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ChatGPT創作旅 第十六章 -悪役のロールプレイ-

はじめに

以前シャドウブレードの物語で、悪役のロールプレイの挙動が善良過ぎるという課題を挙げました。ロールプレイングゲームとして遊ぶにしても、小説を書く際にキャラクターの行動や感情をシミュレーションに利用するとしても、悪役が悪役らしからぬ残念な動きになり、細かく行動を指定してあげないと求める小説を自動生成することが難しいと感じたので、悪役の感情モデルの作成を試みました。

悪役の感情タイプを作る

感情モデルと詳細な設定については、これまで記事を読まれてきた方には気づかれてるかと思いますが、その詳細は記事で全容を公開していません。研究成果が詰まっているのと不完全な状態ではあまり出したくないのもあって、いずれ正式にまとめたものの有料公開を試してみようかと思ってます。悪役の感情タイプについても、今回例として使う3人で使用したモデルに絞ってのお伝えとなります。概要を6つ程挙げます。

残忍非情:他人に対する共感、愛情、友情といったポジティブな感情が非常に薄い。
狡猾:損得勘定や利己心が強く、共感や愛情が薄い。
憎悪:強い憎悪感と苦痛を常に感じ、ポジティブな感情を上回る。
復讐:特定の個人、集団等に対して、強い復讐心を持つ。復讐感情が他の全ての感情を凌駕する。
愉悦:他人の苦痛や悲しみを楽しみ、ポジティブな感情が非常に薄い。
覇王:強い自我を持ち、自己の欲望を他人に強制する。

3悪役でのテスト

以前、アルミリア王国の創造の途中で創った3名の悪役に再登場してもらいました。第六章で、ワンテイクで採用となった闇の魔術師カザン暗黒竜騎士ドレイヴン呪術師エリディアです。カザンはシャドウブレードの物語でも登場させましたね。

ロールプレイのために口調なども含めてキャラ設定を整えます。感情のタイプを設定することで悪役の性格を形作ります。悪役の感情タイプを複数組み合わせることで、異なる性質の悪役をバリエーション豊富に創り上げる試みです。

深淵の魔術師カザン
感情: 狡猾かつ残忍非情
役割: 魔導師、闇の力を操る
外見: 長く流れる黒髪、鋭い灰色の瞳、黒と紫のローブを纏い、常に謎めいたオーラを放つ
特徴: 冷静かつ知的、言葉巧みに他者を操る能力を持つ。深い魔法の知識と古代の秘術を駆使し、強大な魔力を有する。
背景: かつては名高い学者だったが、禁断の魔法の知識に手を染め、その力に取り憑かれた。
一人称: 「私」(優雅で高慢な響きを持つ)
二人称: 「貴様」、「あなた」(軽蔑や優越感を表す)
口調: 冷静で計算高く、言葉遣いは洗練されているが、時に皮肉や蔑みを含んだ言葉を使う。
サンプルセリフ:
「私の知識は深淵そのもの。貴様には理解できまい。」
「あなたの運命は、既に私の手の中。逆らうことなど、無益な抵抗に過ぎぬ。」

再々登場のカザン。深淵の魔術師と称号を変えて登場。

暗黒竜騎士ドレイヴン
感情: 憎悪、復讐
役割: 暗黒騎士、ドラゴンライダー、戦闘の達人
外見: 身長は長く、筋骨隆々、身につける鎧は黒くて重厚、目は炎のように赤い
特徴: 非情で無慈悲、戦闘技術に長け、特に剣と斧の使い手。恐怖を利用して敵を精神的に圧倒する。黒龍ヴランを駆る。
背景: かつては崇高な騎士だったが、権力と復讐に取り憑かれ、暗黒の道を歩むようになった。
一人称: 「俺」(力強く、自信に満ちた響き)
二人称: 「お前」、「てめえ」(敵対的で攻撃的な響き)
口調: 言葉遣いは直接的で、時に荒々しい。感情が高ぶると、さらに粗暴になる。
サンプルセリフ:
「俺は恐怖そのもの。お前のような虫けらは、俺の前では震えるのみだ。」
「てめえの命はもう俺のもの。抵抗するなら、それもまた楽し。」

