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【11月:臨時】訓練をする前のおはなし(防災訓練)

こんにちは。

本日は祝日「勤労感謝の日」です。勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう・・・そういう日であります。とかく忙しい日々を過ごしている私たちはついつい、「会社(学校)が休みかどうか、それが重要だ」という思考になってしまいますが、ほんのたまには、普段はなかなか考えもしない、祝日の祝日たる所以に思いを思いを馳せるのも、良いのではないでしょうか。

さて、前置きが長くなりましたが(いつものことですね(苦笑))

noteでご意見をいただいた方の中に、『職場での防災訓練を行うのだが、どうすれば参加者がが真剣に取り組んでくれるだろうか、また内容として取り入れた方が良いものにどんなものがあるだろうか』といった点について、ご質問がありました。こういうの、嬉しいですね♪noteをやり始めた甲斐があるってものです(^^)

実際、地域の現状や、職種によって、やるべきことがかなり違うという部分があります。ですので、今から書いていく内容はあくまで総論的なところをお話しします。具体的な手法については、またそれぞれのネタの時に、細かく書いていこうと思います。(でないと書ききれないのです。具体的な方法を期待していた方はゴメンナサイ🙇💦)


①「防災訓練」の意味や趣旨を理解してもらう

「防災訓練」というワードがあります。シンプルなワードですが、結構人によってとらえ方が様々です。『とにかく命を守るための訓練だ!』というニュアンスの人もいれば、昨今のBCPの考え方もあり『企業活動をいかに継続させられるかが問題だ』という考えに近い方もいたりして、参加者の方々の意識は結構バラバラだったりします。業態で言えば、小規模組織やサービス業系最前線の方々は前者寄り、大規模事業者などは後者よりの考え方を重視している傾向があります。おそらく、みなさんの事業所で実際に行われている訓練シナリオは、両方のの考え方がミックスさつつ、どちらかの要素に寄っているかと思います。

「防災訓練」は、果たして何のために、だれのためにやるのでしょうか?職場の総務から、年間研修の消化のために仕方なくやらされるのが「防災訓練」なのでしょうか?そこについて、参加者間である程度共通のビジョンを持たないと、ただの時間の無駄です。

おそらく、皆さんが取り組まれている防災訓練では、おおまかなシナリオが用意されていると思います。発生直後→初期対応→・・・→訓練終了までに、いくつかの段階があろうかと思います。それぞれの段階ごとに、どんな意味があるのか、そもそもこの訓練全体にどういった趣旨があるのか、実施者・参加者各々が、よくよく考えて、同じ方向を向きながら取り組むと、効果が向上するのではないかと思います。


②なんでもかんでも、しすぎない

これは恐らく、既にできているかと思いますが、一応紹介します。例えば「地震の訓練の時は、地震の訓練に限定する」「大雨の訓練の時は、大雨の訓練に限定する」「応急手当の訓練の時は、応急手当に限定する」ということです。

私のような、防災士なんてことをしていると、どうしても職業病的に「あれにもこれにも備えんといかん!」という考えが浮かんできやすくなります。防災意識が高い人が防災訓練担当者になると、特にこういう傾向が表れます。でもそれだと、①で言うような趣旨がブレやすくなったり、参加者の向く方向がブレやすくなります。ここが、自分一人で行う場合と、集団で行う訓練の大きな違いになってきます。ですので、一回の訓練内容は極力シンプルにする、日を変えて異なるパターンの訓練を行う、こっちの方が集団訓練には向きます。

職場で防災シナリオを準備されてあるところは多いかとおもいますが、そのシナリオ、いっつも火事じゃないですか?いっつも地震じゃないですか?時々シナリオも変更していかないと、シナリオをなぞるだけの、マンネリ化した訓練になってしまいますよ!


③フォローアップについて

訓練後、総括を行ったり、反省点をまとめる作業があると思います。それって、ちゃんと次回に生きていますか?形だけ、格好つけだけの反省に意味はありません。今後や、次回の訓練以降に生きてこその反省です。

例えば火災の訓練で、消火器の配置場所がそもそも悪い(アクセスが悪い)ところにあったという反省が出たとして、それにきちんと対応していますでしょうか?「他に置き場所がないから、現状のままで」とかになっていませんか?

