遠藤周作文学館に行ってきました
2023年9月、学生時代の友達に会いに博多に行きました。
昼間フリーな日があったので、長崎市の遠藤周作文学館に行ってきました。
夜はまた博多で用事があったため、博多から長崎へ日帰り旅行です。
博多から遠藤周作文学館まで
博多駅から長崎駅へ
博多と長崎を訪問するのは高校の修学旅行以来約10年ぶりでした。
九州の各都市の位置関係については正直あやふやです。
博多駅から長崎駅に行くためには佐賀県を通過しないといけないとはいえ、佐賀県は東西は短いイメージなので在来線ですぐかなと思っていました。しかし、調べてみると在来線だとなんと4時間ぐらいかかる・・・。博多駅から長崎駅が153.9kmで、これは名古屋⇄京都間(147.6km)よりも長い距離でした。九州って意外と大きいな・・・と思いました。
日帰り旅行で片道4時間はあまりに辛いので、リレー特急かもめと西九州新幹線に乗って長崎に向かいます。佐賀県と長崎県の間に新幹線があることをここで知りました。西九州新幹線は2022年9月開業とのことなので、私が乗ったのはちょうど開業から1年ぐらい経過したころです。東海道新幹線に乗り慣れた私は、シートが青色ではなく明るい黄色のことにおどろきながら乗車しました。車両のなかは新車特有の香りがしました(私は結構あの新車の香りが好きです)。
長崎駅から遠藤周作文学館へ
長崎駅からいよいよ遠藤周作文学館を目指します。
路線バスで行こうと思ったのですが、これが難しかったです。
名鉄名古屋駅のように同じホームに行き先の異なるバスがひっきりなしにくるので、どれに乗ればいいのかさっぱりわからない・・・。
なんとかお目当てのバスを見つけて、念のためバスの運転手さんに遠藤周作文学館へ行くか確認して乗り込みます。
バスに乗ってしばらくすると人里を離れ、山の中に入っていきます。本当にこのまま乗っていてたどり着けるのだろうか・・・と不安になりましたが長崎駅をでて1時間半、ついに到着です。
遠藤周作文学館
作家・遠藤周作は2023年で生誕100周年です。
特別記念展が今回のお目当てでした。
特別企画展では、「海と毒薬」「沈黙」「深い河」といった主要作品を軸に、遠藤周作の一生を追体験できるようになっていました。直筆原稿や取材メモも見ることができて、濃密な時間を過ごすことができました。
特に私が印象に残ったのは「深い河」の展示です。「深い河」を書くのは相当な難事業だったらしく、「どうしてこんな辛いことをしないといけないのか」という旨の弱音や泣き言が日記に綴られているそうです。「深い河」を書く頃はもう富も名声も十分にあったでしょう。別に無理して書く必要はなかったはずです。それでも踠き苦しんでまで表現したかったこと・伝えたかったことは何か、改めて読んで感じてみたいと思いました。
また「深い河」を執筆時の心情は「『深い河』創作日記」に綴られているとのことなので、こちらも読んでみようと思います。
他にも、遠藤周作が織田信長について論じていることも文学館に行って初めて知りました。自分のことを「弱虫」という遠藤周作さんが、「強虫(のイメージが世間的に定着している)」の織田信長をどう見ていたのか知りたくなりました。こちらも読んでみようと思っています。
写真撮影可の遠藤周作の言葉が透明な柱のように立つコーナーは若い人にも人気だそうです。
このなかで「善魔」という言葉は遠藤さんのエッセイにでてきて、とても印象に残っています。「自分の正義を他人に押し付けるな」と、特に仕事で後輩に指導する際には自分に言い聞かせています。SNSで気軽に自分の意見や考えを発信できてしまう今だからこそ、「善魔」という言葉は刺さります。「善魔」にならないように気をつけていきたいものです。
終わりに
遠藤周作記念館で素晴らしい時間を過ごすことができました。
生誕100年の企画展は2024年9月までです。
長崎駅から路線バスで1時間半と訪問はなかなか大変ですが、遠藤さんの作品のファンの方は行く価値があると思います。
ぜひ行ってみてください!
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