あ、私、カサンドラだ!

コロナ騒ぎが起きる前だったから、2020年の1月のことだ。私は関西の病院に入院してる父の面会のために何度も介護帰省し、家族と別居は始めたものの、仕事のストレスと自宅においてきた子供達のことが心配で、やつれた肩に、オリンピックで騎手を務めた室伏の投げた砲丸を5つか6つ乗せているように、身体も心も重く、だるかった。

それでも、そんな室伏を乗せたまま、私は行かねばならなかった。
そう、私はついに見つけたのだ。秘密を。私の、この、しんどい、しんどい毎日がどこから来てるのかが解明される日が来るのを。それは、1枚のポスターを見た時。あなたは稲妻のよ〜うにやってきた。だから、振り向きざまに2度見した。
そして、「これだ!」「私はこれにちがいない!」「これに参加しよう!」と心に決めた。しかし、ポスターを凝視してみると、申し込み予約期限が切れていた。先着80名とある。開催元の市役所に電話して聞いてみようかと思ったが、むげなく断られてしまったら、せっかく一筋の光を見出した心が折れてしまう。私は当日、直接会場に出かけることにした。

そのイベントのタイトルは「発達障害とカサンドラを考える」というものだった。
カ、カサンドラ!?何、それ?
と思って、内心、あわあわしながらネットで調べてみたら、「カサンドラ症候群」という聞きなれない言葉が表れた。「アスペルガーなどの発達障害の夫を持つ妻が、自分の気持ちを受け入れたり、共感してもらえないことが長年にわたって積み重なり、抑うつ状態などに陥ること」などとある。
そう、ピンポン!犯人はわかった。ズバリ、私は、カサンドラだ。


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