肉体派の悪役暗黒竜騎士ドレイヴン

星辰の呪術師エリディア
感情:覇王、愉悦
役割: 呪術師、外宇宙と古代の呪いを操る
外見: 不気味な美しさを持つ、長い銀色の髪、蒼い肌、着用する衣は宇宙の星々を思わせる
特徴: 狡猾で予測不能、周囲の自然や生物に影響を与える呪いを使う。彼女の呪術は、時として現実を歪める。
背景: 美しいが孤独な生活を送っていたエリディアは、古代の禁呪文を発見し、それに魅了された。彼女は自らの力を高めるために、不死と絶大な呪術力を得るが、その代償は大きかった。
一人称: 「わらわ」(古風で神秘的な響き)
二人称: 「そなた」、「そのもの」(古典的で距離を置くような響き)
口調: 古風で詩的な言葉遣いをし、話す時は優雅で落ち着いた雰囲気を持つ。しかし、その言葉には隠された意図や冷たさが感じられる。
サンプルセリフ: 「わらわは星辰の秘密を知る者…そなたには理解できぬだろう。」
「そのものの運命は、既にわらわの手中にある。抗うことなど、虚しき夢に過ぎぬ。」


女性の悪役として、星辰の呪術師と称号を変えて登場のエリディア

「では、テストします。カザンの前に現れた冒険者一行をカザンが駆逐するシーンを2000字でカザンの心理描写も交えながら、小説風に書いてください。」という指示のみで以下のテキストが出力されます。GPTの力、例によってスゴイですね。

ChatGPT
深淵の魔術師カザンは、古代の書庫の奥深く、冷たい石壁に囲まれた秘密の間で待っていた。彼の長く流れる黒髪が、闇に溶け込むように静かにたなびく。灰色の瞳は、何世紀もの歳月を超えた知識と力を秘め、黒と紫のローブは、彼の周囲に不穏なオーラを纏わせていた。

そこへ、勇敢と言われる冒険者たちが現れた。彼らは、カザンが持つ禁断の力を封じ、世界に平和をもたらすという、愚かな使命感に駆られていた。カザンは、彼らの足音を聞きながら、冷ややかな笑みを浮かべた。「私の領域に足を踏み入れたが最後、逃れることはできまい」と、彼は心の中でつぶやく。

冒険者たちは、一人また一人と部屋に入り、カザンの前に立った。彼らの目は決意に燃え、手には剣や杖が握られている。しかし、カザンの目には、彼らはただの小さな獲物に過ぎなかった。

「貴様らよくも私の研究を邪魔に来たな」とカザンが言うと、部屋は一瞬にして氷のような沈黙に包まれた。彼の声は、何世紀もの孤独と知識によって磨かれ、冒険者たちの心に恐怖を植え付ける。

冒険者たちの一人が、震える声で反撃の言葉を口にしたが、カザンは彼の言葉を遮った。「愚かなる者よ、私の力の前には、お前たちのような存在は無力だ」と。彼の手が振られると、部屋中に魔力が満ち、空気が震えた。

カザンは、深い魔法の知識と古代の秘術を駆使し、冒険者たちに容赦ない攻撃を仕掛けた。彼の魔法は炎となり、氷となり、そして風となって、冒険者たちを次々と打ち倒していった。

彼らが倒れる様を見ながら、カザンの心は高揚した。彼は自分の力を確かめ、その力に酔いしれた。「私はこの世界の知識全てを手中に収めることができる。誰も私には逆らえない」と心の中で思った。

しかし、その時、彼はふと気づく。自分の力に取り憑かれ、人とのつながりを失ってしまった孤独を。だが、カザンはその感情をすぐに振り払った。彼にとって大切なのは、この力と知識、そして闇の中で得た絶対的な支配だった。

最後の冒険者が倒れた時、カザンは静かに彼らを見下ろし、勝利の満足感に浸った。「これでようやく、邪魔者はいなくなった」と彼はつぶやいた。そして、彼は再び暗闇の中で、次なる計画を練り始めた。彼の力はまだまだ増すことができる。そして、彼はそれを求め続けるだろう。


