黒くて小さな丸いもの
3歳になった息子の手をひいて、多摩川まで散歩に行ったときのことだ。アスファルトで舗装されたサイクリングロードの上に、黒くて小さな丸いものが落ちていた。当時、「石」が好きで、つるつるの石、ザラザラの石、色のきれいな石、固い石など、いろんな種類の石を見つけてきては宝物のように集めていた息子は、その黒くて小さな丸いものをじっと見つめてから、つまみ上げようとした。しかし、その黒くて小さな丸いものは、今まで見てきた石と何かがちがうようだった。まず、触り心地が柔らかそうで、ツヤツヤしてい