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夢女子になった私たち

高校生の頃、「私の心の恋人はブラック・ジャックだったの!」と言う先生がいて、おお、私のような人間がほかにもいるんだと、驚きと新しみを感じたのを忘れません。あれは今でいう夢女子(ゆめじょし)だったのですね。

夢女子(ゆめじょし)という言葉はご存知でしょうか?聞き馴染みがないですか?では腐女子(ふじょし)はどうでしょう?これなら聞いたことがあるという人が、少し増えたのではないでしょうか!

夢女子とは、簡単に言えば、漫画やゲームのキャラクターと自分との関係を頭の中で妄想している人ですね?頭の中では収まりきらず、漫画、イラスト、小説などで、二次創作している人も多いです。

腐女子との違いは、こちらはシンプルにBL(ボーイズ・ラブ)好きさんです。だから、腐女子であり夢女子という人も、もちろんいらっしゃいます。

夢女子という言葉を初めて聞いたとき、えっ!この現象を定義付けて名前まで作っちゃったの?!と、私はオタク文化にかなり衝撃を受けました。すごい……ですよね?私ならそんな自分が恥ずかしくて、見えない垣根を越えられないのですが、そこを越えていくところが「好き」の力の成せる業。

私がこの夢女子の類まれなる個性と才能に気づいたのは、「腐女子のつづ井さん」というコミックエッセイがきっかけでした。

つづ井さんは文字通り腐女子であり、夢女子です。物語の中で繰り広げられるオタク文化が、他人事とは思えない面白さで!漫画・アニメに夢中になったことがある人は、そういえば子どもの頃、こんなふうにはしゃいでいたなあ~と、あの頃の"ときめき"を思い出すのではないでしょうか?

ちなみにこの作品、「第20回 文化庁メディア芸術祭」推薦作品というんだから、審査員の感性に私は手を合わせてありがとうと言いたい。

さて、私は何に分類されるのかな?と思ったら、私はただただシンプルな夢女子です。もともと夢女子の気があったわけですが、この気が覚醒してしまったのには、ちゃんときっかけがあります。それが……

乙女ゲーム!!!

いやあ、まさか自分がとは思いました。だけど、勧められてやってみたら、ハマってしまったのですね。

えっ、乙女ゲーム?って思ったでしょ?私だって最初は思いました。周りがやっているのを見て「え~ないわぁ~」と平気で言っていましたもの。それが今は「推しが尊いっっ!!」ですから、人って変わるものですね。

ところで、私にはオタク友だちがひとりいます。ゲームや夢女子の楽しみ方は、ほとんど彼女から教わりました。彼女は、漫画、アニメ、全般的に好きで、コスプレもする自称「オタク」さん。むっちゃカワイイですよ。普通にオシャレな今どきの子です。

こう書いたのも、オタクって怖いイメージがありませんでしたか?私が学生の頃は、オタクって暗い、ダサい、怖い、そんなイメージがあったのです。「電車男」なんてドラマにもなりましたが、まさにあんな感じですよね。イケてない感じ!

だけど今は、アニメもゲームも普通になって、スマホゲームのおかげでその勢いは増すばかり。昔のようなオタクのイメージはないんですよね。

乙女ゲームには、ストーリーというものがあるのですが、これがとても素敵な優しい世界なんですよね。もっと過激で人に言えないストーリーなのかと思っていましたが(そういうのもあると思いますが)普通に楽しむ分には、普通に楽しいし、そこはやっぱりゲーム。ゲームのシナリオって、素晴らしいものが多いじゃないですか。心の機微も学べて私には合っていました。

さて、ある日。私は新たなる垣根を飛び越えることにしました。何をしたって?グッズを買ってみました!!アクリルスタンドです。ラバーマスコットです。自宅のデスクの上に飾ります。すると……

もうね、尊みの塊でした!!(笑)わぁ!ようやく私のタガが外れた!!(拍手)

さっそく、オタク友だちに写真を送って報告します。

「私のデスクの上、旦那に腐ったなって言われてるw」

するとこんな返事が。

がありますね」

愛…!?愛って言った?いま言った?愛って…??

私のこのオタク行動。まさか「」と表現されるとは思わず、ここでも私は、オタク文化にかなりの衝撃を受けたのでした。

そうか。「」なのか。そう思うと、なんだか救われませんか?職場でカミングアウトしようものなら、「気持ち悪い~」なんて言われる昨今、まさか「」と言っていただけるなんて!!(もう敬語)

これってすごいことですよ。他人と異なる変わり者をスルッと存在のレベルで肯定できるって。うぅ~む、恐るべしオタク文化。まさにアートに垣根はない。すごいぞ、クール・ジャパン。

このお話。書ききれないので、続きは続編で。夢女子たちの新しい視点は、冷えきったこの日本経済を救うかもしれない(続く)

↑続編はこちら!

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