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原体験1「エルコス」

物心ついてから初めて見たミュージカル「エルコスの祈り」

このミュージカルは現在に至るまでの私の思想や美学、先端技術への関心といった部分に深く影響を与えた作品の一つです。

メインビジュアルの異国的な厚塗りの絵柄は
それまでアニメや漫画の絵ばかり見ていた私にとってとても印象的で当時とても衝撃を受けました。
どうしたらこういう絵が描けるのだろう
と、当時とても気になりました。

このミュージカルはサイバーパンクな世界観のもので、「ユートピア学園」という学校を舞台とした作品です。
ユートピア学園では落ちこぼれ・問題児のレッテルを貼られ親や先生に見放された子どもたちが集められ、厳しい規則に縛られて生活していました。
そこに心を持ったアンドロイドのエルリック・コスモス
通称「エルコス」が教育ロボットとしてやって来た
といった内容ものです。

このミュージカルは「正しい先生とは何か」という己の基準のようなものに深く影響を与え、更には先生になりたいと思う根本的な思想の礎にまでなっています。

そして、ストーリー以上にその視覚芸術的な美しさは十年以上経った今でも鮮明で 当時の感情が今もそこにあるようです。
(物販か何かで買ってもらったらしきエルコスのシルエット付きの虹色の色鉛筆も、今なお机の引き出しに入っています。)

液体の満ちた近未来的な装置から現れ
可憐な、純白の衣装で踊り舞う「エルコス」
人間以上に人間らしい心・感情を持つ「エルコス」
自分もそのような者になりたいと思いました。

また、現代では現実としてAIなどが台頭してきています。
実際には何年も前に考えられてきたようなAIと人類の対立は今のところ無く、AIを悪用するものやAI開発の過程で他人の権利を侵害する者とそれに抗うものたちによる人類と人類の争いが起きている最中であり「エルコス」の世界とは少し異なります
しかし本当に重要なのは人間らしい心や感情であり、この様な時代の中でそれはより顕著になってゆくと私は考えます。
結局、人の心を深く打つものは論理ではなく「感情」です。
これを深く理解する必要があると思います。

私は人間で、なんでも出来るスーパーロボットでは無いただのクリエイターですが 誰かにとっての「エルコス」のような存在でありたいなと思っています。
そして、また新たな「エルコス」先生が誕生しそれが永遠になってゆくならばこれほど嬉しいことはないでしょう。

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