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「これじゃなぁあい!」と思った話

職場の先輩の1人は自由人。あらゆる感じでフリーダムに見える、私より約三周り干支が上の方。

人生色々あるし、先輩の人生をよく知らない私が自由人だの、フリーダムだのと言ったら、失礼なのだけど、明るく元気に、いつも自由で、開放的に生きていらっしゃるので、ここではフリーダム先輩と呼ぶ。

この間のメニューは、食堂きっての人気メニュー「とんかつ」だった。相棒は「うどん」。

食堂開店から1時間ちょっとで、80食近く出た。

カウンター前にずらーっと常にお客さんが並び続ける状態。なのに台の上にお皿はせいぜい20枚くらいしか並ばない。

キャベツを盛り付け、とんかつを5等分にカットしてお出しする。

ちなみに、キャベツは千切りでトングを使って盛り付ける。結構難しい。お皿の上でぼさぼさになったり、周りに散らかっちゃったり。

お出ししながら、小鉢の数、お味噌汁のお椀の数、ソースの小瓶の様子(なくなる前に大瓶から補充する)をチェックし、巨大トレーのとんかつ自体がなくなるまでに、新しいトレーを取りに行く。千切りキャベツがなくなる前に、取りに行く。というようなことを同時進行でやる。

こういう時、タコになりたい。

あっちにもこっちにも手がぐいーんと伸びていく、「千と千尋の神隠し」の釜爺みたいな。

そのフリーダム先輩がヘルプに入ってくださった。

ありがたかった。

1人でやりきるのはやっぱり大変だから、助けてもらえて幸せだ。

ところがね、やっぱりね。

人間欲目というものが出てくるらしくて、助けてもらっているのに、「これじゃなぁあい!!」とも思ったりする。

フリーダム先輩は、お客さんの待つカウンターへとんかつの乗った皿を「運ぶ」ヘルプをしてくれたんだけども、私は「運ぶ」ヘルプも大事だけど、キャベツを盛り付けたり、小鉢・味噌汁・ソースの具合を見て、その補充をして欲しかった。

応援してくれ、助けてくれる、フリーダム先輩には、感謝しかない。でも、これじゃなぁあい!

味噌汁(の準備したお椀)も、こんなにハイスピードでお客さんが来ると思ってなかったし、想定以上のお客さんだったので、足りなくなってしまった。

合間を縫って、味噌汁の追加を盛りつける。この時、追加の味噌汁の具は、サンプルとも、今カウンターに出ているものとも違ってしまったので、今出ている味噌汁がなくなってから出すか、2段積みのお盆の下の段にするとかにしなければならない。それが一応のルールだから。

でも、フリーダム先輩は、特にそういうことを考えてないらしかった。どーんと、新しく盛り付けた味噌汁のお盆を2段積みの上の段に乗せた。

フリーダム先輩が、味噌汁の追加のお盆を積んでくれたのは確認したけど、どう置いたのかまでは知らないし、確認する余裕もない。

結果。元々の味噌汁が一盆まるまる残って、追加のお盆の味噌汁がほぼなくなるところまでいってしまった。

「これじゃなぁあい!」と思った。

私がルールに対して頑固すぎるのがよくないのかもしれない。守らねばとかたくなすぎるのかもしれない。

自分ルールが強くて、フリーダム先輩のおおらかさを許容できない器の小ささがあるのかもしれない。

そういう人間は扱いにくい。

ルールをどこまで守り、どこからを融通をきかせてOKとするのか。フリーダム先輩のやり方は褒められたものじゃなくても、「まあ大丈夫」の範囲にあるのか、私にはまだよく分からない。

だから私が、「これじゃなぁあい!! 」なんて言えないし、言うべきでもない。

でも、一瞬思った「これじゃなぁあい!!」感は消えない。

思っちゃうのは、仕方のないことなのか。思ってもいけないことなのか。むずむずする。

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