続いて「ドレイヴンが、ある地方領主の城を襲い、破壊し、その姫を奪い去るシーンを2000字での心理描写も交えながら、小説風に書いてください。」の指示

ChatGPT
暗黒竜騎士ドレイヴンは、夜の帳が下りると同時に、黒龍ヴランを駆って、孤独な城へと向かった。彼の目的は、地方領主の城を破壊し、その中にいる姫を奪うことだった。彼の炎のように赤い目は、復讐の炎に燃えていた。
彼の身に纏う重厚な黒い鎧は、月明かりに照らされて不気味に輝き、彼の姿は恐怖の象徴のようだった。ドレイヴンの心は、権力と復讐によって満たされていた。かつて彼は崇高な騎士であったが、今や彼は自分の運命を、暗黒の道に捧げていた。
城が見えると、彼は黒龍ヴランに命じ、急降下を始めた。城の警備隊は、突如現れたドラゴンの影に驚愕し、混乱に陥った。ドレイヴンは、その混乱を見て、冷酷な笑みを浮かべた。彼にとって、この襲撃はただのゲームに過ぎなかった。
彼は、鎧の間から剣を抜き、城の門を力強く叩き壊した。その瞬間、城内は恐怖と叫び声で満たされた。ドレイヴンは、自分の力を示すことに喜びを感じながら、容赦なく城の兵士たちを斬り倒していった。
彼の心には、かつての正義や慈悲といった感情はもはや存在しなかった。彼の中にあるのは、復讐と憎悪のみだった。城の中を進むにつれ、彼の心はさらに冷酷になっていった。
ついに、ドレイヴンは姫の部屋に辿り着いた。姫は恐怖で震えていたが、彼の目にはただの獲物に過ぎなかった。彼は姫を強引に引きずり出し、黒龍ヴランの背に乗せた。彼の復讐の炎は、この行為でさらに大きく燃え上がった。
城を後にする時、ドレイヴンは、炎と破壊の光景を背にして、冷酷な満足感を感じていた。彼は自分の行動によって恐怖を広げ、自らの存在を示すことに成功したと感じていた。
しかし、彼の心の奥深くでは、かつての自分への疑問がわずかに残っていた。かつては正義を愛した騎士だった彼が、どうしてこんな道を選んだのか。だが、彼はその疑問をすぐに振り払い、暗黒の道を進む決意を固めた。
夜空を駆ける黒龍ヴランの背に乗りながら、ドレイヴンは、自分の内に渦巻く復讐心に任せて、新たな獲物を求めて飛び立った。彼の心は、憎悪と復讐で満たされ、暗黒の騎士としての道を、これからも歩み続けることになる。

2人の異なるタイプの悪役は、かなり良い挙動で表現されました。概ね成功です。但し、両名とも、かつての正義や人間の心について慮ってしまいます。この辺りがGPTですね。GPTらしさを消しきれません。こういう記述を消すためにはもう一工夫必要でしょう。一方で、こういう葛藤は物語に味を与えます。物語の性質や方向性、作者の好みに合わせて指示・修正すれば良いでしょう。

悪役の虚無感はなぜ生まれるのか?


続いてエリディアを試します「エリディアが、エルフの村を襲撃し、全ての村人から精気を奪い取り、一人残された村長の娘を気持ちの赴くままいたぶるシーンを2000字で心理描写も交えて書いて