特に集団での訓練の場合、こういった反省点への改善(フォローアップ)がなされないのであれば「結局、言っても無駄ですね~」と、参加者は感じてしまいます。こういった事の積み重ねで、モチベーションはどんどん下がります。

①・②ともリンクしますが、反省点をきちんと出して、きちんと対応しようと思えば思うほど、ベースのシナリオはシンプルな方がやりやすいです。反省を出す方も着眼点が絞れます。反省に対応する側も、あれこれ一度に言われると手が回りませんが、シンプルなものなら対応がしやすくなります。

一度に大量に改善するのは難しいです。(※それができれば、すでにできています)スモールステップで改善を繰り返す方が、はるかに現実的ではないかと私は感じますが・・・いかがでしょうか。


④訓練の時期について

例えば、地震の訓練を行おうとする場合を想定してほしいのですが・・・阪神淡路大震災や東北沖地震などが発生した日の近くだと、テレビなどでもたくさんのドキュメンタリーが組まれていたりします。そういう時期は、基本的に参加者のモチベーションは平時よりも高くなっていたります。そういった時期を選んで計画すると、他の日に比べて、参加者は真剣に取り組んでくれたりしますよ。


⑤訓練のネタについて

①~④については、基本的に訓練を行う際の心構え的な話をしてきました。⑤は、代表的な訓練としてどんなものがあるのかというご紹介(ネタだし)をしておきます。シナリオ作成担当者の助けになれば(笑)

実技系の訓練の主なものとしては、こんなものがあります↓

非常参集訓練(営業時間内に災害が来るとは限りませんよ?)

消火訓練(消火器だけでなく、屋内消火栓をちゃんと使えますか?)

救助訓練・救護訓練(棚などに下敷きになる人、ケガ人の応急処置や、安全な場所までの搬送法を想定していますか?)

・非常電源切替訓練(非常電源の多くは、手動で切り替えが必要ですよ?)

・避難訓練、誘導訓練(避難場所への移動方法、ルート、要支援者が動けるかどうか、火災の際の防火ドアの開き方・・・など)

・情報処理訓練・伝達訓練(警察や消防だけでなく、職員間、家族・保護者への連絡の観点、組織対応としての情報の整理ができているか・・・など)


また、机上系の訓練としては以下のようなものがあります。

・DIG(Disaster Imagination Game)(タウンウォッチングや防災ハザードマップを使いながら、危険場所の確認を行ったり、地域の防災力について考えたりするもの) 

・状況予測型演習/防災グループワーク(例えば「状況付与:あなたの部屋で震度5強の揺れが発生しました → 質問:あなたの部屋はどのようになると思いますか?」というような形で行っていくタイプのもの)

・クロスロード(過酷な状況の設定で、あちらを立てればこちらが立たず・・・というような質問に、はい/いいえ で決定をしていくもの)

(※詳しくはここに書ききれないので、興味がある方はグーグル先生に聞いてもらう方が良いかもしれません💦ここでは、検索のためのワード出しということで書かせていただきます)

・・・・・・

今回は、防災訓練をする上での、心構え的なものについて記事にさせていただきました。具体例が少なく、これがすぐに役に立つ・・・という内容ではありませんでしたが、心のどっか隅っこに、こういった記事を読んだことを覚えておいていただけるといいのかなぁって思います。

誰かのお役に立つことを願って。

・・・おわり


※※※ ここからはお知らせ! ※※※

いつもは、子どもにまつわる防災&応急手当に関する記事を、月1(+臨時で不定期)で書いています!どれも、忙しいパパ・ママ向けの、サラッとライトな内容なので、ぜひ一緒に見ていってもらえると嬉しいです(^^)下に、過去の記事をマガジン形式で纏めましたので、ぜひご覧ください!

また、私の日々思っていることや、好きなことなど、私がどんなやつなのか、どんな考えをもっているやつなのかが分かりやすい記事については、下の【ただのつぶやき】シリーズが、わかりやすいかもしれません。少しでも「パパ防災士:牛尾崇彦」個人に興味を持たれた方は、覗いていただけると嬉しいです!

※※※ よろしくお願いします♪ ※※※

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