに5本のホームランを放っているくらいなのだから。
ただ、プロ野球を見続けて40数年、私はこれほどまでにど真ん中周辺の真っ直ぐを空振りし続けるバッターを見たことがない。

名作野球漫画『ドカベン』のキャラクターに、くそボールは百発百中で打てるがど真ん中は全く打てない岩鬼正美という人物がいるが、江越はまさにその岩鬼を地でイケる唯一無二の野球選手だとすら思う。

そんな江越が、今日も軽快に初球の真っすぐを空振りした後くらいに、さらなる衝撃が私と妹を戦慄させた。

我らの左手後方、3階スターレベルの一塁側に陣取っているファイターズ応援団・通称「闘将会」の皆さんが、応援コールを演奏しだした、まさにその時――

行けぇ~それ行け~♪
打てぇ~それ打て~♪
走れぇ~ここで輝け Let’s Go FIGHTERS!!
かっとばせぇ、江越ぃ!!

それまで一言も言葉を発していなかった右隣りの若きサラリーマンが、いきなりフルボリュームで江越の応援歌を絶唱しだしたのだ!( ゚Д゚)!

なんだなんだなんだ!?😲🤪😱💦

思わず顔を見合わせる妹と私。
が、その横に座する若き応援隊長は、戸惑う隣人などどこ吹く風で、熱狂的なエールを「俺たちの江越」に送り続けている。
席から立ち上がりこそしていないが、コールに合わせてスティックを振りかざすその姿は、ある意味、ファンの鑑とも讃えるべきだろう。

駄菓子菓子だがしかしっ!

「闘将会」の皆さんが応援を繰り広げているその周辺一帯ならまだしも、ここは2階メインレベルのライトポール際。
ナイスプレーや自軍のヒットにスティックや手を叩いて歓声を上げることはあっても、それ以外で大声を出すことは、基本的に――ない✋

実際、この界隈で応援コールを大声で叫んでいるのは、隣りにいるスーツ姿のサラリーマンの彼だけであり、そのコールがどれだけ続いても、周囲が触発されてそれに続く……などということもない。
そのおとなしさが北海道民の「県民性」でもあるからだ(笑)。

だが、若き「応援団長」の魂の叫びはなおも続く。
孤立無援という四字熟語など知らんとばかりに、なおも叫び続ける。

想い~かき 郷里の地で
歩み進~めろぉ~♪
寅威とらい戦い挑み
攻守で導けぇ~♪
かっとばせぇ、伏見ぃ!!

あぁ……
汎用テーマの江越だけぢゃなく、オリジナルテーマの伏見までしっかり諳んじとるわ (笑)

ガチだ。この人、ガチだ!( ゚Д゚)!

そして、私の予想どおり、彼の応援コールはその後も打席に立つ選手たちに順次続き、その日のスタメン全員分をきっちりしっかり網羅していた。

……世の中って、まだまだ広いな(・_・)。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

さて、試合は進み5回ウラのファイターズの攻撃。
この回も先頭の伏見寅威マッマがヒットで出塁すると、1死後、上川畑大悟が四球を選び、1死一・二塁。
初回以来となる得点圏のチャンス到来だ\(^o^)/

そして、個人的にヒソカに楽しみにしていたファイターズのチャンステーマが満を持して高らかに球場にこだまする(*´꒳`*)✨

(7分31秒)

Let's Goレッツゴー ファイターズ!!

かっとばせぇマルティネス!
かっとばせぇマルティネス!
ウゥ~~ウェイ!!

がんばれ僕らのファイターズ 走れ速く
がんばれ僕らのファイターズ 決めろ早く

――からの 

(男性やろうどもの声) 打ってぇ~打ってぇ マルティネス!
(女性ギャルずの声) 打ってぇ~打ってぇ マルティネス!
(みんな一緒に) 今だチャンスだマルティネス!

ワタクシ、個人的にこの男性パート、女性パートが分かれ、最後はみんな一緒に「今だチャンスだ○○!」の部分が大好き(*´▽`*)🎵

かっとばせぇ~マルティネス!!
かっとばせぇ~マルティネス!!

――が、私とその隣に座する妹は、今宵、衝撃的な事実を初めて知ることとなった。

我ら2人の隣で孤独な一人応援団を続けている例の若きリーマン氏、当然のごとくこのチャンステーマにも大声を張り上げて懸命の応援を繰り広げているのだが、
ウゥ~~ウェイ!! の後、

がんばれ僕らのファイターズ 走れ速く
がんばれ僕らのファイターズ 決めろ早く

↑ ↑ ココ!! ↑ ↑

正直、ここの部分の細かい歌詞なんて今日初めて知ったレベルだったが
(だって、スタヂアムでの観戦はこれまで数多く経験してるけど、こんな間近に「応援団」がいることなんて初めてだもの^m^)

ここの「譜割」がこんなにキッツキツだったとは……(≧▽≦)💦💦
ちなみに、実際の譜割はこんな感じ👇👇

(0分52秒)