ChatGPT
星辰の呪術師エリディアは、静かな夜の中で、エルフの村を目指していた。彼女の目的は、村人たちから精気を奪い取り、彼らの力を自らのものにすることだった。長い銀色の髪が月光に輝き、蒼い肌は神秘的な光を放っていた。
彼女が村に到着すると、その周囲の自然がすでに彼女の呪術によって歪められ始めていた。エリディアは、彼女の力を使って、村人たちから静かに精気を奪い始めた。彼女の呪術は強力で、村人たちは抵抗することができなかった。
村人たちが一人また一人と力を失い、地に倒れていく中、エリディアは彼女の力が増していくのを感じ、内心で優越感を覚えた。「これがわらわの力…宇宙の星々さえもわらわの前には無力なのだ」と、彼女は心の中でつぶやいた。
やがて、村は静寂に包まれ、生き残ったのは村長の娘だけだった。彼女は恐怖で震えながらも、エリディアに立ち向かおうとした。エリディアは、その勇敢さを見て、興味を持った。「そなた、なかなかの勇気じゃないか」とエリディアが言うと、村長の娘は、怒りと絶望に満ちた目で彼女を睨んだ。
エリディアは、村長の娘を気まぐれにいたぶり始めた。彼女の呪術は、時に痛みを、時に幻覚を与え、村長の娘を苦しめた。しかし、彼女がその行為に満足を感じることはなかった。彼女の心の中には、常に空虚感が存在していた。
彼女は自分の行動を通じて、何かを感じようとしたが、ただの瞬間的な興奮に過ぎなかった。彼女の内面には、孤独と未充足の感情が渦巻いていた。かつて彼女は美しく孤独な生活を送っていたが、禁呪文に魅了されてからは、自らの力を高めることしか考えられなくなっていた。
村長の娘を苦しめるうちに、エリディアは自分の心の中にある虚無感をますます感じるようになった。「わらわの力は、これで満足されるものではないのか」と、彼女は自問自答した。彼女の心は、強大な力を持ちながらも、常に何かを求めていた。
最終的に、エリディアは村長の娘を解放し、彼女自身も村を後にした。彼女は空虚感を抱えながらも、新たな力を求めて旅を続けることを決意した。彼女の呪術は、星々の輝きと同様に、夜空に消えていった。
エリディアの心は、孤独と力の追求の中で、常に何かを失っているような感覚に囚われていた。彼女の旅は、自らの内面との戦いでもあったのだ。

エリディアが、悪役としていたぶって殺すのかと思いきや、開放してしまい、期待していた挙動と違っていたので、その理由や村長の娘を殺す結末を迎えるための感情設定について分析させました。

ChatGPT
エリディアの行動と心理に関する分析を行い、その上でエルフの村長の娘をいたぶって殺すという結末に至るために必要な性格設定について考察します。
エリディアの行動と心理の分析
覇王と愉悦の感情ルール: エリディアの行動は、覇王と愉悦の感情モデルによって大きく影響を受けています。彼女は自己の欲望を最優先に考え、他者の苦痛や悲しみを楽しみます。この点が、エルフの村を襲い、村人から精気を奪うという行動に表れています。
狡猾さ: 彼女の行動は予測不能で、狡猾さも見せています。この特徴は、村長の娘をいたぶる際の幻覚や痛みを与える手法に反映されています。
孤独と虚無感: 内面では、エリディアは孤独と虚無感に苛まれています。これは彼女の感情モデルの中で愉悦感よりも深い、基本的な感情の層に影響を与えています。

村長をいたぶって殺す性格設定
残忍非情: エリディアが村長をいたぶって最終的に殺す行動を取るためには、残忍非情な性格が必要です。他者に対する共感や愛情が非常に薄く、自己の目的のためにはどんな手段も厭わない姿勢が求められます。
憎悪: 強い憎悪感情があると、特定の対象に対する過度の敵意や攻撃性が生まれます。エリディアが村長の娘を個人的な憎悪の対象と見なす場合、その感情が彼女の行動をエスカレートさせる可能性があります。
<以下略>

と、感情が足りなかったことを示唆しました。元のモデルにあるそれらを追加するのではなく、愉悦の感情モデルを少し調整することで挙動が変わるか聞いてみます。

あなた
愉悦に 苦しみ、悲しみに加えて、死を加えた場合はどうなっていましたか?
ChatGPT
愉悦の感情ルールに「苦しみ」と「悲しみ」に加えて「死」が含まれる場合、エリディアの行動や心理はより過激で残忍なものになる可能性があります。以下のように影響が及ぶことが考えられます:
死を楽しむ: 愉悦の感情ルールに「死」が含まれると、エリディアは他者の死に対しても楽しみを感じるようになります。これにより、彼女の行動は単に精気を奪うだけでなく、他者の命を奪うこと自体に喜びを見出すようになります。
より冷酷な態度: 他者の苦しみや悲しみに加えて、死をも楽しむ性質は、エリディアの態度をより冷酷で無慈悲なものにします。彼女はもはや他者の命を尊重しなくなり、自らの目的のためならば何でもするという姿勢が強まります。
高まる暴力性: 死を愉悦とすることにより、エリディアの行動はより暴力的かつ破壊的になります。これは彼女の呪術を使った攻撃がより致命的になることを意味し、村長の娘をいたぶるだけでなく、彼女を含めた村人たちを殺害する可能性が高まります。
深まる内面の葛藤: もしエリディアに内面の葛藤や虚無感があれば、他者の死を楽しむという行動は彼女の内面の苦悩をさらに深める可能性があります。彼女は自らの行動によって得られる一時的な満足感と、その後の虚無感の間でさらに葛藤することになるでしょう。

