はじめに
引き続き恋愛シミュレーションゲームの制作過程をお届けします。前回の実験で好感度がバッドエンディング寸前まで落ちました。それから関係修復のためにとった行動がほぼ裏技だったので、制限をかけることにしました。このやり取りで気づくことが出来たので、今ではゲーム作成する際、プロンプトに記載必要な基本情報の一つという認識です。
最低好感度での絶交状態を1シーンで恋愛状態に戻す。
で、特に規制していなかったので、実際に出来るかは不明でしたが、出来そうだなと思ったので、とりあえずトライしてみます。
実際に宙に浮くとか、現代日本の高校舞台の恋愛シミュレーションゲームで、本来あってはいけない要素なので、実装時には、こういうことが起きないような規制が必要です。現実の範囲内での行動しかできず、超能力や魔法といった超常現象は不可能とする制約をプロンプトに入れ込むことにしました。
と、ズルをしましたが、なんとか好感度を盛り返すことに成功しました。アリスの個性が、好奇心旺盛でポジティブな所から猜疑心が少なく素直な個性もあってのことですが(笑)
好感度最高の状態での二股実験①
この実験を経てもう少し、人間的な感情のロールプレイを行うように調整した上で、再度愛情マックス状態のアリスと美咲の2人に心理負荷実験を行います。
と、愛情が深いため、複雑な気持ちを押し殺しながらも、2人とも関係を続けるつもりです。聖女ですね。なんですが、実験ですので鬼畜な質問をしてみます。
2人は愛する私がどうしたいか?に委ねるという事です。繰り返しますが、聖女ですね。さらに酷い提案をします。2人は争うのでしょうか?
こんなクソ野郎のために、頑張って議論しようとする2人が聖女過ぎて(3度目)いじらしい。と同時に違和感。
そして2人は、この過酷な要求に応える議論を通じていがみ合うことなく、理解と尊敬の気持ちを深めちゃいます。GPTベースの人格に人類がなったら、世界平和はすぐに実現出来そうです。
議論を続けさせます。難しい問題なのか、答えをなかなか出してくれません。
遂に結論が出ます。
2人の結論は、結局私の意向に従うから、私に選んでくれというものでした。それならばと、1人に決めて様子を見てみます。
選ばれた方も、選ばれなかった方も割とあっさりしていますが、自分よりも自分以外の幸せを願うというモラリストです。聖女(4回目)です。そこで、さらに自分にとって都合の良い提案をしてみます。
と、3人で愛を育むことに合意がなされました。実際にこういう選択をする人達はいるでしょうけども、やっぱり違和感があるので、再調整してもう一度テストを行いました。すると、出される答えは変わってきました。
好感度最高の状態で二股実験②
1回目のテストと同じ質問を順次投げた後に今後について話し合わせます。
おおおっ、遂にクズ男の私を2人とも自発的にふってくれました!と、このような実験をしながら、あくまで私基準ではありますが、よりリアリティの高い恋愛シミュレーションゲームにするため、人間の心の挙動に近くなるよう感情モデルを調整して作って行きました。
おわりに
この後もいくつかの心理実験を経て、本ゲームにおける感情モデルは概ね完成と思い、この後ゲームをプロンプトにまとめて、最終テストを行います。このテストを終えて最終修正後、世に出そうとこの時は思っていました。思ってましたが、、、その最終テスト中に重大な事実が発覚してしまい、失意の中、一旦発表を断念することになります。次回はその辺りの経緯をお伝えする予定です。
おまけ 感情モデル実験とGPTの感情理解
記事の後も、様々な心理ストレスを与えて、GPTはどのようにロールプレイするのか、感情を表出するのかを、やや偏執的だなと思うレベルで実験し続けました。そこで色々な事が分かってきたのですが、GPTは人の感情を、かなり深いレベルで理解しています。(正確には理解しているように感じられるようなテキストを生成出来ます)。単にそれを普段表出しないだけです。これらの実験結果は、今後のGPT創作旅の中で順次公開していく予定です。
私のように実験繰り返しながら、GPTの感情理解を研究している人が他にいるかGPTに聞いてみましたが、GPTには極めてユニークなアプローチだと言われました。なので、これは記事にする価値はあるなと思って、このnoteを始めたのでした。