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神さまの存在について

母がかけてきた電話にて。

最近、母にとても悲しいことがあったらしい。

私が聞いても、胸が痛い。

誰の何のコメントも役に立たない悲しいことだった。

「ごめんね。何も言ってあげられない」としか言えず、「禍福は糾える縄の如しっていうから」と、伝えることしかできなかった。

その悲しいことが、今後悲しくなくなる可能性はゼロ。

幸福に転じる可能性もゼロ。

絶望的な状況において、「禍福は糾える縄の如し」なんて、そぐわないコメントだったなと思う。

ごめんなさい。

母はテイカーだ。

私にとって、時にギバーであることもあるけど、テイカー(奪い取っていくタイプの人)であることのほうが多い。

テイカーであろうとギバーであろうと、誰にでも悲しいことは訪れる。

やりきれない、身をきられるような悲しみ。

母の悲しみについて、私は何も言えなかった。

もう時間がない。

という涙声の母に、「そうだね」としか言えなかった。

悲しみに心の全てを奪われてしまわないように、と密かに祈るだけ。

悲しいね。

辛いね。

そんなひどいことないよね。

同情する言葉はいくらでもある。

でも、果てしない悲しみの前では、どんな言葉も無意味で、無力だ。

唯一の救いは、母にその悲しみを吐き出せる相手が(私という存在であっても)いること。テイカーとして、私から精神的な力を奪っていくとしても、吐き出すことができること。

私はその悲しみについて、事情を深く聞くことはしなかった。

母は涙声で、

ーー神さまなんて信じてないけど、本当にいないんだなって思った。

と言った。

神さまを持ち出してくるあたり、母はやっぱりメルヘンだなと思ったけど、それも言わなかった。

神さまがどうたらこうたら言うより、私がただそこにいで、聞いていることのほうが大事だと思ったから。

でも、私は心の底では思っている。

あなたは(母は)どんな形の神さまかは分からないけど、神さまを信じているから、今正気を保って私という人間や、私のきょうだいという人間の母をやっていられるのだ、と。

だからあなたの神さまを、いるとかいないとか、信じているとかいないとか、逐一出来事に左右されることなく、そんな当てにならない存在ですら信じていられるのだから、目の前にある悲しみを受けて、安心して泣いたらいいのだと。

神さまって、元々そういう存在でしょうに。

悲しいとき、辛いとき、やりきれないとき、思いっきり泣いて、そういう人間たちを見守るのが神さまだと、私は思う。

まあ、神さまのいない私の、個人的な感覚ですけどね。。。

【今日の英作文】
このジャケットはそのスカートによく合います。
This jacket will go well with this skirt.

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