【詩】ないものねだり
おーいお茶を飲んで、口の中に出現したイマジナリーおにぎりを味わいながら、どうして丸は三角にも四角にもなれないんだろうって憂愁の想いを募らせながら、今にもこぼれ落ちそうなうろこ雲を眺めていた。なにも考えていない顔をしてみたり、たまに思いつめた顔をしてみたり、羨ましくなったり、妬ましくなったり。きっとそれはお腹がすいているからだ。口の中のイマジナリーおにぎり、ツナマヨ味ばかりで飽きてきて、こんぶ味やたらこ味も食べたいなんて思ったりするけれど、空腹はいつまでたっても満たされなくて、おーいお茶がこころのコップからあふれる音だけがきこえる。