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#習慣にしていること
短編もしも小説 「鳥の顔をした石像の正体 - 最終話 知らないことを、知らない
「トトが本当に昔、奴隷として使うために人間を作ったんだとして。実は働かせるためだけでなく、人間は食料でもあったんだったとしたら。こわくね?」
「こわー。ちょっとやめてよ食事中に。」
「おれさ、こう見えて最近筋トレ始めたんだけど。めっちゃプロテイン飲まなきゃならないんだよ、最近の筋トレ法って。とにかくタンパク質を摂りまくって筋肉を効率よく肥大させようとするのね。」
糖分と脂質の塊を頬張りながら
短編もしも小説 「鳥の顔をした石像の正体 - 11 塗り替えられた天使
10 神話在る処に鳥人間在り からの続き。
「シュメール文明ではアヌンナキと呼ばれていた神とは、、」
「アヌちゃんっ!」
サクッと挿入するように反応するナオミ。
「鳥人間、すなわちトトがその神そのもののことなのか。
はたまた天使は神の使いであるという聖書の通り、あくまで使者なのか。
神話でも、現代でも、”神”という存在は文化や宗教、文献によってあまりにも多様すぎるきらいはある中で。
シュメー
短編もしも小説 「鳥の顔をした石像の正体 - 10 神話在る処に鳥人間在り
9 先住民が交信していた相手 からの続き。
「神々の指紋の発行以降、いまや広く知られていることだけれども、、
世界各地の神話には、例え大陸が離れていて各地の文化の色に違いはあれど、ギリシャ、インド、インカ、アボリジニー、ネイティブアメリカン、聖書、そして日本の神話にすらも。驚くべき共通性が見られる。
鳥に関わるものだけでも、例えば。
ネイティブアメリカンの間で伝えられる神話には、カモが海に潜り
短編もしも小説 「鳥の顔をした石像の正体」 - 9 先住民が交信していた相手
「ええぇ、トトちゃん陰険ぇーん。」
この場の空気と、相変わらず緊張感のないナオミの合いの手のバランスがなんとも言えない。
シュンはハンコックに集中し直す。
「この世界にいる鳥の数を把握しているわけではありませんが、例えば北米大陸の野鳥の個体数が、50年前の観測データの29%に当たる30億羽減少しているというデータが去年ありました。繰り返しますが人間が野鳥の数を把握しているとは思いませんが、つま
短編もしも小説 「鳥の顔をした石像の正体」 - 8 賢いカラスはトトのドローン説
7 鳥人間への進化に許された時間 からの続き。
「確かに鳥って頭いいもんね〜、カラスとかちょー賢い。」
ナオミは教授のとっておきの持論に対して、なんとものほほんと、しかしちゃんと文脈に沿った返事を返した。
「鴉。確かに。そうですね。人が出したゴミを漁っている様子は一軒野蛮で野性的に見えますが、それはあくまで人からの視点の話。見方を変えれば、効率的に餌にありつけるという知恵を備えているというこ
短編もしも小説 「鳥の顔をした石像の正体」 - 7 鳥人間への進化に許された時間
6 遂に登場した鳥人間トト の続き。
「中には。この鳥の頭は宇宙服のヘルメットであるという説があることは私も存じています。その方が、アヌンナキは宇宙人だからと言う説の裏付けになる訳なので。
ところが壁画の中には、同じような羽根を持つが、鳥ではなく、人の頭をした人物も描かれていることは知っているかな?」
ハンコックはすかさずキーボードを走らせた。
「仮に、この鳥人間が本当に宇宙人だったとしよう。
短編もしも小説 「鳥の顔をした石像の正体」 - 6 遂に登場した鳥人間トト
5 恐竜がもし進化していたら からの続き。
「先ほど君たちが言っていたNetflixのドキュメンタリー。彼女に教えてもらって、今日までの間に私も見てみたよ。なかなか面白かったね。
ただ私の説は少し違うんだよ。
学会にも何度か論文を提出してはいるんだが、反応がないところを見る限り、まだそこまで真剣に受け止めてもらえていないんだけどね。」
オッケーオッケー、これは聞いて欲しいんだな。
もちろん聞き
短編もしも小説 「鳥の顔をした石像の正体」 - 4 ハンコック教授
3 交渉 からの続き。
...
「... ディノサウロイドって知ってる?」
このインタビューは成功だ。シュンはまずそう思った。
そして、カメラを向けて録画しながらインタビュアーやりながらなので、教授のマシンガントークの編集点をメモるのに必死だった。
話し出すと止まらなくなるタイプ。考古学者。大学教授。マンツーマンで話すのは初めてだが、完全にイメージ通り。
いやこれでいい。専門家然としてい
短編もしも小説 「鳥の顔をした石像の正体」 - 3 交渉
2 岩壁に掘るということ からの続き。
絵画サークルのほぼ幽霊部員ナオミならでわの視点にナルホドと思ったのが半分。
神話の神秘的なミステリーをアヌちゃん呼ばわりして神格物への畏敬の念が全く感じられないその軽さにズッコケながら聞いていたのが半分。
奴隷の身分だった人間、の子孫ナオミの軽い考察視点は、1周まわって中々新しい、と感心しながらシュンは聞いていた。
「あーゆー視聴者に知的な深みを与えられ
短編もしも小説 「鳥の顔をした石像の正体」 - 2 岩壁に掘るということは
1 串に刺される恐竜の子孫 からの続き。
「はいすいませんすいません。ところで意外じゃん。あれ系の番組を見るなんて。いっつもは『愛の不時着』とかあーゆーやつでしょ。」
「日頃のストレスを解消するには、声に萌えたいわけ。分かる?明夫様の声が聞けるんだったら、究極的にゎモノはなんでもいいのよ。DEATH STRANDINGの明夫ボイスのマスクキャラが出てくるトコばっかを早送りで見ちゃったよね昨日。
短編もしも小説 「あの鳥人間の正体」 - 1 串に刺される恐竜の子孫
まえがきからの続き。
「今から2億5000万年前の地球に。
その後1億6000万年もの間繁栄し続けた恐竜、
、、の子孫とされる鳥、
、、を串に刺して焼いて食らう、
まだ260万年程しか生きていない小童(こわっぱ)の子孫、ナオミ。」
「おい。こんなにかわいく焼き鳥を食える女子いねーぞ」
小童の子孫である普通のアラサー女子ナオミがつっこむ。
「なにそれ、ナレーションの練習のつもり?」
短編もしも小説 「あの鳥人間の正体」 まえがき
まえがき
古事記の天孫降臨。
ギリシャ神話のオリンポス十二神。
インドの戦争叙事詩、マハーバーラタ。
南米のアステカ、マヤ。
神話・伝承は、語り手の立場・視点によって得てして脚色要素が入るものである。
子々孫々に、伝えたいように、伝えるものだ。つまり自ら軽蔑されるような部分・失敗談は伝えないはず。
この物語は筆者によるフィクションである。しかし、あなたの常識を形作っている教科書も、歴史も、人