羽佐木美々

はじめまして。いま、物書きになりました。ライター・随筆家・作家などなど…私の未来は自由…

羽佐木美々

はじめまして。いま、物書きになりました。ライター・随筆家・作家などなど…私の未来は自由です。(webディレクター/編集してました)

マガジン

  • 今日面白かったこと

  • うさぎの超短編小説まとめ

    たまーに書きます。超短編小説です。

  • うさぎとび

    1回20分、書けたところまでの文章筋トレです。有益情報や物語性はありません。単語ガチャで出てきた単語について、思いつくまま書きます。

最近の記事

買い物

数日ぶりの買い物に出かけた。 買い物袋の一つを自転車カゴいっぱいに詰め込んでも、まだ二袋あるというくらいに買い込んだ。 無理に詰め込んだ袋からは、新じゃがと新たまねぎがゴロゴロ落ちてしまった。 なんとか苦労してまたがった自転車も、一度乗ってしまえばこっちのもので、日の伸びた夕方をすいすい行く。 まだ五月というのに、昼間は真夏だった。この時間ともなると、少しばかり過ごしやすい。 髪をすく風の中に、雛鳥たちの声がした。 人気のない、反響する街の中で、どこからか親鳥と

    • 金曜日の朝は、ペットボトルの回収日。 軽いのに場所だけをムダに取るから、早く家から追い出したい。 急いでつっかけを履いて、玄関の戸を開けると、鼻が春だといった。春の匂いがした。 これは、つつじだ。 道路脇でおしくらまんじゅうをしているつつじが、うんと蜜を蓄えている。 最近はマスクをしてたから、ちっとも気がつかなかった。 家から出ないうちに見失ってた。 わたしはいま、地球の春にいる。

      • 第二の月

        第二の月が発見されたらしい。 それは三年前から軌道に乗っていたという。 そして、数ヶ月後には去ってしまうらしい。 天文学者はすごいなと思った。 宇宙は広くて観察対象も多いから、気づくのは遅れてしまうとしても、去ることは予測できるのだ。 喫茶店で最近の写真を見返していると、背景に必ず同じ人が映ってることに気がついた。 驚いて振り返ると、その人物はやはり背後にいた。 「はじめまして」と挨拶をして、友人になった。 しかし、この人とは数ヶ月の友人関係だ。しばらくしたら、私の元

        • 招く

          部屋が汚いと、家に人を招くことはできない。 たとえ見えないところに荷物をちょちょいと追いやっていたとしても、 大事なところをきちんとしておけば大丈夫。 自宅に人を招くのは、何より自分が楽しい。 大変ではあるけれど、強制的に自分を開いたような気がする。 私は整理整頓も掃除も嫌いだ。 人が来るときには隠蔽工作する。 それでも、招いた後にすっきりした部屋を眺めるのは気分がいいし、人が来てくれるのは嬉しい。 心はそうはいかない。 見せたくないことがいっぱいある。端に追いやっても

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        記事

          太陽

          窓辺にいると、光の具合が刻々と変わって、 そのどれもが好ましくて、 私は太陽のことが好きなんだなぁと思う。 それなのに、 私は今日の月は大きいだの、うさぎが見えるだの、ハチミツみたいで食べたいだの、 月ばかりその正体を見て楽しんでいる。 そのうえ、夏のギラギラした太陽は嫌いだ。 本当はみたこともないのに、 こんなことをいって、 太陽は私のことをどう思っているのだろう。

          幼い頃の夢

          昔の夢って、意外と覚えていない。 人の夢は案外覚えていたりする。 今度結婚する幼馴染は、ずっと昔から保育士になるのが夢で、本当にそのまま、迷うことなくその道を歩んでいった。 絵が上手かった友達はお花屋さん。 お人形みたいだった友達はケーキ屋さん。 押入れから卒業アルバムのようなものを見つけた。 私の夢は歌手だった。 中学校の頃の夢は写真家だったことを覚えている。 高校の時は、装丁家か小説家。 本当に小さい頃は、お花屋さんとかケーキ屋さんとか「なんとか屋さん」なんて普通

          幼い頃の夢

          駅から自宅前までのバスに乗る。 最新式のバスは、後方座席の背もたれが低い。 窓もかなり広い。 座ってみると、今までと景色が違う。 ぼーっと座っていると、 車中の人が夜の闇に溶けていって、 私だけになったように思えた。 なんだか家まで送ってくれるロケバス気分。 優雅な帰り道。

          駅から自宅前までのバスに乗る。 最新式のバスは、後方座席の背もたれが低い。 窓もかなり広い。 座ってみると、今までと景色が違う。 ぼーっと座っていると、 車中の人が夜の闇に溶けていって、 私だけになったように思えた。 なんだか家まで送ってくれるロケバス気分。 優雅な帰り道。