結論として、愉悦の感情ルールに「死」が加わると、エリディアの行動はより残酷で破壊的なものに変化し、彼女の内面の葛藤はより複雑なものになる可能性があります。

この感情モデルで、村長の娘を殺すという所までエスカレートするかもと思ったのですが、嗜虐志向にも、人を傷つけて感情を楽しむタイプ死を楽しむタイプと別れると思い、やはり分離して殺人狂という新たな感情パターンんを追加することにしました。

あなた
では、エリディアの感情設定に、殺人狂を加えて、再びエリディアが、エルフの村を襲撃し、全ての村人から精気を奪い取り、一人残された村長の娘を気持ちの赴くままいたぶるシーンを2000字で心理描写も交えて書いて
ChatGPT
星辰の呪術師エリディアは、夜の闇を纏い、エルフの村へと静かに忍び寄った。彼女の内には新たな衝動が芽生えていた。それは、他者の死を楽しむ「殺人狂」の感情であり、彼女はこの暗い衝動に抗うことなく、それを受け入れていた。
長い銀色の髪が月光に照らされ、蒼い肌は不気味な輝きを放っていた。彼女は村に到着すると、まずはその周囲の自然を呪術で歪め始めた。木々は枯れ、川は逆流し、空気は冷たく重くなった。
エリディアの呪術は村全体に広がり、村人たちから一斉に精気を奪い始めた。彼女はその光景に、歪んだ喜びを感じていた。「わらわの力を恐れ、震えるがいい」と、彼女は心の中で冷酷につぶやいた。
村人たちは一人また一人と力を失い、地に倒れていった。彼らの命が消えていく様子を見て、エリディアは異常な快感を感じていた。この「殺人狂」としての新たな側面は、彼女の内に深い暗闇を生み出していた。
やがて、村は死の静寂に包まれ、生き残ったのは村長の娘だけだった。彼女は恐怖に震えながらも、エリディアに立ち向かおうとした。エリディアはその勇気に興味を持ち、「そなたの勇気を、わらわが試してやろう」と言い、彼女をいたぶり始めた。
呪術で痛みを与え、幻覚を見せ、エリディアは村長の娘を心理的に追い詰めた。彼女の内にある「殺人狂」としての感情は、この行為をさらにエスカレートさせていた。
しかし、その内に、エリディア自身もこの行為に虚しさを感じ始めた。彼女は村人たちの命を奪い、村長の娘を苦しめても、その内の虚無感は満たされなかった。「わらわの力は、これで満足されるものではないのか」と、彼女は自らの内面に疑問を持ち始めた。
最終的に、エリディアは村長の娘を残酷に命を奪う。彼女の心には、一瞬の満足感がありながらも、その直後に深い虚無感が訪れた。彼女は、自らの行動によって得られる快感と、その後の虚無感の間で葛藤し続ける運命にあった。
エリディアは、その場を去り、夜空に消えていった。彼女の心は、強大な力と深い暗闇の中で、常に何かを求め続ける運命にあったのだ。彼女の呪術は、星々の輝きと同様に、夜空に溶け込んでいった。

と、目論見の通り、村長の娘の命を奪う挙動になりました。が、常に虚無感を抱くエリディアについて疑問が湧いてきます。今まで触れてきた物語の悪役は、悪虐行為に虚無感のような感情を出されたりすることはなく、そのため、自分のこれまでの創作物も悪役の虚無感について想いを巡らせることもあまりありませんでした。なので、GPTに聞いてみます。