少年隊の『仮面舞踏会』の2番
〽Baby, come on, don't stop the music
なんてチャンチャラおかしいくらいに「譜割」がキツい

映画『STREETS OF FIRE』の主題歌『NOWHERE FAST』のAメロの後半の一番キツいトコといい勝負、いや、ヘタすりゃそれをもしのぐくらいに「譜割」がキツい!!←例えがマニアックすぎる……(・_・)

(6分03秒)

それを、このミスターリーマンは何の躊躇も澱みもなく、シャッキシャキの滑舌の良さで、

がんばれ僕らのファイターズ 走れ速く
がんばれ僕らのファイターズ 決めろ早く

と大絶唱しているのだ!
(今にして思えばこっそり録音しておくべきだったか……と悔やむくらいに見事な滑舌だった(*´▽`*)🎵)

……いや、どんだけ歌い慣れてるのよ(・_・)


なお、我々2人が彼の圧巻のパフォーマンスに圧倒されている間に、
マルティネスは一塁ファーストファウルフライ
清宮幸太郎は二塁セカンドゴロ
に倒れ、
ファイターズはまたしても追加点を奪うことができず、
3イニング連続で先頭打者が出塁してるのに無得点
という、いつも見慣れてる拙攻を繰り返している(;^_^A💦

東北楽天 001 01
日本ハム 400 00

前半戦の5回を終了して4vs2。
2点リードしているとはいえ、ファイターズは初回に打線爆発した時あるあるで、いつものようにそれ以降追加点を奪えず、
そうこうしているうちにイーグルスは3回に1点、5回に1点とじわりじわりとその点差を詰めてくる――

ん~~嫌な予感しかしねぇ( ̄~ ̄)💦💦


6回表のイーグルスの攻撃は、簡単に2アウトをとってからカトちゃんが連打を許し2死一・二塁のピンチに、この日2打数2安打と当たっている小深田大翔!( ゚Д゚)!

ん~~嫌な…… (以下略)

しかし、ここはカトちゃんが小深田を右中間寄りのライトフライに打ち取り(ていうか、小深田の打ち損じっぽかったが^m^💦) 事なきを得た( ̄o ̄)

「これさぁ……終盤ひっくり返されるいつもの流れだよね」

妹がボソッと縁起でもない不吉な言霊を口にした。
いや、ワシもそう思う(・_・)……でも、それは言わない約束よ……💦
だって言霊ってあるやん💦

そんな不穏なムード漂う6回ウラ。
先頭の万波がサクッとあっさり倒れ、ますますイーグルスへの流れが加速してる気がしてならない。

初回こそまさかの4失点を喫したものの、先発の早川隆久は、なんだかんだでここまで5イニングをその4失点に抑え、ある意味試合を壊さずに作れている。今までの対戦成績の相性はやはり嘘をつかないのか……

続く郡司裕也の初球――

ぐっ、郡司っ!( ̄∀ ̄)!

エスコンフィールドが大歓声に湧いた!\(^o^)/

郡司裕也のこの日2本目のホームランが、弾丸ライナーでレフトポール横の巨大な壁を直撃したのだ。

……キミ、どんだけ早稲田に対抗意識燃やしとんねん^m^

「宿命の早慶対決」かどうかはともかく、試合の流れを考えるうえで、この一発は本当に貴重な一撃だ。
2回以降、じわりじわりとイーグルスに傾きかけていった流れを、この一発で一気に引き戻した形になったのだから。

試合はさらに続く7回にも、楽天3番手の内星龍の暴投ワイルドピッチでファイターズがさらに1点を追加し、最終的に
6vs2でファイターズが勝利を収めることができた(o^-')b♪

東北楽天 001 010 000 2
日本ハム 400 001 10X 6

勝:加藤貴 7勝8敗
負:早川  6勝7敗
本塁打:郡司2号②、3号


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

新装開店一年目のエスコンフィールド北海道の初観戦は、幸いなことにファイターズの勝利という、なかなか「貴重なもの」を見ることができた(笑)。

個人的には、
2回表、1死二・三塁からのフランコの犠牲フライになりそうなライナー性の飛球をホームへ好返球して三塁走者をくぎ付けにした万波中正まんちゅうの抑止力☆や
7回ウラ、清宮幸太郎の反対方向への強い当たりを、レフトフェンスに激突しながらキャッチしたイーグルスのチョビ髭マスターこと阿部寿樹美技ファインプレー☆(*´▽`*)✨等、
随所にワタクシ好みのナイスプレーも見られたので、本当にもう言うことなっしんぐだ(⌒⌒)🎵

ファイターズ名物☆勝利の一丁締め
前フリの演出がど派手でたっぷりのヒーローインタビュー
トラクター風味のカートに乗ったヒーローたちの場内一周
――と、勝利ゲームならではのイベントを最後まで堪能し尽くし、少々余韻に浸りながら席を立った。