          収入源から飛び立てない

          物書きになって1年になった。 肩書きは「ライター」だ。 前職のスキルを少し生かして、 取材と撮影と執筆をセットに行っている。 この1年で、重宝してもらえることもあった。 でもやはり、それはスキルや時間を売っているだけなのだと、このところ感じる。 Webの記事でこの手の依頼は、まず自分らしさは必要ない。 依頼主は、 取材で楚々をしないくらいのコミュニケーションスキルがあって、 掲載できる程度の写真が撮れて、 日本語に問題がないライティングスキルがあれば良いと思ってる。

          収入源から飛び立てない

          山中康司さんという方をフォローしたら、 ちょうど300人目だった。 キリ番って今どき言うのかな? 朝からちょっと嬉しいよね。

          山中康司さんという方をフォローしたら、 ちょうど300人目だった。 キリ番って今どき言うのかな? 朝からちょっと嬉しいよね。

          働く と 働かない のグラデーション

          ピンピンコロリ。 昨日まで元気だったのに、 今朝見たら亡くなっていた。 昔はそういう言い方をしていたらしい。 今読んでいる本の中で、 昔はこのような生から死までが一瞬で、プツリと切り替わるような概念が良いされたと書いてあった。 今でも、老後に迷惑をかけるくらいなら心臓発作でぽっくり逝きたいと、父も言っている。 その一方で、 昨年祖父が亡くなったが、祖父は90歳を超える中で、緩やかに認知症になり、 激しく頑固な時期もあったが、 本当に直前は、溶かされていくように忘れてい

          働く と 働かない のグラデーション

          役に立つものを作るなんて、ごめんだね。 人のためなんて、 あなたとわたしの関係なんて、 どうだっていい。 いまのあなたの気持ちに、 抱きとめるような温もりを。 いまのあなたの気持ちが、 ここちよくなる楽しみを。

          役に立つものを作るなんて、ごめんだね。 人のためなんて、 あなたとわたしの関係なんて、 どうだっていい。 いまのあなたの気持ちに、 抱きとめるような温もりを。 いまのあなたの気持ちが、 ここちよくなる楽しみを。

          メッセージの彼女

          いつもと全然違うことをいいますけど、 メッセージだけの彼女って、 サービスとして実現できるかな? 1年間くらいの期限付きで。 ちょっと、やってみたい。

          メッセージの彼女

          電車の動画広告で、 ひたすらに「比較」を推すものを見かけた。 「比較」の文字が画面の中でどんどん大きくなる。 登場人物が「やっぱり比較だなぁ〜」という。 恐ろしい。 世にも奇妙な物語を生で見ている気分だ。 この世から「吟味」ということばは消えたのだろうか。

          電車の動画広告で、 ひたすらに「比較」を推すものを見かけた。 「比較」の文字が画面の中でどんどん大きくなる。 登場人物が「やっぱり比較だなぁ〜」という。 恐ろしい。 世にも奇妙な物語を生で見ている気分だ。 この世から「吟味」ということばは消えたのだろうか。

          お金の捉え方

          みんながお金をどう捉えているのか分からないけれど、 私はたぶん小さい頃から変わってなくて、 うまい棒を10本買えるとか、 肉まんの買食いを週3できるなとか、 デートに新しい服を新調できるとか、 今月はご褒美にコース料理食べちゃおうとか、 個人的な遊びの資源でしかない。 一人暮らしを始めた頃は、住むところはあって当たり前の感覚があるので、家賃に搾取されることが許せなかったりした。 お金をもらうことに対しても、労働対価というのはずっと腑に落ちなかった。 与えられた仕事な

          お金の捉え方

          悴んだ手を水滴の落ちる満員電車であたためた朝 沈んだ雰囲気にしかならないグレーの会議 ビルの間を縫うように歩くお昼休み でも今なら 光の向かう方へ駆け出せば 雨上がりの虹に会えるよ

          悴んだ手を水滴の落ちる満員電車であたためた朝 沈んだ雰囲気にしかならないグレーの会議 ビルの間を縫うように歩くお昼休み でも今なら 光の向かう方へ駆け出せば 雨上がりの虹に会えるよ

          少し曇った日は、レースカーテンからの光がなお柔らかい。 6畳間いっぱいのカーテンは、一面何もないの雪景色に見える。 今日はカラスが騒がしい。 昨日の深夜も日が昇る前からずっと鳴いていた。些か異常なほどに。 カーテンの向こうに、黒いシミができた。 怖くて、そのままにした。

          少し曇った日は、レースカーテンからの光がなお柔らかい。 6畳間いっぱいのカーテンは、一面何もないの雪景色に見える。 今日はカラスが騒がしい。 昨日の深夜も日が昇る前からずっと鳴いていた。些か異常なほどに。 カーテンの向こうに、黒いシミができた。 怖くて、そのままにした。