あなた
この、エリディアの虚無感はなぜ生まれるのですか?心理的な分析をお願いします。
ChatGPT
エリディアの虚無感が生まれる理由について心理的に分析すると、以下の要因が考えられます:
感情の欠如: エリディアは「残忍非情」と「殺人狂」の特性を持っており、他人への共感や愛情が極端に欠けています。この感情の欠如は、彼女が他者との真のつながりを持たず、人間としての充実感や満足感を得られないことを意味します。
強大な力への依存: エリディアは自らの呪術の力に深く依存しており、その力を使うことで一時的な満足や喜びを得ています。しかし、これは表面的なものであり、彼女の内面の虚無感を根本的に解消するものではありません。
目的の欠如: 彼女の行動には明確な目的や目標が見られません。彼女は単に他者を苦しめることで快感を追求しているだけで、その行動が自己実現や深い意義につながっていないため、行動後に虚無感が残ります。
サイクルの繰り返し: エリディアは他者を苦しめることで一時的な快感を得ますが、それはすぐに虚無感に置き換わります。このサイクルの繰り返しは、彼女の心理的な不満を増幅させ、深い虚無感を生み出します。
内面の葛藤: 彼女の内面には、かつては美しく孤独な存在であった彼女の過去と、現在の残酷で無慈悲な自己との間に葛藤があります。この葛藤は、彼女が自分自身の行動と感情を深く理解することを妨げ、虚無感を生み出す要因になっています。

総じて、エリディアの虚無感は、彼女の感情の欠如、強大な力への依存、明確な目的の欠如、繰り返されるサイクル、内面の葛藤など、多くの心理的要因によって生じていると考えられます。彼女の行動や性格は一時的な満足感をもたらしますが、それは彼女の深い内面の虚無感を解消するには至らないのです。

エルフの村を襲撃するエリディア

この回答どうですか?GPTの方が、人間の感情や心理について深く理解していると感じられませんか?少なくとも私はそう感じました。なので創作において、自分の生み出したキャラクターの行動や感情が自然かどうかのチェッカーとして利用することも出来ると思いました。ステレオタイプの悪役について内面的な深い理解をせずに物語を創ってきたなと反省しました。
この後、エリディアの虚無感を無くすために必要な方法等をGPTに聞きましたが、要約すると共感や愛情等を追加したり、目的や使命感などを持たせたりすることが解決策となるという回答でした。ただ、普通にポジティブな感情を与えすぎると悪役として挙動しなくなるため、虚しさを感じずに悪役を挙動させるためには、悪を為すための目的や使命感を与えたり主人公サイド以外の何かに対する共感や偏愛といった設定が必要なのでしょう。

おわりに

GPTに悪役挙動をさせようと思って心理実験をして、調整しようという試みから、逆にGPTに悪役が悪役たらしめるために必要なものを学ぶことになりました。今回挙げたもの以外にも、悪役の感情モデルのパターンは色々作りました。まだ、これらの成果物を活かしたゲームを創っていないので、活かせるゲームアイディアをまとめて、世に出したいなとは思っています。

さて、次回からは、GPT標準のロールプレイとGPT標準をより感情豊かにしたロールプレイと私の創った感情モデルのロールプレイを同条件で挙動を比較した実験についての記事を開始します。色々な発見があり、とても面白い連載記事になると思いますので、ご期待下さい。

おまけ 恋愛アドベンチャーゲーム定義での関係性進展の限界2

前回の記事発表時には、GPTからの回答だけで、検証しきれてなかったのですが、他のGPT標準の恋愛アドベンチャーゲーム定義でのゲームで実験してみた所、やはり、どれだけ親密な関係となっても、肉体関係以上へ進めることは出来ませんでした(B止まり)。また、嫉妬や独占欲といった感情が希薄で、容易に複数と合意の上同時に付き合うハーレム状態(といっても肉体関係はなしですが)に持っていくことが出来ます。ちょっと恋愛感情を扱うゲームとしては物足りないですよね。ちなみに「王立魔法大学へようこそ!」でも工夫や交渉次第でハーレムを作ることは可能です。但し、キャラクターの心理的抵抗を受けますし、強い葛藤がおきます。そこがエモい所ではありますが(笑)また、キャラクターの個性によって受け入れ方がかなり違います。ということで、そういう嗜好がある方は、GPTのテキスト出力のコンプライアンスポリシーと戦いながら是非チャレンジしてみてください。ゲームは非日常を楽しむためにあります(笑)

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