インストラクショナルデザイン学習記録⑩
そろそろこのシリーズもまとめに近づいてきました。
鈴木克明先生著の「教材設計マニュアル:独学を支援するために」を中心にインストラクショナルデザイン(ID)の学習をしようと思います。
数学は独学で学べる部分が多いので、教材の力だけでどこまでできるのか知りたいと思ったからです。また、youtubeを活用した動画教材の開発をしており、そのクオリティを上げるためにIDの勉強が不可欠だと思ったので、今回の学習にいたりました。
また、このnoteは「教材設計マニュアル」をまさに独学で学習した際のレポートでもあります。引用はありますが、ほとんどすべて自分のことばでまとめていきます。
【感想】は最後に。それ以外は、私のための学習記録です。
【教材のカイゼン】
教材をつくり、チェックをします。ここまでの内容はチェックまでです。
この章では、チェックした内容をどう料理するか、について書いていきます。つまり、改善です。PDCAサイクルのAです。(Action,Adjust)
改善の視点は4つです。
・どこかに何かを加える
・どこかの何かを削る
・まずいところの順番を変える
・どこかの何かを変更する
改善を検討するのは、
・前提テスト
・事前テスト、事後テスト
・教材の時間配分
・教材の説明部分
・教材のまとめ部分
むやみやたらに改善をしてもいけませんが、改善をまったくしないというのもいけないでしょう。
初めから完璧なものは作れません。つくりっぱなしは辞めましょう。完成して満足はできません。
【改善は慎重に!】
「改善を行う」という行為も一つのPDCAです。いきなり「悪いところがみつかったからカイゼンしなきゃ!」と、改善を急ぐ必要はありません。
場合によっては直す前のほうがよかったから、元に戻そうということもありえるのです。
改善の戦略(Plan)を決めてから取り組みましょう。また、改善のコスト効果をよく考えましょう。教材の70%くらいを変更するのなら、1から別ものとしてつくったほうがうまくいくかもしれません。
評価テストの結果が悪くても、すぐに教材そのものの修正に取り掛かるべきではない。(Dick & Carey, 1985)
「もしこの点を改善したとして、改善する前にくらべたらどの程度よくなるだろうか。また、改善するための労力や時間はそれに見合うものだろうか」を考えることを、改善のコスト効果を考える、といいます。
【感想ー僕たちはまだ途中だ】
最近の記事は、インストラクショナルデザインらしい記事ではなくなってきている気がします苦笑
「インストラクショナルデザインらしい」とは、さまざまなデータをもとにした有効な手段だったり、教育心理学だったり、授業や教材の全体構造だったりを言っています。
一方で最近の記事は、とにかくPDCA、とにかく「妥協せず全部検証」という精神面が重要な内容な気がします。
しかもこの精神面的な部分は、抽象的になりやすく、記事として内容が薄くなりやすいですね。
ところが、精神面はその人のパーソナリティを根底から支えるものだと思います。
この根底をしっかり教えることは私にとってとても難しいです。
今回の内容をまとめていて以前のnoteにも書いた、又吉直樹さんの言葉を思い出しました。
「僕たちはまだ途中だ。続きがある」
という言葉です。これはどんな失敗をしても、どんな成功をしても生きている限りまだまだ先があるよ、ということだと私は捉えています。
つまり、教材においても、「一回作って終わりじゃない。まだまだ途中だ」ということです。
妥協もいけませんし、慢心もいけません。次があります。
肝に銘じておきます。
【次回、IDのまとめ→次の学習へ】
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