さあ、ここから先は、いよいよもうひとつのミッション☆

七つ星横丁のグルメを堪能する

――を遂行する番だ。
まあ、試合終了と同時に流れ込むファンたちとのバッティングで、七つ星横丁みたいな有名店には入れないかもしれないが、とりあえずどこかのお店で落ち着いて、エスコングルメに舌鼓を打ちながら、今宵のゲームの悦びを反芻したいものだ――

そんなウキウキ気分でコンコースに出た私たちは、試合終了後の人波の流れに乗りながら七つ星横丁を目指した。

が、その道中に垣間見えるコンコース沿いのお店の雰囲気が、なんかちょっとおもてたんと違う(・_・)

どこも店内の客はまばら、中にはお客さんがもう人っ子一人見えず店のスタッフがテーブル拭き拭き閉店準備にとりかかっているように見えるものも。

しまった ( ゚Д゚)!

試合自体はほぼ3時間、特に長時間に及ぶものではなかったが、その後の勝利イベントをフルパックで堪能し尽くしてたら、時刻は現在21時半を優に廻ったところだ。

こういう夜イベントがメインのスタジアムに付設する格好の飲食店だから、23時くらいまでは営業してる、などと勝手に思い込んでいたが、冷静に考えたら酒類メインの居酒屋やバーでもない限り、飲食店の営業時間なんて、22時終了でも十分に遅い方だ。
現状、どこかお店で落ち着いて……どころか、どのお店もラストオーダーすらとっくに終わっている時間帯ではないかいっ!(*´Д`)!

だが、後悔は決して先に立たないし、覆水も決して盆には返らない。

こうして、エスコングルメを堪能するというミッションは、まさかのお店選び以前の段階で頓挫する、という悲しい結果に終わった……(-_-;)。

閉店間際の「HOT DOG FUN」(*3) で、ホットドッグと5種ソーセージ盛りとポテトフライをテイクアウトするのが精一杯。
妹の軽 (自動車) の中で、2人並んでエスコングルメの一端を味わうにとどまる、不本意ながらそんな形になってしまったのだ。

*3:HOT DOG FUN:Tower11の1階部分にあるホックドッグ専門店。オサレなイートインスペースも多数確保されており、本来ならここでゆっくり落ち着いて……ということもしたかった……。

ホントはじっくり腰を据えて食べたかった「HOT DOG FUN」の店内

……まあ、さすがはニッポンハムグループが提供しているだけあって、ホットドッグもソーセージも、めっちゃ美味しかったけど^m^

これを教訓にして次回はグルメ堪能パートを試合前にする、若しくは
そもそも試合のない日にゆっくりエスコン内を周った方が得策かもしれない( ̄∀ ̄)

……ま、いいか。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

今宵の〆の一曲は、NORAZOノラジョで『카레カレー

もうかなり前に妹にオススメされてハマった노라조ノラジョ
スットボケたダンスとトークのチョビン (向かって左)と
パワフリャヴォイスのイケメン、イヒョクの2人組ユニットで、
チョビンのせいか (笑) コミックバンド的な扱いをされることも多いが、ヘビメタからバラードまで、とりあえずなんでもそつなくこなせる実力派だったりもする。

2017年にイヒョクが脱退して(*´Д`)💦
翌年、ウォンフムという新ボーカルに替わってたりするが……(・_・)

――で、なんで急に「カレー」なのかというと……

先日観たTBS系のバラエティ『ジョブチューン』のプロ野球選手スペシャル内での「球場飯グランプリ」において、
エスコンフィールドの「スタミナまんちゅうカレー」が✨2位🏆✨に輝いたのですよ\(^o^)/🎉

七つ星横丁に出店している「居酒屋とぽす」が提供している選手コラボの逸品で、万波中正まんちゅうは、横浜高校時代からこの店のカレーを食べていたらしい。

現在、七つ星横丁のこの店で食べられる「スタミナまんちゅうカレー」は、
カレーの上に生姜焼きが乗ってて、カレールウには北海道産生クリームが加えられてよりマイルドな辛さに(*´▽`*)🎵
食べ応え満点の様相を呈していて、値段も890円とリーズナボー✨

手許にある「エスコングルメガイド vol.2」にはなぜか載ってなかったので💦想定外だったが、次回は必ず食せねばなるまい (使命感)。

七つ星横丁の「居酒屋とぽす
しっかりとロックオンしたぞっ!

そんなこんなで、
明日も、なるべく多くの人がスポーツの冬、食欲の冬 (「なんかへんだな」(*4) ) を満喫できるような充実した一日を過ごせますよう🎿🍲

*4:なんかへんだな:具体名を挙げるとさすがに支障があるので深くは掘り下げないが、札幌ドームに20年以上苦しめられてきたことを知るファイターズファンが皮肉をこめてしばしば引用するフレーズ(笑)。


■ おまけ

今回の画像しりとり列車 (213両目) の前の車両です。タイトル「悪魔」と下のネタ画像で、なにこれ?て引っかかりを覚えた方がおられましたら、時間が許すような時にでも、覗いてみてやってください。

■ 参考・出典等

1.


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