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EVの時代はくるのか?〜自動運転技術 第1回〜

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EVの時代はくるのか?自動運転技術 第1回
テスラってなぜすごい?

皆さん、こんにちは!
アメリカ株式義塾です。

アメリカ株式義塾では、一つのテーマを深ぼりする記事も公開しています。前回は、”銅”に特化してお話ししました。

今回の連載は”自動車”の話、特に電気自動車と自動運転の話をしようと思います。数年前まで、電気自動車、自動運転の代名詞といえば、「テスラ」でした。

しかし、世界には今、テスラの他にも数多くの電気自動車会社や自動運転技術を持っている企業が軒を連ねており、特に自動運転はAIと同じくらい、未来のトレンドになることは間違いありません。


言い換えれば、自動運転はもはや不可避な、そして不可逆的なトレンドになりました。自動車に多少なりとも関心を持っている方なら、確かに感じていることでしょう。

現在は、かなり多くの自動車で、オプションとして、またはスタンダードの仕様でも自動運転技術を搭載しており、一度でも自動運転技術が支援してくれる自動車に乗った方はもはや自動運転技術がなかった時代に戻れない!なんてところまできています。

なぜかって?やはり自動運転技術が搭載されていると、とてもだからです。
一度味わえば抜け出せないこと、それがパラダイムシフトです。自動車業界のパラダイムシフトは始まったばかりです。


ここでちょっとこんな問いを考えてみましょう。

自動運転はなぜ電気自動車の文脈でばかり語られ、ガソリン車ではなく、電気自動車に搭載されるものだと認識されているのでしょうか?

「電気自動車=自動運転」の理由

ガソリン車にだっていくらでも自動運転機能を開発して搭載することができます。それなのになぜ、電気自動車が自動運転の未来であるかのように語られてきたのでしょうか。

リチウムイオン電池が環境にやさしいからだとか、未来の産業だからとか、そんなふわっとした話は脇において考えてみると、電気自動車の究極的な意味は自動運転にあると思います。

2018年ごろ、自動運転に関して何が起きたかを覚えていますか?

その頃からテスラ(TSLA)が本格的に市場で浮上してきて、理由は分からずとも、その時期から自動運転技術を搭載した自動車が他のグローバルな自動車メーカーからも続々と登場しました。

私たちは電気自動車と自動運転をパッケージ化して一括りにして考えていたものの、厳密に考えてみると自動運転をあえて電気自動車でやらなければならない理由はありませんよね。

自動運転は、センサーやレーダー、その他の検知するための装置と精密な自動車駆動の調整システムが必要なだけなので、電気自動車だけができるというわけではありません。 ガソリン車にも自動運転機能をいくらでも搭載できますし、実際に搭載しているものもあります。

それなのに、電気自動車が自動運転技術と事実上ペアであるかのように感じられ、また常にセットで語られていると感じられるようになったのには何か理由がありそうです。

ここには聞いてみるとつい、うなずいてしまうような理由があります。

道路上では、すべてが凶器であり、時速100kmで移動することを考えたとき、これを秒速に換算すれば1秒に28mほど移動することになるのですが、これは、たった0.01秒後に30cm定規1つ分の距離ぐらい位置が変わるということです。

自動運転では道路の状況を0.01秒単位で把握し、それに合わせて時々刻々と自動車の力や方向を非常に精密に調節してくれるシステムが必要です。 0.03秒後にはアクセルを踏み、0.05秒後にはアクセルを踏む力を少し弱めて…といったようなミリ秒単位での判断と操作が求められます。

写真の出典: Google
写真の出典: Google


ガソリン車はエンジンと変速機で動きます。エンジンは基本的にシリンダー内で空気と燃料が爆発して作る力で転がり、変速機は複雑に組み合わされた歯車が噛み合って動きます。

ガソリン車に乗ったときに、おそらく1,000RPM などという表示を見たことがありますよね? 

これは、1分間にエンジンの爆発が何回行われるかを示すのですが、1,000RPMならば爆発が1分に1,000回起こるということです。エンジンで爆発が一度起こるのにおおよそ0.06秒かかると見れば良いです。


すなわち、エンジンが車輪を動かすのに0.06秒かかるというのに、0.03秒、0.05秒単位の精密な制御は可能なのでしょうか?もちろん、色々な数字を書いてプログラミングをしたりしたら可能かもしれませんが、根本的な解決にはならないでしょう。

現代のエンジン工学は、その爆発力で車輪の動きを精密に制御するレベルにまで上がってきていますが、「化学爆発で自動車を転がす」という根本的な仕組み上の限界点があるがゆえに、自動運転に必要な精密な制御をガソリン車で実現するのは反応速度の観点で少し難しいのです。


では電気自動車はどうでしょうか?
電気自動車は、バッテリーとモーターで動きます。

C3 Controls

純粋に電気の力でモーターを動かしているというのは、ガソリン車との非常に大きな違いです。 「化学爆発ではなく電気信号でモーターを回転させる」ため、正確な駆動力調整がとても簡単にできます。モーターに入る電圧と電流だけを数学的に調整すれば良いからです。

現代の科学技術では、電子信号をモーターに送り、モーターに入る力を0.03秒、0.05秒ごとに調整することは十分に可能です。
そのため、電気自動車の自動運転を一度試してみると、ガソリン車の自動運転に比べ、ずっとスピーディーでスムーズだと感じられるはずです。

さて、ここまで学ぶと、未来のトレンドになるであろう自動運転は、ガソリン車ではなく、電気自動車で完成させるのが一番良い方法であることがお分かりいただけたかと思います。 だから、最近発表される電気自動車は、電気自動車としての意味を持つというよりは、事実上、自動運転機能に4つの車輪を付けてモーターとバッテリーをつけたものだと理解しなければならないことも分かります。

電気自動車の自動運転の仕組みの比較

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