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所有という名の悪魔。「人はなぜ物を欲しがるのか〜私たちを支配する「所有」という概念|ブルース・フッド|白揚社」

昨日読んでると書いた記事の本読み終わりました。

再度言おう。読めるなら読んだ方がいいよね。

この本のタイトルの原題は「Possessed」
possessには「所有する」という意味の他に受動態の場合は「(悪魔などに)取り憑かれた」という意味があるんだそうで。

昨日の私の記事の中では仏教を引き合いにだしていたけれど、この本の後半部分にはキリスト教や十戒での戒めに関する項目もあった。まぁ端的にはそうなのよ。
古来からの真っ当な宗教の戒めは、人類が起こしがちな諍いを抑えるための知恵が含まれていて、宗教戦争など他部族との争いにはその限りではないけれども、少なくともコミュニティ内で円滑な生活をさせるための話が盛り込まれてる。

さてさて、全体を通した内容なのだけれども、ここ10年くらいの心理学、社会学、歴史学、行動経済学、進化生物学などの広義でいうところの哲学の総集編と言っても過言ではない内容で。

テーマは「所有」だけれども、現代のかなり幅広い分野に関する問題への言及がかいてあるからこそ、めちゃくちゃオススメしたい。

それだけ「所有をしたがる」ということ自体が他の動物にはなく人間社会をつくる礎であり、諸悪の根源でもあり善くも悪くもあらゆることにかかわっているからなのだけれども。

そういう本を割と多めに読んでる私にとっては心地よくただただ「バイアス」を強化しただけな気もしてしまうし、伝統的な宗教が軽視される現代社会での「科学」という名の宗教における新しい戒めのための本とも言えるんだけれども、まともな戒めには理由があるし、そういうことがあるということを知っているのと知らないのとでは、知ってた方が幸福になるかは別として、やっぱり不幸をもらう確率は下げれるよねって思ってて。
変な自己啓発本を読むよりはまともだと思ってるし。

何週間前にこんな記事を書いているんだけれども、ほぼ不幸を避けるための内容だけれども、

この本でも、モノに執着するより体験であったりのコトにお金をかけた方が幸せになるよねっていうのがもっと科学的に書いてあるんだけれども、それはそう。

それすら、現代の時流に乗った思想・バイアスであって、いくつかは普遍的であろう内容で、いくつかは時代が過ぎ去ればトンデモな内容であることすらあるのは留意が必要だけれども。

というか、昨日書いた記事で「無用な嫉妬とかされたくないでござる」とかっていう話についても見透かされたように後半に書かれておりました。
世の中には、あまり裕福ではないけれどステータスシンボルとしてブランド品を見せびらかしたいがために身につける「Bling Bling(ブリンブリン)」と呼ばれる人々と、逆に「嫉妬とかされたくねーし」って質素に振る舞う人々がいると。

ちなみに宇佐兎三は、ブランド品についても値段と質で検討した結果ブランド品になってしまったみたいなものばっかりなので、そんなに高いのももってないものの、いくつかは持ってるけど「なんで他人の名前ぶら下げて歩かなきゃいけないの?」って思ってるので、購入する際の第一条件はわかりやすいロゴが入ってないか取り外せるコトです。

全然、富裕層じゃないけど。はい、すみません。

重要なのは所有をすることではなくどう使うか

その「どう」の部分も使いよう次第すぎて、それこそステータスシンボルとしてみせびらかすすらその「どう」に入ってくる気がするけれど。ただそれで幸せを感じれるならば、否定をする余地もないのだけれども、誰かとの比較でモノを買うことはもっとスゴイものをもっている人との比較にもなってくるので、飽くなき競争の元になってあんまり良い結果にならないと思うんだけれども。

だからこそ、自分の必要なスペックのものを買うのがいいよね。ってPCの記事とかでも書いているのはそのあたりで。ちゃんと分かってる人ほど自分に必要なスペックのものを買ってる印象があってよく分かってない人ほど「とりあえずイイやつ」ってなっちゃってるのはあらゆるジャンルにおいてある話で。

私だって、よくわからないジャンルのものを買うときは予算が許す限りにおいてオーバースペックのものを買ってしまう傾向がある。

今回のアイキャッチ画像のイラストは、先月から今月初めにかけてまぁ買い物しまくっていた自分に対してどう戒めの記事を書こうかなと思っては2度ボツにした記事用のイラストで、ようやく日の目を見たわけだけれども。

必要だったんだけれども!必要だったの!(言い聞かせるように)

まぁ買い物依存症ってほどの感じはないものの若干はやっぱあるわよ。
やっぱり消費の悪魔に取り憑かれちゃうこともある。

この本でも言及されているように、他人が持っているもの比較と、溜め込むこと自体が目的になるような消費行動はあんまり幸せにならないと思っていて、世界的に見ても豊かな日本だからこそ、モノよりもコトに。
せめて自分がしたいコトに使えるモノを買うようにしたいよね。

ちょっと面白かった内容で締めようかな

・西洋と東洋でのバイアスの違い
・電子書籍などのデジタルコンテンツの話
・ステータスシンボルのための所有について
・集団意識の強い日本において北海道に個人主義が多い理由
・ゴミ屋敷の住人について
・エルサレムの領土問題

この辺りかな。私が断片的に説明をするよりも本編を読んだ方が理解の度合いを考えてもいいよねということで、箇条書きのみだけど。

人生を変えるとまでは言わないけれども、人生の戒めにはなると思うので、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。


この手の話って抽象的で理解が難しいから、あんまりスキつかないんだけれども、読んでくれる人だけでもちょっぴりでも人生がよくなったらいイイよねって思って書いてる。


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