暖冬の東京に初雪。オリコンまで、あと200日を切っている!

 前回、文章を書いたときに初雪が降っていたということは、それから1年365日以上経ってるという事実にまず驚く。わたしの周りは変わりばえしないようでいて、別世界に来たように変わっていることに、二度驚く。(記憶とは自分勝手なものだ。どんなことにだって意外と慣れていくのだから)。

 去年、30年続いていた年号が変わった。平成から令和へと。令和という言葉は「万葉集」にある和歌を由来としていると聞いていた私は、何気なくネットで見つけた「万葉通り」沿いにある、かわいい色合いのアパートが気になり、翌日の午前中に内見。一目見て、即決してしまった。

 角部屋のその部屋は、合計7枚の窓に囲まれており、暖かな日の光が差し込んでいた。窓の下には茶色い木製のL字型のベンチシートで囲まれ、出窓の前に見えるのは一面の桜並木。道路をはさんだ正面には小学校の広い校庭(統廃合されて使われていないので静か)という眺めのよさ。

 何よりもアパートの色合いにすでに予感はあったのだ。30年ほど前に建てられたとは思えないハイカラなデザインの空色とピンクの外壁に駐車場の赤いポール。思いきって乗って行ったライトブルーのビートルを停めたら、少し古い広告のポスターの写真みたいにマッチするのにも驚いた。駐車場代もいらない。いつ停めてもいい。とも大家さんが言ってくれた。

 これは、「これまでの25年間頑張ってきたことへの天からのご褒美にちがいない」と、私は心の中で高揚した。

 そして、令和元年五月一日。青い寝袋ひとつを持って、自立への第一歩を踏み出したのだ。

 しかし、物事はそう簡単には進まなかった。


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